保険見直し 2023.3.31

生命保険の保険料平均額は?ライフステージに合わせた保険の選び方も解説

生命保険への加入を検討する際、保険料はいくらに設定すればよいか悩みます。

しかし、保険料は保障内容や契約する商品次第で異なり、必要な保障額もさまざまです。年齢や世帯年収が同じなら、生命保険の保険料も同じで良いとは限りません。

保険はライフプランやライフステージにあった保障内容を考えて選ぶ必要があり、保険料も異なります。

本記事では、性別や年齢別、世帯収入別での保険料の平均や、ライフステージごとに必要な保険を解説。また、保険を選ぶときのポイントも紹介します。

自分のニーズにあう保険料がいくらになるかを考え、保険選びに役立てましょう。

生命保険などの保険料の平均額は?

生命保険文化センターが発表している「生活保障に関する調査」「生命保険に関する全国実態調査」のデータを参考に、年間の保険料は平均でいくらなのかを見ていきましょう。

【全体】個人の年間払込保険料の平均

生命保険文化センターの2022年度生活保障に関する調査から、年間払込保険料の全体平均と金額別の分布を表にまとめると、以下のとおりです(※)。

【年間払込保険料(単位:%)】

全体平均 17.9万円
12万円未満 39.5
12~24万円未満 30.2
24~36万円未満 13.3
36~48万円未満 4.4
48~60万円未満 1.9
60万円以上 3.3
わからない 7.5

(※)出典:公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査《速報版》年間払込保険料(全生保)2022年データ」を元に筆者作成

生命保険文化センターの資料では、1年間に払い込まれた保険料の平均は全体で17.9万円、1ヶ月に換算すると約15,000円です。

ただし、年間の払込保険料総額が12万円未満の方も39.5%を占め、月々の払込保険料が1万円未満の人も珍しくありません。

【男女別】年間払込保険料の平均

つづいて、生命保険文化センターの2022年度生活保障に関する調査から、年間の払込保険料を男女別でまとめたものが以下の表とグラフです(※)。

【男女別・年間払込保険料(単位:%)】

男性 女性
平均 20.6万円 16.0万円
12万円未満 33.0 44.1
12~24万円未満 29.1 31.0
24~36万円未満 15.7 11.6
36~48万円未満 6.2 3.1
48~60万円未満 2.5 1.4
60万円以上 4.5 2.4
わからない 8.9 6.4

(※)出典:公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査《速報版》年間払込保険料(全生保) 2022年データ」を元に筆者作成

男性は平均20.6万円ですが、女性が16.0万円と少なくなっています。

同じ保障内容・年齢でも、生命保険の保険料は性別により異なります。生命保険の保険料は男女別・年齢別の死亡率を加味して算定され、平均寿命が男性と比較して長い女性は保険料を低く設定されるケースが一般的です。

【世帯主の年齢別】年間で支払い可能な保険料の平均

生命保険文化センターの2021年度生命保険に関する全国実態調査から、支払可能保険料を、世帯主の年齢別にまとめると以下のとおりです(※)。

「支払可能保険料」とは、現在支払っている生命保険の保険料を含め、世帯内で1年間に最大いくらの保険料を支払えるかを尋ねた金額です。

【世帯主の年齢別・支払可能な保険料(単位:万円)】

年収 支払い可能な保険料の平均
全体平均 31.8
29歳以下 21.8
30~34歳 31.1
35~39歳 34.7
40~44歳 34.5
45~49歳 34.2
50~54歳 38.0
55~59歳 35.2
60~64歳 37.3
65~69歳 32.9
70~74歳 26.2
75~79歳 19.0
80~84歳 20.8
85~89歳 23.2

(※)出典:公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査 支出可能保険料 2021年データ」を元に筆者作成

全体平均は31.8万円ですが、平均以上の金額を支払可能と回答しているのは、世帯主の年齢が「30~34歳」から「65歳~69歳」までです。

「50~54歳」をピークに、世帯主の年齢が上がるにつれて1年間に支払える保険料も増え、「65~69歳」以降では減少傾向が見られます。

【世帯年収別】年間で支払い可能な保険料の平均

生命保険文化センターの2021年度生命保険に関する全国実態調査から、世帯年収別での支払可能保険料をまとめた結果は、次のとおりです(※)。

【世帯年収別・支払い可能な保険料(単位:万円)】

200万円未満 17.5
200~300万円未満 18.0
300~400万円未満 24.8
400~500万円未満 24.3
500~600万円未満 28.6
600~700万円未満 29.1
700~1,000万円未満 40.1
1,000万円以上 56.0

(※)出典:公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査(世帯年収別)2021年データ」を元に筆者作成

基本的に世帯年収が上がるにつれて、1年間に支払える保険料の金額も上がっています。

保険料は年齢だけでなく、世帯年収にあわせて無理なく支払える金額を設定する必要があります。

保障内容や保険料はライフステージでも変化する

就職や結婚、子どもの誕生と、ライフステージが変化すれば必要な保険も変わります。必要な備えが変われば保険料も変化するため、ライフステージごとに保険の見直しを行うのも大切です。

就職したら手頃な保険料で入れる保険から加入を検討

就職したばかりで独身なら、まずは自分の病気・ケガに備えるため、医療保険への加入がおすすめです。就職したばかりの頃は、あまり収入が多くない場合もあるため、手頃な保険料で入れるものに加入するとよいでしょう。

病気・ケガで働けない期間の収入を補える、就労不能保険もあるとさらに安心です。

なお、遺族にお金を残す必要がないなら、高額な死亡保障はいりません。ただし、お葬式代で迷惑をかけたくないと考えるなら、死亡保険金で備えるのも選択肢です。

結婚したらパートナーとの将来に備えた保険への加入を検討

結婚するとパートナーと生計をともにするため、ライフステージが変化します。自分に何かあったとき、パートナーの生活に影響が出る可能性を考え、必要な保障内容はパートナーとも話しあって決めましょう。

夫婦共働きか、一方が働いてもう一方は家事に専念するか、選ぶライフスタイル次第で合理的な保険内容は異なります。例えば、一方が生計を支えていて、死亡するともう一方が経済的に困窮すると予想されるなら、死亡保障を手厚くする必要があります。

また、死亡保険の保険金はまとめて受け取るケースが一般的ですが、分割で受け取れる特約も存在するため、加入時には保障内容や保険料とあわせて受け取り方法も確認しましょう。ほかにも、年金形式で保険金を分割して受け取れる、収入保障保険もあります。

自宅購入で住宅ローンを利用するなら、基本的には契約者の死亡時に残債務をカバーできる団体信用生命保険への加入が条件となります。そのぶん、死亡保障が追加されることになりますのであらためて過不足を考えましょう。

子どもができたら教育資金への備えもプラス

子どもが誕生すれば、日々の生活費に加えて子どもの教育資金も考える必要があります。教育方針によっても必要な金額は変化しますが、学資保険や定期預金の積立なども利用し、計画的に準備しましょう。

さらに、死亡保険や収入保障保険での備えを手厚くしておけば、子どもが独立する年齢になるまでに、もしものことがあっても経済的に安心です。また、少子高齢化がすすみ、教育関連の公的な助成が充実し始めています。その動向も注視しつつ備えましょう。

子どもの独立や定年退職を迎えたら保険料が割高になっていないか見直す

子どもが独立すると、もしもの場合を考えて加入していた死亡保障も、必要額が変わってきます。高額な死亡保険金は必要ない状態になれば、保障内容を変更しましょう。

また、自分が定年退職を迎える年齢になってくると、加齢での健康リスクも高まります。年を取ってから医療保険へ新規加入する場合、保険料が割高になるケースが一般的です。

医療保険は早い段階から、保険料が変わらない終身保障タイプの保険へ計画的に加入しておくのも選択肢です。

老後資金の蓄えも十分か考え、保険の加入状況や資産形成を見直しましょう。

生命保険を選ぶときのポイント

生命保険は加入目的を明らかにし、想定されるリスクに備えられるものを選び、保障内容・保険料を考えて選びましょう。

加入目的を明らかにする

生命保険にはさまざまな種類がありますが、数多く加入して保障内容を手厚くするほど、保険料の負担は重くなります。

生命保険へ加入するときは、加入目的を明らかにし、何のために保険で備える必要があるかを考え、必要性の高いものから加入しましょう。

ライフステージやライフプランから考えられるリスクを把握する

いつ・どのような保障が必要になるかは、ライフステージやライフプランと照らしあわせて考える必要があります。

生命保険を選ぶときは、現在のライフステージと今後のライフプランを考え、何のリスクがあるかを把握しましょう。備えるべきリスクを把握できれば、何の保険で備える必要があるか、保障額をいくら設定すれば安心かがわかります。

必要な保障額・保障内容と無理なく払える保険料を考える

リスクを把握できたら、必要な保障内容や期間、金額を決め、条件にあう保険を選びます。

また、保険を選ぶときはひとつの商品に限定せず、複数の商品・プランを比較して、内容と支払う保険料のバランスを考えて選びましょう。

生命保険だけでなく積立投資も活用して将来に備えよう

もしもの事態への備えに生命保険、将来的を見据えた資産形成に積立投資と、金融商品はそれぞれの特徴を理解して組み合わせながらの利用が大切です。

資産形成は預貯金だけでなく、積立投資も活用しましょう。60歳以降に受け取れるiDeCo(イデコ)や、中長期の投資に適したNISA(ニーサ)も資産形成手段におすすめです。

イデコやニーサについて詳しくはこちら

少額投資非課税制度NISA(ニーサ)

株式や投資信託の売却益・配当金には、約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すると非課税です。一定金額内で購入した分の売却益・配当金は、税金を徴収されず全額を受け取れます。

なお、現在のNISAでは非課税で保有できる期間が限定されていますが、2024年からのNISA制度では恒久化され、さらに長期的な資産形成がしやすくなります。

個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)

iDeCoは自分で掛金を設定して積み立て、60歳以降に受け取る年金です。公的年金にプラスして将来受け取れる年金を用意でき、税制優遇も受けられます。ただし、60歳まで引き出しができません。無理のない金額を設定しましょう。

NISAとiDeCoどちらが自分に適しているか、どちらからはじめればよいかは状況によって異なります。それぞれの特徴を理解して、選択しましょう。

保険料の設定に迷うならプロへの相談が解決の近道

保険料の金額設定や保険で備えるべき保障額、そもそも自分に必要な保険は何なのか、保険選びでは迷う点が多々あります。

保険選びに迷うなら、お金のプロへの相談が解決の近道。auフィナンシャルパートナーでは、ファイナンシャルプランナーが一人ひとりのライフプランにあわせて、家計の見直しや保険選び、資産形成の相談に乗ってくれます。

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※ご相談は実際にお会いする形で実施します。お電話、オンライン面談の形式では行っておりません。

まとめ

生命保険の個人の支払保険料平均額は17.9万円で、1ヶ月あたり約1.5万円です。ただし、必要な保障内容は年齢や性別、ライフステージごとに変化するため、個人の保険料も変わります。

平均と同じ保険料を払っていれば、安心とはいい切れません。

各自のニーズに適した保険を考えるには、ライフステージやライフプランに照らしあわせ、加入目的を明らかにしましょう。

そのうえで考えられるリスクを把握し、必要な保障内容と無理なく支払える保険料で加入できる保険を選択するのが、生命保険選びのポイントです。

執筆者名:
田貫 朔子
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