ライフプランとは?作り方や具体例、作成のメリットを解説

ライフプランとは、将来必要になるお金を予想するために作成する計画を指します。リスクにあらかじめ備えられることや、家計を見直せることなどが、計画を立てる主なメリットです。
本記事では、ライフプランとは何かを説明したうえで、作り方について詳しく解説します
- ライフプラン・ライフプランニングとは
- ライフプランの具体例
- ライフプランが必要な理由
- ライフプランを作成するメリット
- リスクに備えられる
- 家計を見直せる
- 将来をイメージできる
- ライフプラン作成時に考慮すべき三大費用とは
- 住宅資金
- 教育資金
- 老後資金
- 三大費用以外に考えておくべき費用
- 結婚費用
- 出産費用
- 介護費用
- ライフプランの作り方・手順
- 1. 将来の夢や目標などを整理する
- 2. ライフイベント表を時系列で記入する
- 3. キャッシュフロー表にお金の動きを記入する
- 4. 作成した表を定期的に確認する
- ライフプランをスムーズに作成するコツ
- 金融庁のシミュレーターを活用する
- 専門家に相談する
- ライフプランを作成してリスクに備えよう
ライフプラン・ライフプランニングとは

ライフプランとは、ライフイベントで必要になるお金を予想したり、自分が望む生き方を実現するためにすべきことを考えたりするために立てる計画のことです。関連して、ライフプランを立てる作業やライフプランを実行する流れのことをライフプランニングと呼びます。
また、ライフイベントとは、人生において起こりうる以下のような出来事のことです。
- 就職活動・就職
- 結婚
- 出産・育児
- 転職
- 子供の進学
- 住宅の購入
- 親の介護
- 老後の生活
- 入院
経験するライフイベントの数や出現するタイミングは、人によって異なります。
ライフプランの具体例

30代夫婦のケースでライフプランを考えてみましょう。夫35歳、妻32歳のライフプランの例は、以下のとおりです。
年(西暦) | 年齢(夫) | 年齢(妻) | 年齢(長女) | ライフイベント | かかる費用 |
2025 | 35 | 32 | – | ファミリーカー購入 | 350万円 |
2026 | 36 | 33 | 0 | 出産 | 50万円 |
2027 | 37 | 34 | 1 | 長女保育園入園 | 3万円 |
2028 | 38 | 35 | 2 | ||
2029 | 39 | 36 | 3 | ||
2030 | 40 | 37 | 4 | ||
2031 | 41 | 38 | 5 | マイホーム購入 | 500万円 (頭金) |
2032 | 42 | 39 | 6 | 長女小学校入学(公立) | 5万円 |
2033 | 43 | 40 | 7 | 車の買い替え | 400万円 |
2034 | 44 | 41 | 8 | ||
2035 | 45 | 42 | 9 | ||
2036 | 46 | 43 | 10 | ||
2037 | 47 | 44 | 11 | ||
2038 | 48 | 45 | 12 | 長女中学校入学(公立) | 10万円 |
2039 | 49 | 46 | 13 | ||
2040 | 50 | 47 | 14 | ||
2041 | 51 | 48 | 15 | 長女高校入学(公立) | 15万円 |
上記のように、ライフプランには家族の年齢や予定しているライフイベント、かかる費用の予想額などを記入することが一般的です。次に、収支・資産・負債の状況を整理し、年単位で時系列に並べたキャッシュフロー表を作成します。
ライフプランが必要な理由

ライフプランは、将来安定した生活を送るために必要な計画です。
ライフイベントによっては、多額な出費を伴うことがあります。あらかじめ額を把握していないと、ライフイベント発生時に必要なお金を集めるために苦労したり、出費後に十分なお金を確保できず生活が苦しくなったりすることがあるでしょう。
ライフプランを作成しておけば、将来に向けて準備ができます。
ライフプランを作成するメリット

ライフプランを作成する主なメリットは、以下のとおりです。
- リスクに備えられる
- 家計を見直せる
- 将来をイメージできる
各メリットについて、詳しく解説します。
リスクに備えられる
ライフプランを作成することで、リスクに備えられることがメリットです。
一般的に、人生には以下のようなリスクがあるとされています。
- 病気・ケガ
- 就業不能(病気やケガをきっかけに働けなる)
- 介護(身体障がい・要介護)
- 老後の生活資金不足
- 死亡
人生におけるリスクを完全になくすことは困難です。そのため、いつ起きるかわからないリスクに漠然とした不安を抱えて過ごすこともあるでしょう。
その点、ライフプランを作成する過程で取り巻くリスクをはっきりとさせておけば、事前に対策を講じられます。万が一に備えて保険に加入したり予備の資金を確保したりすることによって、リスクに対する不安をある程度解消できるでしょう。
家計を見直せる
家計の見直しにつながることも、ライフプランを作成するメリットとして挙げられます。
効果的に貯蓄するためには、家計の見直しが必要です。家計の見直しとは、収入や支出を把握し、節約することを指します。
ライフプランを作成すると、自動車購入や旅行などで今後どれくらいの資金が必要かを把握可能です。具体的な数字を理解すれば、家計における住居費や通信費などの見直しでどれくらいの節約が必要なのかも見えてくるでしょう。
将来をイメージできる
将来をイメージできることも、ライフプランを作成するメリットです。
家族で「自動車を買い替える」「マイホームを購入する」などの会話があったとしても、時期や金額をはっきりさせない限り具体的な準備はできません。一方、ライフプランを作成するにはライフイベントのタイミングやかかる金額の記入が必要なため、家族でより明確なイメージを共有し、前向きに動き出すきっかけになるでしょう。
購入時期を明確にしている場合も、ライフプランを作成することによってほかのライフイベントとの重なりをチェックできます。例えば、ライフプランを作成する過程で、「〇〇年に家族で海外旅行」と「車の買い替え」が重なることに気づくことがあるでしょう。
早めにライフイベントの重なりを把握しておけば、どちらかの時期を変更する、計画を取りやめる、同じ年に多額の出費が発生することに備え、貯蓄の目標額を増やすなどの対策をとれます。
ライフプラン作成時に考慮すべき三大費用とは

ライフプランを作成する際は、以下の三大費用を考慮することが大切です。
- 住宅資金
- 教育資金
- 老後資金
ここから、各費用について解説します。
住宅資金
住宅資金は高額になる傾向があるため、ライフプラン作成時に考慮しなければなりません。住宅資金とは、主に住宅を購入する際や購入してから定期的にメンテナンスする際にかかる費用のことです。
住宅金融支援機構の「2023年度 フラット35利用者調査」によると、フラット35を利用してマンションを購入した人の平均所要資金は5,245万円、土地付注文住宅を購入した人の平均所要資金は4,903万円でした。中古戸建てを購入する場合でも、平均2,536万円を必要としています。
住宅資金をすべて自己資金でまかなうことは難しいため、持ち家を手に入れる際は住宅ローンを利用することが一般的です。住宅ローンを借りる場合は、毎月いくらなら返済できるか、いつまでに完済するつもりかなども考えておかなければなりません。
また、住宅を購入するつもりがなくても、ライフプランの作成時には住宅資金を考慮しましょう。生涯家賃や更新料を払い続けることを踏まえると、大きな金額になるためです。
教育資金
子供にかける教育資金も高額になるため、ライフプランを作成する際に考慮しなければなりません。
子供の教育にかかる費用は、学校種別によって違うことを理解しておきましょう。学習費総額の平均について文部科学省が2023年に実施した調査によると、幼稚園は公立が約18.5万円で私立が約34.7万円、小学校は公立が約33.6万円で私立が約182.8万、中学校は公立が約54.2万円で私立が約156万円、高等学校(全日制)は公立が約59.8万円で私立が約103万円でした。
そのため、公立に通わせるか私立に通わせるかによって、必要な教育資金が大きく異なります。文部科学省の計算(単純合計)によると、幼稚園から高等学校卒業までの15年間すべて公立に通わせるケースでは約596万円かかるのに対し、すべて私立に通わせるケースではその約3.31倍の約1,976万円かかるとのことです。
なお、教育資金を考慮する際は、学校教育費・給食費に加え、通信教育費や学習塾費、スポーツ・レクリエーション活動費なども想定しなければなりません。
老後資金
定年退職やリタイアしてから生活費を年金だけでまかなうことは簡単ではないため、ライフプランを作成する際に老後資金を考えておきましょう。
厚生労働省の簡易生命表(2023年)によると、現在65歳の男性の平均余命は19.52年、女性は24.38年でした。つまり、仮に65歳でリタイアした場合、それから少なくとも20年の生活費をどうするか考えておかなければなりません。
日本年金機構の「ねんきんネット」で、将来受け取れる年金のシミュレーションができるため、あらかじめ確認しておくとライフプランを立てやすいです。
参考:厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
参考:日本年金機構「ねんきんネット」
三大費用以外に考えておくべき費用

三大費用以外にも、以下のように考慮すべき費用があります。
- 結婚費用
- 出産費用
- 介護費用
それぞれ解説します。
結婚費用
今後結婚の予定がある場合は、結婚費用も含めてライフプランを立てなければなりません。結婚費用の主な内訳として、婚約・結婚式・新婚旅行などが挙げられます。
結婚式にかかる費用のひとつの目安は、300万円前後です。資金の確保が難しい場合は、規模・形式・場所などを見直し、安く抑える方法を検討しておいたほうがよいでしょう。
そのほか、結婚に伴い引っ越しを予定している場合は、その費用もライフプランに盛り込みます。
出産費用
出産予定がある場合は、出産費用も考慮しましょう。
出産費用は年々増加傾向にあり、厚生労働省のデータによると全施設における平均額(異常分娩を含む)は約46.3万円でした。また、病院でかかる費用のほかに、マタニティ用品・ベビー用品を揃えるための支出も考えておかなければなりません。
なお、健康保険や国民健康保険の被保険者などが出産する場合は、出産育児一時金の支給があります。2025年3月現在の支給額は、50万円です。
介護費用
ライフプランを作成する際に、親や家族の介護費用も意識しましょう。
2024年に生命保険文化センターが実施した調査によると、介護に要した費用のうち住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用の平均は47万円、毎月支払っている費用の平均は9万円でした。
介護を受ける人が保険に加入しているか、十分な蓄えがあるかによっても、ライフプランを立てる際の介護費用の扱いが異なります。介護を受ける本人の蓄えでまかなえない場合、あらかじめ介護費用をどのように調達するか考えておかなければなりません。
親が介護を受ける段階になってから慌てることのないように、事前に両親と介護費用の負担について話し合っておくとよいでしょう。
参考:生命保険文化センター「2024(令和6)年度『生命保険に関する全国実態調査』(2025年1月発行)」
ライフプランの作り方・手順

ライフプランを作る際の手順は、以下のとおりです。
- 将来の夢や目標などを整理する
- ライフイベント表を時系列で記入する
- キャッシュフロー表にお金の動きを記入する
- 作成した表を定期的に確認する
ここから、ライフプランの作り方について詳しく解説します。
1. 将来の夢や目標などを整理する
ライフプランを作るにあたって、まずは自分の将来の夢や目標を整理しましょう。例えば、「35歳で働きながら大学院で学ぶ」「40歳までにマイホームを手に入れる」「45歳のときに家族で海外へ旅行する」などが挙げられます。
すぐに夢が思い浮かばない場合は、自分がどのようなことに幸せを感じるのかをイメージすることからはじめましょう。キャリアに限らず、プライベートや家族のことも考えることがポイントです。
なお、このように将来自分がどのような人生を送りたいのか考えることをライフデザインと呼びます。自分の価値観を明確にし、夢を実現するためにはライフデザインが重要です。
2. ライフイベント表を時系列で記入する
ライフデザインの結果を参考に、ライフイベント表を時系列で記入していきます。ライフイベント表とは、将来起こりうるライフイベントを自分と家族の年齢にあわせて記入していくスケジュール帳のことです。
32歳の女性が翌年出産を予定している場合は、そのときの西暦(例:2026年)や自分の年齢(例:33歳)、家族の年齢(例:夫36歳)、ライフイベント(例:出産)を記入します。あわせて、かかる費用(例:50万円)も記入することがポイントです。
3. キャッシュフロー表にお金の動きを記入する
より将来を具体的にイメージするには、ライフイベント表にキャッシュフロー表を加えるとよいでしょう。家計におけるキャッシュフロー表とは、予想されるライフイベントを実現するために必要な資金を踏まえたお金の流れを示した表のことです。
キャッシュフロー表には、主に以下の項目を盛り込みます。
- 自分の手取り年収
- 家族の手取り年収
- その他収入
- 収入合計
- 各支出内訳
- 支出合計
- 年間収支
- 貯蓄残高
例えば、来年車(400万円)の購入を予定しているとしましょう。収入合計が700万円、支出合計が600万円(自動車購入除く)の場合、自動車の購入が加わると年間収支が−300万円になることがわかります。
キャッシュフロー表を作成したことで、来年の収支をあわせるためには貯蓄から払う、ローンを利用する、車の購入自体を見送るなどの選択が必要と気づくでしょう。
4. 作成した表を定期的に確認する
作成した表を定期的に確認することも、将来安定した生活を送るために必要です。
計画したことが、そのまま実現するとは限りません。予想していたよりも多くの出費がかかったり、思うように収入が上がらなかったりすることもあるでしょう。
例えば、子供が空手に加えて新たにピアノも習いたくなったとしたら、旅行の頻度を減らすなどして支出を抑えることを検討します。また、予期せず住んでいるマンションの家賃の値上げが決まった際に、別の賃貸物件に引っ越すことやマイホームの購入時期を早めることなどもあるでしょう。
ライフプランをスムーズに作成するコツ

ライフプランをスムーズに作成するための主なコツは、以下のとおりです。
- 金融庁のシミュレーターを活用する
- 専門家に相談する
それぞれ解説します。
金融庁のシミュレーターを活用する
ライフプラン作成を面倒に感じてしまう場合は、まず金融庁のライフプランシミュレーターを活用するとよいでしょう。
ライフプランシミュレーターで指示に従い年齢・職業・年収・退職金などを入力していけば、将来の貯蓄残高目安などがわかります。ライフプランの表としては表示されませんが、現在の条件で将来も生活していけるのかなどを把握するには役立つツールです。
専門家に相談する
ライフプランを作成するにあたって、専門家に相談することもポイントです。
将来発生するライフイベントを考えられても、正しく金額を見積もれるとは限りません。また、すべて書き出したつもりでも、家計に大きな影響を与えるイベントを漏らしていることがあるでしょう。
そこで、知識や経験を有する専門家に相談すれば、ライフプランの作成や家計の見直しに関するアドバイスを受けられます。ライフプランについて気になることがある場合は、auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談(家計見直し相談)にご相談ください。
ライフプランを作成してリスクに備えよう

ライフプランとは、ライフイベントで必要になるお金を予想したり、自分が望む生き方を実現するためにすべきことを考えたりするために立てる計画です。ライフプランを作成して必要なお金についての理解を深めることで、将来に向けて準備できます。
ライフプランを作成する際に重要なのが三大費用(住宅資金・教育資金・老後資金)です。また、結婚・出産や介護にかかる費用もあらかじめ考えておきましょう。
ライフプランの作成方法がわからない場合や、ライフイベントの費用がわからない場合は、専門家に相談することが大切です。ライフプランに合わせた必要資金を知りたい方は、FP相談が無料で受けられるauマネープラン相談(家計見直し相談)にお問い合わせください。
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