家計見直し・教育資金 2025.5.7

教育資金の貯め方は?いくら貯めればいい?負担を軽減する制度も紹介

子どもが生まれると、教育資金の準備方法について悩むご家庭も少なくありません。幼稚園から大学までの教育には多額の費用がかかるため、早めの資金計画が大切です。
本記事では、教育資金の主な貯め方と、それぞれのメリット・デメリット、貯蓄に関するよくあるお悩みについて解説します。

教育資金はいくら必要?

教育資金を貯めるとき、まず気になるのが必要な金額の目安です。教育費は通う学校が公立か私立かによって変わります。

幼稚園から大学までかかる費用の目安は、以下の表のとおりです。

幼稚園 小学校 中学校 高校 大学
国公立 55万円 202万円 163万円 179万円 481万円
私立 104万円 1,097万円 468万円 309万円 690万円(文系)
822万円(理系)

※小学校は6年、幼稚園・中学校・高校は3年、大学は4年で計算

幼稚園から大学まですべて国公立に通った場合の目安は1,000万円程度、すべて私立に通った場合は2,500万円以上になる計算です。

金額は、大学の学部や学科、居住形態(自宅通学か下宿か)によっても異なります。​

参考:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
参考:日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果」

教育資金の主な貯め方

教育資金を準備する方法には、主に次の3つの選択肢があります。

  • 預貯金
  • 保険
  • 投資

それぞれの仕組みやメリット、注意点について、順を追ってご紹介していきます。

預貯金

預貯金は手軽に始められる方法で、多く利用されている貯め方のひとつです。必要なときに引き出しやすく、元本割れのリスクがないというメリットがあります。家計の状況に応じて柔軟に貯金額を調整できるため、急な出費にも対応しやすいでしょう。

ただし、引き出しやすいという特性から、生活費に流用してしまいやすい点はデメリットといえます。教育資金を確実に貯めるには、自動積立などの仕組みを活用して先に貯蓄を確保し、残りを生活費にあてるといった明確なルールを設けることが大切です。

保険

学資保険や終身保険などを活用して、教育資金を計画的に貯める方法もあります。学資保険は、毎月一定の保険料を支払い、満期時に学費としてまとまった金額を受け取れる保険商品です。

計画的に教育資金を準備できるだけでなく、多くの場合、契約者に万が一のことがあった場合には、それ以降の保険料の支払いが免除されるという特徴があります。

一方、終身保険は、保険料の払込期間を大学進学のタイミングに合わせることで、解約返戻金を教育資金として活用できます。加えて、保障機能も備えているため、万が一の事態に備えることも可能です。また、支払った保険料は生命保険料控除の対象となるため、節税効果が得られるというメリットもあります。

ただし、保険商品は途中で解約した場合、支払った保険料の総額よりも解約返戻金が少なくなる可能性があります。また、契約時の利率で運用が固定されるため、インフレの影響を受けやすい点にも注意が必要です。

投資

株式や投資信託、NISA(少額投資非課税制度)などを活用して、教育資金を準備する方法もあります。中でもNISAは、投資信託や株式に対して非課税で投資できる点が大きなメリットです。

2024年から開始された新NISA制度では、非課税限度額が合計1,800万円に拡大され、非課税期間も無制限となり、さらに使いやすくなっています。

ただし、投資は預貯金と比べて資産を効率よく増やせる可能性がある一方で、元本割れのリスクを伴います。そのため、情報をしっかり確認しながら、慎重な運用を心がけることが大切です。

教育資金のすべてを投資でまかなうのではなく、確実に貯められる手段と併用するのが望ましいでしょう。

教育資金を貯めるためにするべきこと

教育資金を着実に貯めるためには、次のステップが大切です。

  • 子どもの進路を考える
  • いつまでにいくら貯める必要があるかを把握する
  • 実際に貯蓄できる金額を確認する

それぞれの内容を詳しく解説します。

子どもの進路を考える

まずは、子どもの進路について夫婦で話し合っておきましょう。「私立に通わせるかどうか」「通わせるとしたら、どのタイミングにするか」によって、必要な教育資金は大きく変わってきます。

子どもの進路に対する考え方は、夫婦で異なることもあるでしょう。進路は子どもが成長する中で変わる可能性もありますが、将来を見据えてある程度の方向性を共有しておくと、資金計画を立てやすくなります。

いつまでにいくら貯める必要があるかを把握する

教育資金は、貯蓄を始める時期が早いほど、毎月の積立額を少なく抑えることができます。子どもの進路についてある程度の方向性を共有できたら、できるだけ早めに貯蓄をスタートしましょう。

そのためには、「いつまでに、どのくらいの金額が必要なのか」を明確に把握することが大切です。

そこで役立つのが、ライフプランの作成です。ライフプランを立てることで、子どもの進学時期や希望する進路に応じた必要資金が見えてきます。それにより、目標金額から逆算して、現実的な資金計画を立てやすくなります。

実際に貯蓄できる金額を確認する

教育資金を計画的に準備するためには、実際にどれだけ貯蓄できるかを把握することも大切です。教育費だけでなく、毎月の生活費やライフイベントにかかる資金も必要になるため、全体の収支バランスを見ながら無理のない計画を立てることが求められます。

まずは、家庭の収入と支出を整理しましょう。マイホームや車の購入、旅行、さらには老後の生活資金といった将来の出費も見越したうえで、教育資金として確保できる金額を具体的に算出する必要があります。

教育資金を貯めるときによくある悩み

教育資金を貯めるとき、多くの人が悩む事柄があります。ここでは、教育資金の計画でよくある悩みをみていきましょう。

貯蓄の目標を立てにくい

「教育資金をいつまでにどれくらい貯めればよいのか目標設定が難しい」という悩みは、多くの家庭が抱えていると考えられます。

公立と私立では学費が大きく異なるうえ、習い事や塾代などの費用も考慮しなければなりません。これらの要素は不確定であるため、具体的な金額を算出し、計画的に貯めることが難しいと感じる方も少なくありません。

目標の教育資金を貯める余裕がない

教育資金の目標額や必要な時期について理解していても、実際には「貯める余裕がない」という悩みを抱える家庭は多いでしょう。生活費を差し引いた後で貯金に回せる余裕がないという状況は、特に切実な課題です。

収入を増やす方法を検討したり、家計の見直しを行ったりすることが求められるでしょう。

子どもが複数人いて教育費を貯めるのが難しい

子どもが複数人いる家庭では、教育費の負担が大きくなり、教育資金を貯めることが難しいという悩みはさらに深刻です。

国では、児童手当の増額や保育料の減免など、多子世帯を支援する制度を設けていますが、十分な支援とはいえません。

そのため、奨学金制度や各種支援制度を活用するなど、早期の資金計画が求められます。

教育資金の負担を軽減する支援制度

教育資金の負担を軽減するために、さまざまな支援制度が整備されています。ここでは、子育て全般の支援制度や、就学・通学に関する支援制度、その他の制度について解説します。

子育て全般の支援制度

子育て全般に関しては、国や自治体で次のような支援制度が設けられています。

 

制度

内容・金額(子ども1人あたり)

児童手当
  • 高校生年代までの児童を養育している保護者に支給
  • 3歳未満:月額15,000円(第3子以降は30,000円)
  • 3歳~高校生年代まで:月額10,000円(第3子以降は30,000円)
児童扶養手当
  • ひとり親家庭等が対象
  • 所得や児童数により制限がある
  • 子ども1人の場合:最大月額 46.690円を支給
  • 子ども2人目以降の加算額:最大月額 11,030円
子育て支援パスポート
  • 18歳未満の子どもがいる世帯、妊娠中の方が対象
  • 各種の割引・優待サービスや乳幼児連れの外出支援・応援サービス等を提供
  • 各自治体に申請・登録するとパスポートが発行される

条件を満たす場合は積極的に制度を活用し、教育費の負担軽減に役立てましょう。

参考:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」
参考:こども家庭庁「児童扶養手当について」
参考:こども家庭庁「子育て支援パスポート事業」

就学・通学に関する支援制度

就学・通学については、教育段階ごとに各種支援制度が設けられています。

 

教育段階

内容

幼児教育・保育
  • 3~5歳の児童につき、認可保育所・認定こども園は無償
  • 子ども・子育て支援制度に移行していない幼稚園の入園料は、入園料を在籍月数で分割し、1人あたり月額上限25,700円まで無償化の対象
義務教育(小学校・中学校)
  • 公立校の授業料は無償
  • 教科書代は公立・私立を問わず無償
高校
  • 国公立の高校では保護者の年間課税所得が910万円未満の場合には授業料が実質無償
  • 私立高校は、保護者の年間課税所得に応じて減免
大学・大学院
  • 世帯収入や資産の要件を満たしていれば、授業料・入学金の免除または減額および給付型奨学金の支給あり
  • 多子世帯の学生等は所得制限なく、大学等の授業料・入学金を国が定める一定額まで減額・免除(令和7年度より)

対象となる支援がある場合は、上手に活用して教育資金の準備に役立てましょう。

参考:こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」
参考:文部科学省「第4条 (義務教育)」
参考:文部科学省「教科書無償給与制度」
参考:文部科学省「高等学校等就学支援金制度」
参考:文部科学省「高等学校等修学支援金手続きリーフレット」
参考:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」

その他の支援制度

そのほか、教育資金の支援制度として、奨学金制度や教育ローンがあげられます。

奨学金制度は、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が行っている奨学金制度があります。貸与型と給付型があり、貸与型は返済が必要なため、将来的な負担を考慮して借り入れることが大切です。

また、多くの自治体でも地域の学生を支援するために奨学金制度を設けており、条件を満たせば申請が可能です。提供内容や返済条件、支給金額は、自治体によって異なります。

教育ローンでは、利率を抑えて上限350万円まで借り入れできる日本政策金融公庫等の「教育ローン」を利用できます。必要な額を確実に借りることができ、金利も低いため、長期的な支払いが可能です。利用する際は、条件を確認し、計画的に利用するようにしましょう。

教育資金の悩みを解決できるauマネープラン相談

教育資金に関するさまざまな悩みを解決するためには、無料で相談できる「auマネープラン相談」がおすすめです。全国どこでも、ご指定の場所にファイナンシャルプランナーがお伺いします。

さまざまなお金の悩みに対応しており、教育資金についても、希望する進路に進むために必要な金額や、効率的な資金準備の方法などを相談できます。

相談は無料ですが、無理な勧誘は一切行っておりません。お客様満足度93.9%と高い評価を得ているため、安心してご相談ください。

教育資金の貯め方は早めに検討しよう

子どもが生まれたら、早めに教育資金の準備を始めましょう。まずは、子どもの進路について考え、家庭内で方針を共有します。次に、いつまでにどれくらい貯める必要があるかを明確にし、実際に貯蓄できる金額を把握しておきましょう。

教育資金の目標設定に悩んでいる方は、auマネープラン相談をご活用ください。ファイナンシャルプランナーが、お客様のご都合に合わせて、ご指定の場所にお伺いします。教育資金に関する悩みについて、プロの視点から具体的なアドバイスや提案を行います。

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