資産形成・老後資金 2023.3.31

iDeCoの掛金は変更できる?必要な手続きの手順をわかりやすく紹介

iDeCoは、毎月一定額の掛金を拠出して運用する個人型確定拠出年金であり、公的年金に上乗せして老後資金に備える仕組みです。

iDeCoの運用期間は長く続くため、掛金の変更ができるのか気になる方は多いでしょう。いざ「掛金を変更したい」と思ったときにスムーズに対応できるよう、正しい情報を把握することが重要です。

本記事では、これからiDeCoを始めたい方やすでに運用中の方を対象に、途中で掛金額を変更する方法とルールを解説します。変更手続きの手順も具体的に紹介するので、ぜひご一読ください。

iDeCoの掛金は変更できる?

iDeCoの運用期間中、回数に決まりはありますが掛金を変更することが可能です。そのため、ライフスタイルの変化や家計の見直しにあわせて、無理なく利用しやすくなっています。

iDeCoでは、12月から翌11月(実際に掛金が納付されるのは1月から12月)を1年の基準としています。掛金の変更は、iDeCoの定める1年単位ごとに1回のみ可能です。

なお、企業型確定拠出年金(DC)に加入しており、事業主の掛金の増減にともなって掛金額を変更する場合は、1年に1回の変更回数には含まれません。

iDeCoの掛金を変更する手順

iDeCoの掛金を変更するには、所定の手続きを行う必要があります。ここでは、iDeCoで掛金を変更するために必要な手続きについて、順を追って紹介します。

必要書類を揃える

最初にiDeCoの掛金変更に必要となる書類を揃えましょう。

準備する書類は変更したい内容により異なります。毎月一定額の掛金を拠出する人が、掛金額だけを変更する場合は「加入者掛金額変更届」を提出します。

一方、「ボーナスの支給月のみ多めに拠出する」「拠出のタイミングを半期に1度にする」など、掛金額を月ごとに設定したい場合には、「加入者月別掛金額登録・変更届」が追加で必要です。

掛金変更の手続きはiDeCoを取り扱う金融機関(運営管理機関)で行われるため、必要書類は自分の掛金の引落先に指定されている金融機関で入手してください。

各金融機関のWEBサイトからダウンロードして印刷する方法、カスタマーサービスセンターに電話で郵送を依頼する方法などがあります。

加入者掛金額変更届に記入する

続いて、加入者掛金額変更届、必要に応じて加入者月別掛金額登録・変更届、それぞれ所定の項目に記入しましょう。

加入者掛金額変更届では書類上部の「掛金額変更」にマルをつけ、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所、連絡先電話番号などを記入します。会社員や自営業など、加入区分によっては、企業年金制度や国民年金基金の加入状況の記入欄もあります。

加入者月別掛金額登録・変更届は、基礎年金番号、氏名、生年月日とともに、変更届を提出する年度と翌年度の掛金額を月ごとに記入します。

金融機関へ郵送する

加入者掛金額変更届(必要な場合は加入者月別掛金額登録・変更届)に必要事項をもれなく記入したら、書類の入手先である金融機関に返送します。

書類はその後、iDeCoの実施者である国民年金基金連合会、記録関連業務を行うJIS&T社を経て、変更が反映されます。

郵送でのやりとりが基本となるため、届出から変更の反映までに1ヶ月半から2ヶ月半ほどかかります。時間に余裕をもって手続きを進めましょう。

iDeCoの掛金を停止したいとき

何らかの事情によりiDeCoへの拠出そのものを停止したい場合には、掛金変更と同じく、iDeCoの掛金の口座引落先となっている金融機関(運営管理機関)へ「加入者資格喪失届」を提出します。

掛金の拠出をやめるとiDeCoの加入者ではなくなりますが、新たに運用指図者となり、今まで積み立てた掛金の運用を続けられます。

気をつけたいのが、掛金の拠出がなくてもかかる口座管理料です。掛金を停止すると、国民年金基金連合会に対する拠出1回につき105円の手数料は不要になりますが、資産管理機関に対する月66円、さらに金融機関(運営管理機関)の定める手数料の支払いは続きます。

また、掛金の拠出を再び始めたい場合には「再開」ではなく、あらためて「加入手続き」が必要となります。

iDeCo掛金額の上限

iDeCoの掛金額は月あたり5,000円以上1,000円単位で自由に決められますが、働き方などにより上限が異なります。

加入区分 掛金額の上限
国民年金の第1号被保険者・任意加入被保険者 自営業者など 68,000円/月
816,000円/年
国民年金の第2号被保険者 会社員 23,000円/月
276,000円/年
企業型確定拠出年金(DC)のみに加入する会社員 20,000円/月
240,000円/年
(※)DCの事業主掛金との合計額が55,000円/月以内
DCとDB(確定給付付企業年金など)に加入する会社員 12,000円/月
144,000円/年
(※)DCの事業主掛金との合計額が27,500円/月以内
DBのみに加入する会社員
公務員
国民年金の第3号被保険者 専業主婦(夫) 23,000円/月
276,000円/年

掛金変更を検討するときは、事前に自分の加入区分の上限額を確認しておきましょう。

iDeCo掛金額の見直しは必要?

iDeCoは毎月一定金額をコツコツと積み立てて投資する仕組みのため、まとまった資金がなくても始めやすく、無理なく老後資金を準備するのに適しています。

ただし、iDeCoで拠出した掛金は、ゆとりある老後生活のための資金づくりを目的としているため、原則60歳まで引き出せません。急にお金が必要になっても引き出せないので、無理のない範囲内での掛金の設定が大切です。

iDeCoの掛金は、停止しない限り原則60歳まで拠出が続きます。拠出する期間が長期にわたるため、転職や家族構成の変化などにより、経済状況が変化する可能性があります。

例えば、転職すると収入の増減が起こりうるため、生活が安定するまでは掛金額を少なめに設定する方が安心だといえるでしょう。

掛金は毎月(あるいは一定期間ごとに)口座から自動引落しされるため、iDeCoの掛金を普段の生活で意識する機会は少ないかもしれません。しかし、家計の見直しを考えるライフステージの変化に直面したときには、掛金の見直しを行いましょう。

iDeCoを含めたお金に関する相談ならauフィナンシャルパートナーへ

毎日の家計を維持しながら老後資金を蓄えるのは大変ですが、いざ老後を迎えたときに困らないよう、早いうちから老後生活に備える意識を持つことは大切です。

前述のとおり、iDeCoはライフステージの変化に応じて掛金を変更でき、場合によっては拠出の停止も可能です。iDeCoを活用すると、無理のない掛金を積み重ねながら老後生活に備えやすくなります。

iDeCoを始めるにあたって掛金額の設定、掛金変更のタイミングなど、運用方法に悩まれたら、auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談をご利用ください。

auマネープラン相談では、家庭ごとに異なるキャッシュフロー表を作成したうえで、お金のプロであるFPから状況に応じたアドバイスを行っています。

また、iDeCoに関するお悩みに加えて、保険や教育資金、マイホーム購入といった幅広い悩みごとの相談が可能です。auマネープラン相談は何度ご相談いただいても無料で利用できるため、きっと納得いく家計プランと出会えるでしょう。

まとめ

iDeCoは1年に1回であれば掛金を変更できます。老後資金に向けて無理なく掛金を積み立てるために、掛金の定期的な見直しを行い、必要に応じて変更も検討しましょう。

特に転職したあとや子どもの進学など、家庭の経済状況に変化が生じたときは、iDeCoの掛金額を見直すタイミングです。

老後資金、将来への備えに不安があるなら、auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談を活用し、お金のプロであるFPにご相談ください。

執筆者名:
トダ アキコ
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