家計見直し・教育資金 2023.3.31

オール電化の電気代は高いって本当?今すぐできる4つの節約方法も解説!

昨今の電気代高騰とともに、オール電化の電気代が高い、あるいは今後高くなっていくと耳にする機会が増えています。

しかし、オール電化の電気代には、ガスと併用する従来のスタイルよりコストダウンできる側面もあり、なぜ料金が高くなるのかと疑問に感じる方もいるかもしれません。

本記事では、オール電化の概要、プラン内容や料金設定、さらに従来の電気・ガスでの契約との違いや料金体系の比較など、気になるポイントをわかりやすく解説します。

オール電化で電気代を効率よく抑えるのに役立つ節約方法も紹介するので、参考にしてください。

オール電化とは

オール電化とは、家庭で使用するエネルギーを電力のみでまかなうことです。ガスコンロではなくIHクッキングヒーター、ガス給湯器ではなく電気給湯器のように、従来はガスを使っていた設備でもすべて電気を使います。

電力以外のエネルギーを必要としないため、オール電化ではガスの使用契約が必要ありません。そのため、電気を効率よく活用すれば、従来のガス・電気での契約より光熱費を抑えられる可能性があります。

さらに、ガスの使用量が減れば、ガスの燃焼による家庭からの二酸化炭素(CO2)排出量を軽減できるため、環境にやさしいといえる仕組みです。

オール電化の特徴

家庭のエネルギーをすべて電力でまかなうオール電化には、ガス・電気での契約とは異なる、さまざまな特徴があります。

一般的な電気とオール電化の料金プランは異なる

一般的な電気契約とオール電化契約とでは、電力会社が設定する料金プランが異なります。

通常、電気契約は従量制です。契約プランごとに1kWhあたりの料金単価が決まっており、電気使用量に単価をかけた金額が電気料金に含まれます。電気の使用量に応じて料金が変わる仕組みのため、使用する時間帯で料金が変わることはありません。

一方で、オール電化の料金プランは、使用する時間帯によって電気代が変動します。多くの場合、電気の消費量が少ない夜間や休日は料金を低めに、昼間は夜間よりも料金を高めに設定していることが多い傾向です。

基本料金を一本化できる

オール電化で電気料金の支払いだけにしぼると、基本料金を一本化できます。

基本料金とは、たとえ電気やガスを使わなくても、使用可能な状態を保っている以上、支払う必要がある料金です。電気料金もガス料金も、使用量に応じた料金のほか基本料金を支払います。

その点、オール電化にすれば、ガスの基本料金がなくなる分、光熱費の軽減が期待できます。

初期費用がかかる

オール電化を導入するには、家庭生活のすべてを電力でまかなうために、電力に対応する機器を設置する必要があります。

オール電化で主に使われる機器は、エコキュート、IHクッキングヒーター、蓄熱暖房機などです。それぞれに本体の購入代金と設置のための工事費用がかかるため、オール電化は初期費用が高額になりやすい傾向があります。

従来の電気・ガスとオール電化ではどちらがお得?

電気とガスを組み合わせた従来のスタイルとオール電化の料金について、それぞれ実際の数値から確認しましょう。世帯人数ごとの光熱費は、以下のとおりです(※1)。

料金 平均 1人世帯 2人世帯 3人世帯 4人世帯
電気料金 10,559円 6,808円 11,307円 13,157円 13,948円
ガス料金 4,547円 3,331円 4,900円 5,555円 5,427円

(※1)出典:e-Stat(政府統計の総合窓口)「家計調査 家計収支編(2022年)」をもとに筆者作成

総務省統計局「家計調査」によると、2022年度の1世帯あたりの平均的な光熱費は約15,000円です。世帯人数が増えるほど料金は上がる傾向ですが、3人以上になるとそれほど差がないとわかります。

さらに、ガス代は4人世帯が3人世帯より少なくなるなど、人数が増えると料金も増えるとは限らないようです。

ただし、「家計調査」の平均値はオール電化を含んでいるため、今度は関西電力が公開しているオール電化で暮らす世帯の光熱費の平均額を紹介します(※2)。

料金 1人世帯 2人世帯 3人世帯 4人以上の世帯
電気料金 11,415円 14,303円 15,873円 17,738円

(※2)出典:関西電力「オール電化世帯人数別の電気代平均額」を元に筆者作成
(※2)関西電力オール電化メニューを利用中の「はぴeみる電」会員データ(2020年~2021年の年間使用量の平均値)より算出した平均使用量をもとに、「はぴeタイムR」の料金単価を適用して算出しており、燃料費調整額は含みません
(※2)サンプル数:1人暮らし4,908、2人家族24,100、3人家族26,163、4人家族以上55,311

上記データには燃料調整費が含まれていないため、特に燃料費が高騰している現在では単純に比較するのは難しいですが、ひとつの参考として見てみましょう。

先ほどの「家計調査」の数値と比べると、3人以上の世帯ではガス・電気契約よりもオール電化が割安になる一方、2人以下の世帯ではオール電化の方が高額になっています。

家族の人数が増えて電気とガスの使用量が増えるほど、時間帯によっては料金を抑えられるオール電化に料金面でのメリットがあらわれるようです。

この結果より、世帯人数が少ない場合は従来のスタイル、世帯人数が増えるとオール電化の方がお得になる可能性を推測できます。

ただし、光熱費は電気の使用量やライフスタイル、住まいの断熱効率などによって差が出やすいため、契約中あるいは契約予定の電力会社の料金プランを確認し、毎月の電気使用量から電気代を計算してみることをおすすめします。

オール電化の料金を節約する方法

電力需給のひっ迫、石炭や液化天然ガスの輸入価格が高騰による燃料費調整額の値上げなどから、電気代の値上げが続いています。

特に燃料費調整額は2023年4月に再値上げを明示する電力会社も多く、これまではオール電化をお得に使っていた世帯でも、電気代を抑えるためにひと工夫する必要があるかもしれません。

そこで、オール電化を利用中に取り入れられる電気代の節約方法を紹介します。

電気を使う時間帯に気をつける

オール電化の料金プランの多くは、夜間など電力使用量の少ない時間帯は料金単価が低く設定されています。そのため、電力を安く使える時間帯を意識すると、電気代を節約しやすくなるでしょう。

洗濯機や乾燥機、食器洗い洗浄機などは、電気代の低い時間にタイマーをセットしておくのがおすすめです。

また、料金単価の設定は電力会社によって異なるため、契約プランの設定を確認しましょう。電気代が安くなるのは夜間だけとは限らず、例えば昼間よりも朝方や夕方の方が安くなる、昼間でも夏季以外は安くなるなど、細かく料金が分かれる場合もあります。

エコキュートの設定や使用方法を見直す

エコキュートはオール電化の導入に欠かせない機器のひとつです。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」で、空気の熱を利用するヒートポンプ技術を使い、少ない電力でお湯を沸かします。

エコキュートは使い方によって電気代に差が出やすいので、設定や使用法を見直しておくと安心です。

まず、夜間などオール電化の料金が安くなる時間にあわせて、エコキュートの稼働時間が設定されているかどうかを確認します。電力会社により料金プランは異なるため、1時間の設定の違いで電気代が変わる可能性もあります。

また、空気の熱を利用するエコキュートは、気温が高くなるほど消費電力を抑えられます。気温の低い冬よりも夏の方が電力を必要としないため、夏は省エネモードにしておくといいでしょう。

エコキュートには、タンク内の湯量が減ったときに自動でお湯が沸き増しされる機能があります。便利な機能ですが、電気代の高い時間帯に知らず知らずのうちに電力を消費する恐れがあります。自動沸き増しの機能を停止して、必要に応じてお湯を足す方が節電につながります。

省エネ家電を購入する

省エネ性能に優れ、電力の消費量が少ない最新家電を選ぶのも、電気代の節約方法のひとつです。省エネを意識しなくても、新しい家電に買い替えるだけで節電効果が期待されます。

また、手元の家電に備わっている省エネモードの積極的な活用も、電気代を抑えるのに役立ちます。

家電の使い方に気を配る

家電の使い方に少し気を配るだけでも、電気代は節約できます。特に電力消費の大きい家電はわずかな違いが電気代に反映されやすいでしょう。

例えばエアコンは、夏の冷房で設定温度を1℃高くするだけで約13%(約70W)、冬の暖房で温度設定を1℃低くするだけで約10%、消費電力が下がります。

また、1日1時間使う時間を減らすと、冷房(28℃)だと年間約19kWh、暖房(20℃)だと年間約41kWhの電力を減らせます。

ほかにも、冷暖房の効率を下げないようにフィルターのこまめな掃除も大切です。目詰まりのないフィルターを維持するだけでも、約4~約6%の電気代を節約できます。

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まとめ

オール電化の電気代は、家族構成やライフスタイルによっては、ガスと併用するよりも安くなります。電力会社によって、電力を安く使える時間帯の設定や料金プランが異なるため、契約前に比較検討を行いましょう。

ただし昨今の電気代高騰により、お得なはずのオール電化でも光熱費が上昇しています。オール電化の特徴を活かしながら節約を心がけることも大切です。

光熱費は家計に直結するお金です。オール電化の導入や料金プランの設定、光熱費削減など家計のお悩みなら、auフィナンシャルパートナーの提供するauマネープラン相談の利用をご検討ください。

執筆者名:
トダ アキコ
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