資産形成・老後資金 2024.9.9

2024年から新NISA制度がスタート!旧NISAからの変更点や注意点を解説

2014年から始まったNISAは2024年から制度内容が大きく変化しました。非課税で保有できる期間は無期限・最大1,800万円まで投資でき、資産形成・資産運用に役立ちます。

「貯蓄から投資へ」といわれるように、現代は誰でも資産形成・資産運用できる時代です。しかし、何から始めれば良いかわからず、新NISAを活用できていない方もいるのではないでしょうか。

本記事では2024年からスタートした新NISA制度の内容や旧NISAからの変更点、活用のメリット、注意点を解説します。新NISAへの理解を深め、資産形成・資産運用を始めましょう。

2024年からスタートした新NISA制度とは?

2023年度税制改正でNISA制度が見直され、新NISAが2024年1月からスタートしました。

非課税保有限度額が拡充され、保有期間も制限がなくなったため、従来よりもさらに利用しやすい制度になっています。

そもそもNISAはどんな制度?

NISAは2014年1月にスタートした、非課税で投資できる制度です。

通常の投資では、配当金や売却時で得た利益に所得税・復興特別所得税が課せられ、約2割を徴収されます。例えば100万円で購入した株式が値上がりし、110万円で売却した場合、売却益は10万円です(※)。売却益には所得税・復興特別所得税が課せられるため、2万円ほどが差し引かれ、全額受け取れません。

一方、NISA口座で保有している株式や投資信託には課税されず、配当金や利益を全額受け取れます。

NISA制度が始まった当初は非課税投資枠が年間100万円でしたが、2016年からは120万円に拡大されました。そして、2018年1月からは最長20年間非課税で保有できる「つみたてNISA」が選択可能になるなど、段階的に制度内容が見直されています。

(※)売買手数料を除いて計算しています

NISA制度による資産形成・資産運用はなぜ必要?

好景気で金利が高く設定されていた時代は、銀行や郵便局に預けるだけで資産が増えていました。しかし、現在は金利が低く、預貯金だけでは資産を十分に増やせません。

加えて少子高齢化も進み、年金を受け取る世代に対して年金を支払う現役世代の人口は減少しています。公的年金だけでは老後の資金を不安視する声が高まり、将来必要なお金に備えるため、資産形成・資産運用が必要になっています。

NISA制度はそうした時代のニーズに沿った、少額から非課税で投資を始められる制度です。

新NISAと旧NISAの変更点

新NISAと旧NISAの違いを表にまとめました(※)。

新NISA 旧NISA
口座開設期間 恒久化 2023年まで
非課税保有期間 無期限 一般NISAは最大5年間
つみたてNISAは最大20年間
つみたてと成長投資の併用 併用可能 つみたてNISAと一般NISAを選択(併用不可)
非課税保有限度額 1,800万円
(うち成長投資枠は1,200万円)
つみたてNISAは最大800万円
一般NISAは最大600万円
年間投資枠 つみたて投資枠は120万円
成長投資枠は240万円
つみたてNISAは40万円
一般NISAは120万円
投資対象商品 つみたて投資枠は長期積立・分散投資に適した投資信託
成長投資枠は上場株式や投資信託など
つみたてNISAは長期積立・分散投資に適した投資信託
一般NISAは上場株式や投資信託など

(※)出典:金融庁「新しいNISAのポイント」

従来の制度ではつみたてNISAと一般NISAのいずれかを選択しなければなりませんでしたが、新NISAは両方の要素を取り入れています。時間をかけて積み立てる投資と成長性の高い分野への投資が、NISAで同時に行えるようになりました。

非課税保有期間を無期限化

旧NISAの非課税保有期間は、一般NISAが最大5年間、つみたてNISAが最大20年間でした。

新NISAでは無期限化したため、保有期間を気にせず資産運用が可能です。

口座開設期間が恒久化

旧NISAの口座開設期間は、2023年までに限定されていました。

新NISAは非課税期間が無期限化し、口座開設できる期間も恒久化したため、いつでも始められます。今からでは十分な時間をかけて積み立てできないからと、投資をあきらめる必要はありません。

年間投資枠を360万円まで拡充

旧NISAの年間投資枠は、一般NISAが120万円まで、つみたてNISAが40万円まででした。年間投資枠を超える金額を投資するには、課税対象の特定口座や一般口座を利用するしかありません。

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の併用で、最大360万円の年間投資枠を使えます。資金に余裕のある方なら、旧NISAよりも多くの金額を非課税で運用できます。

非課税保有限度額は1,800万円

旧NISAの非課税保有限度額は、一般NISAが最大600万円、つみたてNISAが最大800万円でした。

新NISAは1,800万円、うち1,200万円までを成長投資枠に使えます。時間をかけてじっくりとより大きな金額の資産形成が可能となり、ライフステージごとの資金準備にも活用しやすくなりました。

非課税枠の再利用も可能

旧NISAでは投資枠の再利用ができませんでしたが、新NISAでは再投資も可能です。

例えば一般NISAでA社の株式を50万円購入し、数ヶ月後に80万円で売却した場合を考えてみましょう(※)。売却益30万円は非課税ですが、購入時に使用した50万円分の枠は再利用できません。

新NISAでは、売却して空いた枠の再利用が可能です。空いた枠を別の投資に使い、保有資産を入替ながら運用できるため、より柔軟な資産運用がしやすくなりました。

(※)売買手数料を除いて計算しています

つみたて投資枠と成長投資枠が併用可能

上述のように、旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAのどちらか一方を選ぶ必要がありました。

一方、新NISAではつみたて投資枠と成長投資枠を併用できる制度設計です。長期投資に適した投資信託をこつこつ積み立てながら、大きな成長を見込める株式への投資もでき、目的にあわせて柔軟な資産運用が可能になりました。

新NISAを活用するメリット

新NISAを活用するメリットは以下のとおりです。

・1,800万円までは生涯非課税で運用できる
・つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
・売却して空いた枠は再投資できる
・インフレリスクに備えられる

以下で詳しく解説します。

1,800万円までは生涯非課税で運用できる

資産形成の方法には預貯金や保険などもありますが、利息や保険金は課税対象です。一方、新NISAは1,800万円まで生涯非課税で運用可能です。

将来、定年退職を迎えて労働所得がなくなっても、非課税で受け取れる運用益があれば生活の助けになるでしょう。

ただし、NISAに限らず投資には運用リスクがつきまといます。生命保険には生命保険料控除で税負担を抑えられるメリットもあるため、用途にあわせた使い分けが重要です。

つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる

つみたて投資枠と成長投資枠の両方が使えるため、各人の投資方針や許容できるリスクに応じて柔軟な使い分けが可能です。

例えば、長期的に安定した資産形成をしたい方は、つみたて投資枠でインデックス投信を購入して堅実に投資をしつつ、余剰資金が発生した場合にスポットで成長投資枠を使って株式やリートを購入できます。

攻めの投資をしたい方は、成長投資枠を最大限利用して、アクティブ投信や株式、ETFなどの金融商品を購入しつつ、リスク回避を抑えるためにつみたて投資枠でインデックス投信を購入できます。

売却して空いた枠は再投資できる

株式や投資信託は預貯金と異なり、価格が変動します。

特に成長投資枠で保有できる株式は、値動きの大きいものも存在します。状況によっては、長期保有せずに売却益を得た方が良いケースもあるでしょう。

旧NISAでは、売却して空いた枠を使った再投資はできませんでしたが、新NISAなら可能です。翌年以降、売却した商品の取得金額分の非課税投資枠が復活するため、再投資に利用できます。

インフレリスクに備えられる

現在、身の回りでさまざまな商品・サービスが値上がりし、インフレが起きています。インフレの状況下では物価に対して現金の価値が下がっているため、従来と同じ金額で商品・サービスが得られません。

今後もインフレが続けば現金の価値は低下し続け、預貯金で保有する資産の価値は目減りします。老後資金に現金1,000万円を用意していても、実際に必要なときには現金の価値が下がっていて、資金不足に陥る可能性もあるでしょう。

新NISAを上手に活用すれば、投資金額を上回る資産形成も可能です。インフレリスクに備え、将来の物価に対応した資金を用意するためにもNISA制度の活用は有効です。

新NISAに関する注意点

新NISAの活用にはメリットが多く存在しますが、注意点もあります。

以下で新NISAの注意点を解説します。

新NISAを利用するにはNISA口座の開設が必要

まず、新NISAを利用するにはNISA口座の開設が必要です。NISA口座は必要書類を提出すれば開設できます。なお、すでにNISA口座を開設しているなら、新たな開設手続きは不要です。

また、金融機関ごとに取り扱う金融商品や取引時の操作性、提携するポイントサービスなどが異なります。例えば、auカブコム証券なら、投資信託の月間平均保有残高に応じてPontaポイントが付与されます。

サービス内容を比較し、自分が使いやすい金融機関で開設しましょう。

成長投資枠で投資できる金額は1,200万円まで

新NISAの非課税保有限度額は1,800万円ですが、成長投資枠に使えるのは1,200万円までです(※)。

つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
非課税保有限度額(総枠) 1,800万円 1,200万円
両枠あわせて1,800万円まで

(※)出典:金融庁「新しいNISAのポイント」

成長投資枠でなければ購入できない株式や投資信託で1,200万円以上投資したいなら、売却して枠を空けるか課税口座で保有しましょう。

なお、つみたて投資枠だけで非課税保有限度額の1,800万円を使うことはできます。

非課税枠は売却した翌年に復活する

新NISAでは空いた非課税枠を使った再投資が可能ですが、空いた枠を使えるのは売却の翌年からです。

すでに年間投資枠を使い切っていて、枠を復活させるために売却しても、その年は利用できないので注意しましょう。

つみたて投資枠と成長投資枠は同じ金融機関でのみ利用できる

新NISAはさまざまな金融機関で対応していますが、開設できるNISA口座はひとつです。つみたて投資枠と成長投資枠で異なる金融機関を利用できない点に、注意しましょう。

また、取り扱う金融商品は金融機関ごとに異なります。口座を開設する前に、購入したい株式や投資信託を扱っているかを確認しましょう。

新NISA口座へのロールオーバーや相続はできない

旧NISAの一般NISAでは、非課税の5年間が終わると翌年の非課税枠へ移管(ロールオーバー)できました。しかし、旧NISAの非課税保有期間が終了した金融商品は、新NISAの口座へロールオーバーできません。

今後はロールオーバーではなく、非課税期間のうちに売却するか、課税口座へ払い出すかを選択します。

また、相続時は非課税口座から払い出され、相続する人の課税口座へ移管されます。相続する人がNISA口座を持っていても、NISA口座への相続はできません。

資産形成に関する相談はauマネープラン相談がおすすめ

新NISAは制度内容が大きく拡充し、より使いやすくなりました。しかし、家計が安定していないと投資にお金を回せません。また、資産形成は難しそう、よくわからないから面倒と感じて、投資をためらう方もいるでしょう。

個々の事情はありますが、何も対策しないままだと将来資金不足に陥る恐れがあります。お金の問題には早い段階から向きあい、行動することが大切です。新NISAを始められずにいる場合は、プロに相談して疑問や悩みを取り除きましょう。

auフィナンシャルパートナーでは、お金のプロによる家計見直し相談を無料で実施しています。一人ひとりにあわせたキャッシュフロー表を作成し、老後資金の相談や資産形成シミュレーションに対応します。

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※ご相談は実際にお会いする形で実施します。お電話、オンライン面談の形式では行っておりません。

まとめ

2024年1月から始まった新NISAは非課税保有期間が無期限化し、非課税保有限度額も1,800万円に拡大しました。つみたて投資枠と成長投資枠の併用や、空いた非課税枠の再利用など、柔軟な使い方ができるように制度内容が拡充しています。

資産形成・資産運用のためにぜひ活用したい制度ですが、メリットだけでなく注意点にも留意しましょう。

また、新NISAをはじめ、資産形成やお金の悩みはお金のプロへの相談がおすすめです。余裕がないから・よくわからないからと後回しにせず、auマネープラン相談を利用して、将来に備えられるように行動しましょう。

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