保険見直し 2023.3.31

終身保険とは?メリットや注意点、入るタイミングをわかりやすく解説!

結婚や出産、転職などライフステージが変化するとき、万が一に備えて生命保険への加入を検討する人は多いでしょう。しかし、どの保険商品を選べばよいか悩む人も少なくありません。

自分が亡くなったとき、残された家族の生活を守る生命保険として、定期保険や終身保険が挙げられます。終身保険は、低解約返戻金型や積立利率変動型など、商品によってさまざまな特徴があります。

今回は、終身保険の加入に迷っている人へ、終身保険の種類やメリットや注意点を解説します。終身保険の特徴を掴み、自分に必要か不要かを判断すれば、加入するべきタイミングを知ることができます。

終身保険とはどんな保険?

まず、終身保険の基本的な概要を説明します。

終身保険の概要

生命保険には下記のように3つのタイプがあり、終身保険は「死亡保険」のひとつです。

・死亡保険
生存保険
・生死混合保険

死亡保険とは、被保険者が事故や病気によって亡くなった場合や、高度障がい状態になった場合に支払われます。

年金保険のように、満期日まで生存していた場合に支払われるのが「生存保険」です。また、死亡保険と生存保険の両方の機能を持っている保険を「生死混合保険」といいます。

死亡保険には、下記のような種類の商品があります。

・定期保険
・終身保険
・定期付終身保険
・収入保障保険

死亡保険は、被保険者が死亡(または高度障がい状態)した場合に支払われる点は共通していますが、保険期間や保険金の受け取り方は、商品や契約内容によって異なります。

終身保険の3つの特徴

終身保険には、大きな特徴が3つあります。

・保険期間が一定ではなく、一生涯続く
・満期保険金はないが、解約返戻金はある
・保険料は有期払込や終身払込など、さまざまな払込方法がある

5年や10年など保障が一定期間に限られる定期保険とは異なり、終身保険の場合は、被保険者が亡くなるまで一生涯、保障が続きます。

終身保険には、養老保険や学資保険のような「満期保険金」はありませんが、「解約返戻金」はあります。

満期保険金とは、保険期間が終了するとき、被保険者が生存している場合に支払われる保険金です。一方、解約返戻金とは、途中で契約を解約した場合に戻ってくるお金です。

契約内容によりますが、一定期間を過ぎると、解約返戻金が支払保険料の額より多くなるケースもあります。

終身保険の保険料の支払方法は、契約によってさまざまです。一定の期間または年齢で支払満了となる「有期払込」タイプや、一生涯支払い続ける「終身払込」タイプがあります。保険会社によっては、一定期間の保険料を低く抑え、一定期間経過後の支払額を高くする「ステップ払込」タイプを扱っています。

終身保険の種類

終身保険は商品の種類が豊富で、それぞれに特徴があります。

保険期間が一生涯続き、解約返戻金があるという基本構造は同じです。しかし、商品によって保険料が外貨建てであったり、保険料を抑える代わりに解約返戻金も低くなったり、異なる部分も多くあります。

ここでは、5つのタイプの終身保険の特徴を解説します。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間中など所定の時期までの解約返戻金が低く抑えられています。そのため、一般的な終身保険よりも保険料が割安になります。

保険料の払込みが終了すると、解約返戻率が戻り、年金や一時金として受け取ることが可能です。

積立利率変動型終身保険

積立利率変動型終身保険は、積立金の利率を加入時に固定せず、金利の動きに応じて一定期間ごとに利率を見直します。また、利率には最低保証が設定されています。

金利変動の影響を受けるため、最低保証された利率より高い利率となった場合、受け取れる保険金が増えます。一定のインフレ(物価上昇)に対応できる点が特徴です。

また、よく似た名称の「利率変動型積立終身保険」は、医療保険特約や介護保険特約などを組み合わせることが一般的な商品です。「アカウント型(組み合わせ型)保険」と呼ばれ、積立利率変動型終身保険とは異なる商品ですので気をつけましょう。

外貨建て終身保険

外貨建て終身保険は、ドルやユーロなど外貨で保険料を払込み、保険金や解約返戻金を外貨で受け取れます。円で払込み、円で受け取ることができる商品もあります。

「円以外の資産を持つ」という点で、通貨を分散しバランスが取れるというメリットがあります。

一方、為替相場の影響を受けるため、円ベースでの払込保険料の総額を解約返戻金が下回る可能性があるので注意が必要です。

変額終身保険

変額型の終身保険は、払込んだ保険料を、株式など高い利回りを狙える金融商品で運用する投資型保険です。

定額型の終身保険よりも受け取れる保険金が増える可能性がある一方で、運用がうまくいかなかった場合は減額するケースもあります。

死亡時には、「基本保険金+変動保険金」を受け取ることが可能です。基本保険金額には最低保証がありますが、解約返戻金には最低保証がありません。

定期付終身保険

定期付終身保険とは、終身保険に「定期保険特約」が付帯された商品です。子どもが小さい場合など、保障を手厚くしたい時期に、一定の間だけ定期保険を上乗せできます。

定期付終身保険の特徴は、必要に応じて保障額を調整できることです。働き盛りの時期には定期保険部分を多くしたり、老後に備えたい場合は終身保険部分を手厚くしたり、柔軟に対応できます。

ただし、定期保険特約が更新タイプの場合、更新時の年齢で保険料が再計算されるため保険料が高くなります。注意しましょう。

終身保険のメリット

終身保険には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、終身保険の3つの魅力を説明します。

家族へお金を残せる

まず、終身保険は保険期間が一生涯なので、いつ何が起こっても家族に資産を残せる点が魅力です。満期がないため、長期的に資産を準備したいと考えている人に適しています。

ただし、早期に解約してしまうと、解約返戻金が払込保険料の額を下回るリスクがあります。

その特性を踏まえ、「貯蓄」が苦手な人にとっては、強制的に貯めることができるためメリットともいえます。

種類豊富なので目的にあう保障を契約できる

終身保険には、種類豊富な商品があります。

定期保険を上乗せすることによって保障額が調整できる「定期付終身保険」や、保険料を抑えながら一生涯の備えが可能な「低解約返戻金型終身保険」など、契約によって特徴は異なります。

それぞれの保障内容をしっかりと理解する必要はありますが、種類が多いため、各家庭の実情にあった検討が可能です。

生命保険料控除で税金の負担が軽くなる

終身保険に加入すると、生命保険料控除を受けられるため税金の負担軽減につながります。

生命保険料控除とは、所得控除のひとつです。年間で払い込んだ保険料の金額によって、一定額が所得から差し引かれます。生命保険料控除が適用されると、所得税・住民税の負担が軽くなります。

2011年12月31日(土)以前に締結した保険契約などにかかる保険料は「旧制度適用対象」、2012年1月1日(日)以降に締結した保険契約などにかかる保険料は「新制度適用対象」となります。

これから契約する終身保険は、新制度適用対象の「一般生命保険料」に分類されます。

終身保険の注意点

終身保険には、注意点はあるのでしょうか。終身保険に加入する際、気をつけておくべき点を解説します。

保険料が高い傾向にある

保障が一定期間に限られており、いわゆる「掛け捨て保険」と呼ばれる定期保険に比べて、終身保険は一生涯の保障と解約返戻金があります。そのぶん、終身保険は定期保険に比べて、保険料が高い傾向にあります。

子どもが小さい家庭や進学に費用がかかる時期など、大きな保障額を用意したい人には向いていません。一時的に保障を手厚くしたい場合には、その時期だけ掛け捨ての定期保険に別途加入するという手段があります。

解約のタイミングが難しい

終身保険は、早い時期に解約してしまうと解約返戻金が払込保険料を下回る可能性があります。そのため、解約する場合は、タイミングは慎重に選ばなければなりません。

損をしないためには、解約返戻率が100%を超えるタイミングを確認し、保険料の支払いが難しい場合は「払い済み」を検討しましょう。

「払い済み」とは、保険を解約せずに、保険料の払込みを中止する方法です。払込み中止前の保険金よりは少なくなりますが、一定の保障は残ります。

自分にとって終身保険は必要か?

終身保険は、どのような人が入るべきなのでしょうか。ここでは、終身保険が必要な人・必要ない人を解説します。

終身保険が必要な人

終身保険がおすすめなのは、死亡時の整理資金など遺族へ確実に資金を残したい方や子供の教育資金、老後資金などを準備したい方です。

なぜなら、終身保険は保障が一生涯続くため、何歳で死亡した場合でも遺族が保険金を受け取ることができるからです。遺族に葬儀費用で負担をかけたくないと感じている方は、保険金を葬儀費用に充てることができるため、遺族の負担を大きく軽減できます。

さらに、終身保険は掛け捨ての保険とは異なり、将来保障が不要になった時も解約返戻金として資金が残るため、保障を持ちながら中長期で資産形成ができます。終身保険は貯蓄が苦手な人にとっては、資産を形成する手段として有効です。

終身保険が必要ない人

下記に該当する場合は、すぐに終身保険に入る必要はありません。

・独身や共働き夫婦世帯の人(葬儀費用・老後費用などの準備ができている人)
・途中解約してしまう可能性が高い人

独身世帯や共働き夫婦など経済的に自立し、扶養している家族がいない人は、終身保険への加入を急がなくても大丈夫です。

また、保険料を支払う余裕がなく途中解約する可能性が高い人も、終身保険は適していません。支出が多い時期など保険料が家計を圧迫する場合は、終身保険以外で備えるのがおすすめです。

終身保険を検討するタイミングとは?

終身保険を検討するなら、どの時期がベストなのでしょうか。

一般的に、終身保険は年齢が若いほど低い保険料で加入できます。限定告知型や無選択型であれば持病や病歴があっても契約可能な場合もありますが、一般的な商品よりは保険料は高くなります。加入を検討するなら、できるだけ健康なうちに契約するのが望ましいでしょう。

厚生労働省によると、男女ともに死亡の原因の1位は「悪性新生物(腫瘍)」です。30歳を過ぎると悪性新生物によって死亡する人が増え、男性は65〜69歳、女性は55〜59歳がピークです。

葬儀費用や老後資金が必要な方は、終身保険の加入を一度検討してみましょう。加入時の年齢や健康状態、ライフステージ(就職・結婚・出産など)を考慮し、終身保険が適しているか考えることが大切です。

お金のことならプロに相談しよう!

終身保険へ加入する際には、各商品の特徴、メリットや注意点を把握する必要があります。

「自分では選べない」「誰かに相談したい」という人は、プロへの相談がおすすめです。auフィナンシャルパートナーの「家計見直し相談」では、保険の見直しや老後資金の相談ができます。

保険選びに迷ったときや、自分の資産のシミュレーションを行いたいときは、ぜひauフィナンシャルパートナーをご活用ください。

まとめ

終身保険は、もしものときに残された人の生活を守るための手段のひとつです。保険期間が一生涯続き、解約返戻金制度がある点が特徴です。

安心がずっと続くというメリットがある一方、保険料が高額の傾向があり、解約のタイミングが難しい点もあるため、気をつけましょう。

また、終身保険には多種多様な商品があり、それぞれにメリットや注意点が異なります。終身保険を選ぶのは難しいと感じたら、auフィナンシャルパートナーに相談してみましょう。ファイナンシャルプランナーに、お金の悩みの解決をサポートしてもらえます。

執筆者名:
粟井 はる
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