家計見直し・教育資金 2023.3.31

電気代が高いのはなぜ?値上げにつながる原因と節約方法を解説

電気代が高いと感じている方のなかには、急に電気代が高くなり困っている方やほかの家庭の電気代がどのくらいなのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

電気代が高くなるのは、電気料金の値上げや電気使用量の増加が原因です。そして、電気料金が値上げされている状況には、いくつかの理由があります。

本記事では、電気代が高くなる原因と電気代の平均額、電気代の決まり方を解説します。電気代を抑える方法も紹介するので、参考にしてください。

電気代が高い原因は?

電気代が高くなる原因としては、電気料金の値上げや電気使用量の増加が考えられます。

ここでは、電気料金が値上げされる背景や電気使用量が増えやすい時期なども含めて、電気代が高くなる理由を解説します。

電気料金の値上げ

電気使用量が増えていなくても、電気料金が値上げされると電気代は高くなります。

2022年11月ごろから、ウクライナ情勢や円安を背景に燃料価格が高騰していることなどを理由に、大手電力会社の多くが経済産業大臣へ電気料金の値上げ申請を行いました。

家庭の電気代の負担が大きくなっていることを踏まえ、2023年1月から国が電力会社を通じて電気使用量に応じた値引きを行っていますが、9月使用分で終了となります。 

燃料費調整額の値上げ

燃料価格の高騰により、規制料金の「燃料費調整額」も上限に到達する状態が続いています(※)。

燃料費調整額とは、燃料(原油・石炭・液化天然ガス)の価格変動を毎月の電気料金に反映させたものです。燃料価格が上昇すると加算調整され、反対に燃料価格が下がると減算調整されます。

また、燃料費調整額は、燃料費調整単価×電気使用量で決まるため、電気使用量が多いほど高くなります。

(※)規制料金とは、消費者保護の観点から値上げに上限が設けられている料金プランをさします。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の値上げ

電気料金に含まれる「再生可能エネルギー発電促進賦課金」も上昇し続けています。再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、消費者が電気の使用量に応じて再生可能エネルギーの買取り費用を負担するものです。

2012年度の再生可能エネルギー発電促進賦課金が 0.22円/kWhだったのに対し、2022年度は3.45円/kWhと大幅に値上がりしています。これは、日本が温室効果ガスの排出量削減やエネルギー自給率向上のため、再生可能エネルギーの普及を進めていることなどが背景にあります。

電気使用量が多い

電気使用量が増えると、当然電気代も高くなります。紙の検針票や電力会社の会員ページで、自分の家庭の電気使用量を確認しましょう。

一般的に、夏と冬は冷暖房器具の使用が増えるため電気使用量が多くなり、電気代が高くなります。

総務省統計局の「家計調査(家計収支編)」によると、2022年の電気代(月別)の平均は、以下のとおりでした(※)。

電気代の平均
1月 12,938円
2月 15,331円
3月 16,273円
4月 13,931円
5月 11,811円
6月 9,990円
7月 9,869円
8月 11,914円
9月 13,202円
10月 12,805円
11月 11,560円
12月 12,514円

(※)出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」を元に筆者作成

また、新型コロナウイルス感染症の拡大により外出控えや在宅勤務が増えたことも電気代に影響を与えています。

電力中央研究所の調査結果によると、2020年3月以降の1年間、コロナ前の水準と比べて1世帯あたり約4%電力需要が増加しました。特に、平日の日中から夜にかけての電力需要が増えていることから、在宅勤務などの影響を受けていると考えられます。

世帯別の電気代平均額

総務省統計局の「家計調査(家計収支編)」によると、世帯人数ごとの電気代平均額は以下のとおりでした(※)。

世帯人数 電気代の平均
単身 6,808円
2人以上 11,307円
3人以上 13,157円
4人以上 13,948円
5人以上 15,474円
6人以上 17,869円

(※)出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」を元に筆者作成

基本的に、世帯人数が増えるほど電気代も高くなります。調査では、世帯人数が1人から2人に増えると、電気代が大きく上がるという結果でした。

また、都道府県(県庁所在地)によっても電気代平均に差がみられます(※)。

都道府県(県庁所在地) 電気代の平均
北海道(札幌市) 9,918円
青森県(青森市) 12,714円
岩手県(盛岡市) 11,139円
宮城県(仙台市) 8,393円
秋田県(秋田市) 11,958円
山形県(山形市) 12,408円
福島県(福島市) 12,778円
茨城県(水戸市) 10,856円
栃木県(宇都宮市) 11,861円
群馬県(前橋市) 11,124円
埼玉県(さいたま市) 9,341円
千葉県(千葉市) 8,290円
東京都(東京都区部) 8,966円
神奈川県(横浜市) 8,683円
新潟県(新潟市) 10,524円
富山県(富山市) 14,551円
石川県(金沢市) 14,037円
福井県(福井市) 13,753円
山梨県(甲府市) 9,634円
長野県(長野市) 9,981円
岐阜県(岐阜市) 12,891円
静岡県(静岡市) 11,250円
愛知県(名古屋市) 8,704円
三重県(津市) 10,382円
滋賀県(大津市) 10,702円
京都府(京都市) 9,083円
大阪府(大阪市) 9,016円
兵庫県(神戸市) 7,580円
奈良(奈良市) 10,542円
和歌山県(和歌山市) 11,661円
鳥取県(鳥取市) 10,127円
島根県(松江市) 12,846円
岡山県(岡山市) 9,960円
広島県(広島市) 10,544円
山口県(山口市) 12,910円
徳島県(徳島市) 12,479円
香川県(高松市) 11,632円
愛媛県(松山市) 11,705円
高知県(高知市) 10,452円
福岡県(福岡市) 8,251円
佐賀県(佐賀市) 8,409円
長崎県(長崎市) 8,599円
熊本県(熊本市) 8,066円
大分県(大分市) 9,468円
宮崎県(宮崎市) 10,199円
鹿児島県(鹿児島市) 10,082円
沖縄県(那覇市) 9,452円

(※)出典:総務省統計局「家計調査(家計収支編)」を元に筆者作成

東北地方や北陸地方は、ほかの地域と比べて電気代の平均が高いです。あくまでも平均値ですが、世帯の電気代が高いかどうかを確認する際の目安にしてください。

電気代の仕組みと計算方法

電気料金は、「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の4つで構成されています。

電気料金=基本料金+電力量料金(※1)+再生可能エネルギー発電促進賦課金(※2)

電力量料金とは「料金単価×使用電力量」に燃料費調整額を加算または差し引きしたものです。

また、電化製品ごとの電気代を知りたい場合は、「1時間あたりの消費電力×使用した時間×料金単価」で計算できます。

消費電力700Wのエアコンを8時間使用する場合を例に計算してみましょう。料金単価27円/kWh円だとすると、電気代は0.7kWh×8時間×27円/kWh=151.2円です。上記の条件でエアコンを20日使用する場合、電気代は151.2円×20日=3,024円(小数点以下第1位で四捨五入)となります。 

(※1)電力量料金=(料金単価×使用電力量)±(燃料費調整単価×使用電力量)
(※2)再生可能エネルギー発電促進賦課金=(再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×使用電力量)

電気代の節約方法

電気代が高くなる原因を踏まえ、高いと感じたときの節約方法を紹介します。

1.電気代の内訳から電気の使い方を見直す

2.家電の使い方を見直す

3.料金プランを変更する

4.電力会社を変更する

1.電気代の内訳から電気の使い方を見直す

紙の「電気ご使用量のお知らせ(検針票)」または会員ページ(WEB)で電気代の内訳を確認しましょう。内訳をみて電気使用量が増えている場合は、電気の使い方を見直すことで節約が可能です。

紙の検針票には、使用料や料金の内訳、請求金額などが記載されています。また、会員ページを利用すれば、スマートフォンなどでいつでも気軽に使用状況の確認が可能です。電力会社によっては毎日の電気使用量をグラフで確認できるため、電気の使い方を見直すのに役立ちます。

2.家電の使い方を見直す

よく使っている家電や消費電力の大きい家電のおおよその電気代を把握し、使い方を見直しましょう。

全国地球温暖化防止活動推進センターの調査によると、家庭のなかで電気使用量が最も多い家電はエアコンで、全体の14.8%を占めていました。次に、冷蔵庫(14.3%)、照明(13.5%)、テレビ(9.4%)と続きます。エアコンなどの家計を圧迫している家電から節約を心がけることで、大きな効果が得られやすくなるでしょう。

以下の表に家電ごとの消費電力の目安をまとめたので、消費電力の大きい家電の節約をする際の参考にしてください。

家電 消費電力の目安
10畳用エアコン 冷房:580W
暖房:660W
冷蔵庫(450L) 250W
LED照明 10W
蛍光灯 40W
白熱電球 60W
テレビ(42型) 液晶:210W
プラズマ:490W

(※)出典:東京電力エナジーパートナー株式会社「家電製品の消費電力について知りたい」を元に筆者作成

3.料金プランを変更する

電力会社の料金プランは、ガスとセットで安くなるプランや早朝や夜間に電気代が安くなるプランなどさまざまです。

ライフスタイルや家族の人数などに応じて料金プランを見直せば、電気代の負担軽減につながります。例えば、日中仕事で外出している方は、夜間の料金が安いプランを選ぶことで電気代を節約できる可能性があります。

4.電力会社を変更する

2016年の電力小売全面自由化で電気の小売業への参入が自由にできるようになり、さまざまな電力会社から選択できるようになりました。

電気代が高いと感じたら、電力会社の乗り換えも検討しましょう。電力自由化以降新たに参入した新電力会社は、送配電を行うための大規模な設備が不要なことやほかの事業も行っていることから、電気料金が安い傾向にあります。

また、基本料金0円・電気代に応じてポイントが貯まる・乗り換えで特典がもらえるなど、電力会社によりサービスもさまざまです。

比較する際は、各電力会社が提供する電気代シミュレーションを使うのが良いでしょう。

電気代など、家計の見直しはお金の専門家に相談しよう

近年、世界的な燃料価格の高騰や新型コロナウイルス感染症などの影響を受け、電気代が高騰しています。

電気代が高くて困っている方や毎月の支出の負担を減らしたい方は、お金の専門家に家計の見直しを相談しましょう。auフィナンシャルパートナーのauマネープラン相談なら、電気代を含む家計の見直しや資産形成、教育資金などお金に関するさまざまなお悩みをご相談いただけます。

無料で何度でも相談できるauフィナンシャルパートナーへのご相談をぜひご検討ください。

電気代の高騰が気になったら家計の見直しを視野に入れよう

電気代が高くなる原因は、電気料金の値上げや電気使用量の増加です。電気代が高いと感じたときは、高くなる原因や電気代の決まり方を理解して対策を考えましょう。

電気代を見直す際は、あわせて家計全体を見直すことをおすすめします。家計のなかでも大きな割合を占める支出を見直せば、家計の負担を大きく軽減できる可能性があります。

家計の見直しは、お金の専門家であるファイナンシャルプランナーに相談しましょう。auフィナンシャルパートナーなら、何度でも無料でご相談いただけます。

執筆者名:
松崎 みづき
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