資産形成・老後資金 2023.10.16

iDeCoは年末調整が必要?間に合わない場合は?会社員・公務員のケース別に解説

iDeCoに入っている人は、年末調整や確定申告で手続きが必要になることがあります。年末調整や確定申告の時期が近づいてから慌てないように、手続きの流れを理解しておくことが大切です。

本記事では、年末調整と確定申告の概要や、iDeCoに入っている人が年末調整や確定申告で手続きをするときの流れを紹介します。

iDeCo加入者は年末調整や確定申告が必要?

iDeCoに入っている場合、年末調整か確定申告で掛金額を申請することが一般的です。その際の手続きの流れは、会社員・公務員の場合と自営業者・フリーランスの場合で異なります。

以下ではそれぞれのケースについてiDeCo加入者が行う手続きを紹介します。

会社員・公務員の場合

会社員・公務員の場合、iDeCoの掛金の払い方が個人払込か事業主払込かによって手続きが変わります。

個人払込とは個人口座からの引き落しで国民年金基金連合会に掛金を払う方法、事業主払込とは給与天引きしたうえで事業主(企業)の口座から引き落しで掛金を国民年金基金連合会に支払う方法です。

個人払込で掛金を納めている場合は、年末調整で手続きをすることになります。一方、事業主払込で掛金を納めている場合は、事業主が手続きをするため従業員本人が年末調整で手続きをする必要はありません。

なお、年末調整でiDeCoの掛金額を申請し忘れた場合や必要書類が年末調整までに揃わず年末調整で手続きできなかった場合でも、自分で確定申告をしてiDeCoの掛金額を申請することが可能です。

iDeCoに加入した時期が年の後半だと、年末調整で必要な小規模企業共済等掛金払込証明書が届く時期が遅く、年末調整に間に合わない場合があります。その場合、翌年2月16日~3月15日の確定申告期間に手続きをすればiDeCoの掛金額を申請できます。

自営業者・フリーランスの場合

勤務先で年末調整を受けられる会社員や公務員とは違い、自営業者・フリーランスは年末調整を受けられないため、iDeCoの掛金額を申請する場合は確定申告が必要です。

確定申告では1年間の収入や費用などを申告書に記入し、iDeCoの掛金額を申請する場合は申告書の所定の欄に1年間の掛金額も記入します。

年末調整とは?

会社員や公務員がiDeCoに加入している場合、一般的に年末調整でiDeCoの掛金額を申請します。年末調整とはどのような手続きなのか、以下では年末調整の概要を解説します。

年末調整とは所得税の過不足を調整するための手続き

年末調整とは、給与や賞与から源泉徴収で天引きされた所得税の過不足を調整する手続きです。

会社員や公務員は、毎月の給与や賞与が支払われる際に所得税が天引きされますが、最終的な税額は12月31日の現況によって決まるため、それまでに天引きされた税額と確定税額に差が生じることがあります。この過不足を調整するため、年末に行われる手続きが年末調整です。

企業は年末調整を行ったうえで1月31日までに税務署に届け出る必要があるため、従業員への年末調整の案内や書類への記入・提出は11月~12月頃に行う企業が多く見られます。

年末調整の対象者

年末調整の対象となるのは、給料から源泉徴収がされていて年末調整を行う日までに職場に給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している人です。

ただし1年間の給与総額が2,000万円を超える人や、災害減免法の規定によりその年の給与に対する所得税および復興特別所得税の源泉徴収について徴収猶予や還付を受けた人は年末調整の対象外です。

確定申告とは

確定申告とは所得税に関する手続きのひとつです。以下では確定申告の概要を解説します。

確定申告とは所得税を計算して精算する手続き

確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた所得の金額とそれに対する所得税の金額を計算し、源泉徴収税額や予定納税額などがある場合に、その過不足を精算する手続きです。

所得があって後述する条件に該当する人は確定申告が必要になります。確定申告をする期間は、所得が生じた年の翌年2月16日から3月15日の1ヶ月間です。

個人事業主やフリーランスは一般的に確定申告が必要になり、会社員や公務員でも確定申告が必要になる場合があります。

確定申告が必要な人

所得税の計算では、家族構成や1年間に払った社会保険料額などに応じて一定の金額を年間所得額から差し引いて税率をかけます。

この差し引く金額が年間所得額より大きければ所得税はかからず、一般的に確定申告は不要です。逆に年間所得額の方が大きければ、所得税がかかり確定申告が必要になります。

また、会社員や公務員でも以下に該当する場合は確定申告の義務が生じます。

・給与の収入金額が2,000万円を超える
・給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、給与所得・退職所得を除く所得金額の合計額が20万円を超える
・給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得を除く所得金額との合計額が20万円を超える

iDeCoの掛金を払うだけであれば確定申告の義務は生じないため、iDeCoの掛金額を申告しなくても法律違反にはなりませんが、個人事業主やフリーランスであれば一般的に確定申告で掛金額を申告します。

iDeCoの年末調整・確定申告のやり方と書類の書き方

年末調整や確定申告でiDeCoの掛金額を申請する場合には手続きが必要になります。以下では、手続きをする際の方法や書類の書き方を解説します。

年末調整の手続き方法

年末調整の時期に勤務先から配布される書類のなかに、保険料控除申告書という生命保険や地震保険の保険料の金額、iDeCoの掛金の金額などを記入する用紙があります。勤務先で用紙が配られたら、iDeCoの掛金額を記入して提出しましょう。

国民年金基金連合会から届く小規模企業共済等掛金払込証明書に記載された金額を用紙の所定の欄に記入します。小規模企業共済等掛金払込証明書は一般的に10月頃に届きますが、年の後半にiDeCoに加入した場合は届く時期が遅くなることがあります。

確定申告の手続き方法

確定申告をする場合、確定申告書を作成して確定申告期間中に税務署に提出します。確定申告の方法は窓口申請・郵送申請・e-Taxによる申請の3つです。

窓口で申請する場合は確定申告書や添付書類を税務署に持参して提出し、郵送による場合は管轄の税務署に確定申告書等を郵送して提出します。e-Taxで確定申告をする場合はパソコンやスマートフォンの画面で手続きを完了できます。

確定申告では、給与所得や事業所得など所得の種類ごとに1年間の所得額を計算して確定申告書に記入します。確定申告書には用紙がいくつかあり、一般的に使うのは第一表と第二表です。

iDeCoの掛金額を記入する欄があるため、国民年金基金連合会から届く小規模企業共済等掛金払込証明書を手元に用意して、証明書に記載された金額を記入しましょう。

iDeCoの相談はauフィナンシャルパートナーへ

老後に受け取る年金を増やすためにiDeCoに加入する場合、掛金をいくら払うと老後の年金額がいくら増えるのか、加入する際や加入後にどのような手続きが必要になるのか、さまざまな知識が必要になります。

老後への備えとしてiDeCoに加入する際、また掛金額を変更する際などは、FPをはじめとした専門家への相談を検討してはいかがでしょうか。

auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談では、老後資金の相談や資産形成に関するシミュレーションなど、家計の見直しに関する相談が可能です。FPが一人ひとりに合わせたキャッシュフロー表を作成し、お金に関するお悩み解決をサポートしています。

iDeCoの制度に関する疑問や加入にあたりご不安がある場合には、親身になってアドバイスを提供させていただきますので、ぜひ必要に応じてauマネープラン相談をご活用ください。

まとめ

iDeCoに加入すると一般的に、会社員や公務員であれば年末調整で、自営業者・フリーランスであれば確定申告で、1年間に払った掛金額を申請します。

会社員や公務員の場合、年末調整でiDeCoの手続きをし忘れた場合や必要書類が揃わず年末調整に間に合わなかった場合でも、翌年に自分で確定申告をすればiDeCoの掛金額を申請できます。

老後の生活や年金について考え、老後への備えとしてiDeCoの活用を検討する場合、年金や老後の生活費などお金に関する幅広い知識が必要になります。そんなときには、お金の専門家であるFPへの相談がおすすめです。

auフィナンシャルパートナーでは老後資金の相談や資産形成に関するシミュレーションを無料で行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

執筆者名:
大木 ゆうすけ
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