住宅ローン借換えのメリットは?確認すべきポイントや注意点をわかりやすく解説
住宅ローンの借換えには、毎月の返済額や総返済額を抑えられるといったメリットがあります。返済の負担を少しでも小さくするために、長い返済期間に借換えを検討する方も多いでしょう。
こうしたメリットは商品ごとの設定金利の違いによるものですが、借換え先の選び方やタイミングの判断は難しいものです。また、必要な手続きや諸費用を考えると、借換えのメリットを実感しにくいと思われるかもしれません。
本記事では、住宅ローン借換えの基礎知識やメリット、注意したいポイントを解説します。借換え前にできるシミュレーション方法も紹介するので、ご一読ください。
住宅ローンの借換えとは
住宅ローンの借換えとは、すでに契約している住宅ローンから別の金融機関の住宅ローンへ組み直すことです。返済中の借入金は新しい住宅ローンで一括返済されます。
2016年に始まった日本銀行のマイナス金利政策によって、ここ数年、住宅ローンは超低金利が続いており、どの金融機関の商品でもそれほど大きな金利差はなく、違いを感じにくい状況です。
しかし、住宅ローンの借入金は数千万円と大きく、返済期間も長いことから、わずかな金利差が総返済額に影響します。そのため、今より少しでも低金利の住宅ローンに借換えをすると負担を抑えられる可能性があります。
一方で、2022年12月、日本銀行は長期金利の変動幅の上限を0.25%から0.50%に拡大する決定をしています。これにより、2023年1月から住宅ローンの長期金利(固定金利)に上昇がみられています。
今後、本格的な金融引き締め政策が始まれば、短期金利も影響を受ける可能性があります。このように、長く安定的に続いてきた住宅ローンの超低金利時代に、変化の兆しが出てきているのが現状です。
住宅ローン借換えのメリット
ここでは、住宅ローン借換えで得られるメリットを解説します。
総返済額を抑えられる
住宅ローンの毎月の返済額は、元金に利息を上乗せした金額です。契約中の住宅ローンから、より低い金利の住宅ローンへ借換えを行うと、利息部分が小さくなり、毎月の返済額が下がります。その結果、ローンの総返済額を抑えられます。
より良い金利タイプに変更できる
住宅ローンの借換え時には、金利タイプの選び直しが可能です。
住宅ローンは、固定金利と変動金利の2つの金利タイプから選べます。マイナス金利下で超低金利が続いてきた日本では、固定金利より金利の低い変動金利の人気が長く続いてきました。
しかし、変動金利は半年に1度のタイミングで見直しが行われるため、金利情勢に左右されやすく、政策変更による金利上昇リスクがあります。
先述のとおり、日本銀行の金利政策に変化がみられるなか、金利動向を見据えたより良い金利タイプに変更ができるのも、住宅ローン借換えのメリットです。
団体信用生命保険の契約内容を見直せる
住宅ローンを組むとき、契約者が返済できなくなる事態に備えて、団体信用生命保険(団信)へ加入するのが一般的です。住宅ローン借換えでは団信も新たに契約し直すため、保障内容を変更できます。
団信の基本保障は高度障害保障・死亡保障が多いですが、最近は充実した保障を備えた商品が増えています。
3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)や8大疾病保障(がん・急性心筋梗塞・脳卒中に高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)、さらには介護保障を備えたものもあります。団信の手厚い保障を目的に、借換えを検討するのもよいでしょう。
住宅ローン借換え時の確認事項
住宅ローンの借換えをするときには、金利差をはじめ、契約している住宅ローンと借換え予定の住宅ローンの違いを把握することが大切です。
借換えは新たな住宅ローンの契約であり、手数料や印紙税などの諸費用がかかります。
金利差が1%未満、住宅ローンの借入金残高が1,000万円未満、返済期間が残り10年未満であれば、借換えにかかる諸費用による負担が、金利差による返済圧縮のメリットを上回る可能性があります。
ただし、借換えにかかる印紙代や口座間の資金移動にかかる手数料を一部無料にしている金融機関であれば、メリットが得られる可能性もあります。
住宅ローン借換え時は、金利差だけではなく、金融機関の提示する借換え条件の確認も行いましょう。
住宅ローン借換え時の注意点
住宅ローン借換えの際、いくつか気をつけておきたい点を紹介します。
手数料などの諸経費がかかる
住宅ローン借換えには、「契約中の住宅ローン完済」と「新たな住宅ローン契約」という2つの手続きが必要です。2つの手続きを行うにあたって、金融機関に支払う事務手数料や抵当権変更に必要な費用など、さまざまな諸費用が発生します。
・一括返済にかかる事務手数料
・登記されている抵当権を抹消する費用
・借換えの際にかかる事務手数料
・印紙代
・抵当権設定にかかる登記費用
・保証料
・司法書士報酬など
金融機関によって必要となる費用が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
同じ銀行では借換えができない
原則として、同じ銀行の同じ住宅ローンには借換えができません。例えば、契約時に3.0%だった金利が現在は1.0%に下がっていたとすると、契約者にとっては借換えがメリットになっても、銀行側にはマイナスに作用するためです。
ただし、複数の住宅ローンを扱う金融機関では、別の商品への借換えが認められるケースもあります。例えば、通常の住宅ローンからネット専用の住宅ローン、変動金利の住宅ローンからフラット35といったケースが考えられます。
審査に落ちる可能性もある
別の住宅ローンを契約していた実績があっても、借換えでは新たな申し込みとして扱われます。そのため、審査に落ちる可能性がある点にも注意しましょう。
転職や収入減があれば返済能力を問われることになり、団信加入を難しくする健康問題の不安があれば契約に至らないこともあるでしょう。もし借換えに至ったとしても、団信の保障が限定されるなど、以前の契約より条件が下がる場合もあります。
住宅ローン控除の恩恵を得られない
住宅ローン控除は、一定の条件のもと住宅ローンを組んでマイホームを取得したときに、年末時点のローン残高に応じて所得税が還付される制度です。2022年12月までに対象の住宅に入居すると、最長で13年間、控除を受けられます。
しかし、住宅ローン借換え時に返済期間が10年未満だと要件から外れ、住宅ローン控除の恩恵を得られなくなります。返済の負担を減らすためにも、税制面の優遇制度を活用できる借換えになるように気をつけましょう。
連帯債務から単独債務への切り替えは注意が必要
夫と妻など、複数でひとつの住宅ローンを契約することを連帯債務といいます。連帯債務の住宅ローンから、単独債務(夫か妻など一人の契約者)の住宅ローンへ借換えを行うときには、ふたつのことに注意しなくてはなりません。
まず、連帯債務で夫婦ともに住宅ローン控除を受けていた場合、単独債務の住宅ローンへの借換えで、ローン契約者のみが控除対象になります。連帯債務で使い切ることを予定した控除枠を、単独債務への切り替えによって余らせる可能性があるということです。
次に注意したいのが贈与税です。住宅ローン借換えで、夫婦の連帯債務から夫の単独債務に切り替えると、妻が払い残した借入金を夫が完済したことになります。これが贈与とみなされると、基礎控除額(年110万円)を除く金額が贈与税の対象になり得ます。
住宅ローン借換えのご相談はauフィナンシャルパートナーへ
住宅ローンの借換えには、ローンの返済にかかる負担を減らせるメリットがあります。しかし、「多彩な商品のなかからどれを選ぶべきか」「金利動向にあった適切なタイミングか」など、判断が難しい側面も多いです。
住宅ローン借換えでお悩みなら、auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談をご利用ください。お金の専門家が現在の返済状況を確認し、借換えに適したプランをご提案させていただきます。
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まとめ
住宅ローン借換えには、総返済額を減らせるメリットがあります。ただし、このメリットを受けるには、新たに発生する諸費用を上回る返済額の削減が必要であり、条件やタイミングによってはかえって損をしてしまう可能性もある点に注意しなくてはなりません。
借換えを検討しているもののなかなか行動にうつせないなら、お金の専門家に判断を仰ぐのもおすすめです。auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談を利用して、適切な条件やタイミングを確認すれば、安心して借換えができるでしょう。
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