資産形成・老後資金 2023.3.31

【iDeCoと退職金】受取方法によって変わる税金の種類と退職所得控除について解説

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金以外の「私的年金」の一種であり、老後の資産作りに有効な制度です。

年齢や公的年金の加入状況などの加入条件を満たす人が任意で加入でき、掛金は所得控除の対象となり税制の優遇も受けられます。拠出した掛金は、運用益と合算され60歳以降に受け取ることができます。

このiDeCoの給付金を受け取るにあたっては、受取方法やタイミングにより税金の計算方法が異なります。また、退職金がある場合はあわせて考慮する必要があります。

本記事では、iDeCoと退職金の受取方法や、受け取りのタイミングで変わる税金について解説します。

基本的なiDeCoの受取方法

iDeCoの給付金が受け取り可能になるのは、原則60歳になってからです。
受取方法は大きく3つに分けられます。

・【年金】定期的に受け取る場合
・【一時金】一括で受け取る場合
・【その他】定期的と一括の両方で受け取る場合

次項でそれぞれ詳しく解説します。

【年金】定期的に受け取る場合

まずは、年金形式で定期的に受け取る方法があります。60歳以降、5~20年の間で期間を設定し、年金として定期的に受け取ることができます。

期間の取り扱いは金融機関により異なりますが、終身の受け取りが可能な場合もあります。受取開始時期は、75歳までの間で契約者が自分で決められます。

【一時金】一括で受け取る場合

次に、一時金として一括で受け取る方法があります。
60歳以降、75歳になるまでに一時金として受け取ることができます。

【その他】定期的と一括の両方で受け取る場合

上記以外に、60歳で一部を受け取り、残りを年金で受け取る方法もあります。この方法を扱っている金融機関は限られているため、希望する場合は加入前に確認しておきましょう。

iDeCoを年金として受け取る場合の税金

iDeCoの給付金を年金形式で定期的に受け取る場合、「雑所得」として課税対象となります。

ただし、給付金は公的年金等控除の対象になるため、税金の負担は軽減されます。公的年金等による収入が400万円以下で一定の要件を満たす場合には、確定申告は不要です。

公的年金等の雑所得以外での所得金額が20万円を超える場合には、確定申告を行う必要があります。所得の計算では公的年金や企業年金なども合算されるため、注意しましょう。

iDeCoを一時金として受け取る場合の税金

iDeCoの給付金を一時金として一括で受け取る場合は、「退職所得」として課税対象となりますが、退職所得控除によって税金の負担は軽減されます。

退職所得は分離課税となるうえ、所得の1/2で計算するため負担が軽くなりますが、退職所得の計算は勤続年数にも影響されます。退職所得が退職所得控除額を大幅に上回る場合はその分税金の負担も大きくなるため注意が必要です。

退職所得控除の計算方法

退職所得は、【(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2】で計算されます。

退職所得控除の金額計算は、勤続年数(=iDeCoの加入年数)によって異なります。
勤続20年以下の場合は【40万円×(勤続年数)】で計算されます。

勤続20年を超える場合は下記のとおりです。
【800万円+70万円×(勤続年数-20年)※】
※例:勤続25年なら5を、30年なら10を掛ける

iDeCoと退職金を受け取るタイミングで何が変わる?

iDeCoの給付金(一時金)と退職金の受け取り時期は、どちらかを先に受け取る、または同時に受け取るといったタイミングが考えられます。

この章では、どのタイミングで受け取ると税制優遇の効果がより高いのか紹介します。

【iDeCoと退職金を同時に受け取る場合】退職所得控除も一本化

iDeCoの給付金と退職金を同時に一時金として受け取る場合、退職所得控除の金額を計算する際には、iDeCoの加入年数と勤続年数のいずれか長い方が採用されます。

そして同時に受け取る場合はiDeCoと退職金の退職所得が合算されるため、退職所得控除を大幅に上回り税金の負担が上がる可能性が高くなります。

【退職金を先に受け取る場合】退職所得控除の調整が入る

退職金を先に、iDeCoの給付金を後に受け取る場合はどうなるのでしょうか。退職金とiDeCoの退職所得の一本化を避けて退職金を先に受け取り、iDeCoの受け取り時期を遅らせた場合でも、その期間が19年以内の場合は税金の計算に調整が入ってしまいます。

そのため、タイミングをずらしても税金の負担に大差はない結果となります。

【退職金を後に受け取る場合】税制優遇を受けられる

iDeCoの給付金を先に受け取り、5年以上経ってから退職金を受け取る方法であれば、税制の優遇を受けることができます。

iDeCoの給付金の受け取りから5年後以降は、退職所得控除を新たに利用することができるためです。

例えば60歳でiDeCoの給付金を受け取った場合、退職金の受け取りを65歳以降にすると税制において最も有効ということになります。

iDeCoに関するご相談はauフィナンシャルパートナーへ

iDeCoの給付金を受け取るには方法やタイミングを検討する必要があり、退職金がある場合には、より慎重に考慮しなければなりません。

個人で老後資金の準備ができ、正しく活用すれば税制の優遇もある心強い制度であるiDeCoですが、「仕組みが複雑で難しい」と感じられる方も多いかと思います。

iDeCoや退職金の受け取りについて不安のある方は、auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談で悩みを解消してみてはいかがでしょうか。

auマネープラン相談では、お金のプロであるファイナンシャルプランナーから、家計についてのアドバイスを無料で受けることができます。

人生100年時代といわれる現代、ただ漠然とお金を貯めるのではなく、健康寿命を意識して老後資金を準備する必要があります。

auマネープラン相談のファイナンシャルプランナーは、お客さまの家族構成や収支の状況、負債、起こり得るライフイベントといったさまざまな要素をていねいにヒアリングし、お客さまの目標に沿った将来設計をご提案します。

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ご相談の場所や時間は、お客さまの都合にあわせて設定いただくことが可能です。インターネットから簡単にお申し込みできるので、お気軽にご活用ください。

税制のメリットを活用し老後資金を準備しよう

iDeCoの給付金を受け取る際、方法やタイミングによって税金の計算が変わってきます。また、退職金がある場合はさらに税金に影響する可能性があります。税制のメリットを活用しながら受け取るようにしましょう。

iDeCo、退職金の受け取りについてプロに相談したい方には、auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談がおすすめです。費用は一切かからず、何回でも、何時間でも無料でご相談いただけます。

手続きの不安を解消して、安心して老後を迎えましょう。

執筆者名:
垣田 京子
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