食費の平均は1ヶ月でどれくらい?世帯別や年齢別のデータと無理のない節約方法も紹介
食費は毎日の生活に欠かせない出費です。だからこそ適正な金額に収まっているのか気になるでしょう。
しかし、食費をはじめとしたお金の話題はなかなか人には聞きづらいものです。加えて、食費は世帯の人数や年収などの条件によって変わるため、耳にした金額が参考になるとは限りません。
そこで活用したいのが、国の「家計調査」で公表されている1ヶ月の平均データです。自分の食費とデータを比較したうえで、条件別の平均データから食費の目安を確認できます。
本記事では、国が公表している1ヶ月の平均食費のデータを紹介するとともに、食費の具体的な節約方法を解説します。
1ヶ月の平均食費
1ヶ月の平均食費は、総務省統計局が公表する「家計調査 家計収支編」で確認できます(※)。以下では、2022年のデータをもとに、世帯数・年齢・年収・居住地域ごとの平均食費を紹介します。
世帯人数 | 1ヶ月の平均食費 |
1人 | 39,069円 |
2人 | 67,573円 |
3人 | 80,554円 |
4人 | 88,102円 |
5人 | 96,968円 |
6人以上 | 107,578円 |
世帯人数が少なくなるほど、1人あたりにかかる平均食費は高くなっています。特に世帯数が4人以上になると、1人あたり2万円前後にまで下がっています。家族の人数が増えるほど食材を効率よく使い、食費を抑えた暮らしをしていると推測することができます。
年齢別の平均食費
食事量は年齢によって変化するのが一般的です。1ヶ月の平均食費について年齢ごとの変化をみていきましょう。
世帯主の年齢 | 1ヶ月の平均食費 |
29歳以下 | 35,615円 |
30歳~39歳 | 61,249円 |
40歳~49歳 | 74,948円 |
50歳~59歳 | 70,845円 |
60歳~69歳 | 68,896円 |
70歳以上 | 57,932円 |
年齢別では、30代から50代の世帯で食費が高めの傾向であるとわかります。これには、育ち盛りの子どもがいる、人づきあいで外食が増えるなどの影響が考えられます。
年収別の平均食費
エンゲルの法則では、年収が増えるほど家計に占める食費の割合は下がっていくとされています。1ヶ月の平均食費と年収部分を抜粋し、表にまとめました。
世帯年収 | 1ヶ月の平均食費 | 1ヶ月の消費支出 | エンゲル係数 |
平均 | 63,597円 | 244,231円 | 26.0% |
245万円未満 | 38,514円 | 136,103円 | 28.3% |
245万~364万円未満 | 54,318円 | 193,863円 | 28.0% |
364万~519万円未満 | 62,453円 | 230,609円 | 27.1% |
519万~760万円未満 | 71,490円 | 270,930円 | 26.4% |
760万円超 | 91,212円 | 389,653円 | 23.4% |
消費支出と平均食費からエンゲル係数を割り出すと、世帯年収245万円未満から順に28.3%、28.0%、27.1%、26.4%、760万円超で23.4%と、エンゲルの法則どおりの結果です。いずれも20%代とはいえ、前半から後半まで大きな開きがみられます。
地域別の平均食費
同じ食材を同じ量だけ買っても、同じ頻度で外食しても、暮らす地域によって食費に差が出る場合があります。ここでは、平均食費の地域差を表にまとめました。
地域 | 1ヶ月の平均食費 |
北海道地方 | 57,683円 |
東北地方 | 60,395円 |
関東地方 | 66,540円 |
北陸地方 | 64,288円 |
東海地方 | 66,580円 |
近畿地方 | 65,125円 |
中国地方 | 59,517円 |
四国地方 | 57,266円 |
九州地方 | 56,594円 |
沖縄地方 | 55,462円 |
関東・東海・近畿地方と、企業や産業の集まる地域ほど平均食費は高い傾向がみられ、年収の違いや外食の頻度が影響していると予想されます。
ただし、都市の規模でみると、大都市よりも中都市や小都市の方が平均食費は高くなっており、都市部ほど食材は安価であるとも考えられます。
(※)出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編(2022年)」
目安となる食費を算出する方法
ここまで、政府による家計調査から平均食費のデータを確認してきました。ここからは、個々の家計にあわせて目安となる食費を算出しましょう。
収入・支出から計算する
手取り収入から、あらかじめ貯蓄する金額を差し引き、家計として使える支出を決める方法です。貯蓄分を差し引いた収入から住居費(家賃や住宅ローンの返済額)、水道光熱費や通信費、サブスクリプションサービスの代金など固定費を差し引き、残りを食費として考えます。
例えば手取り収入が30万円で、家計として使える支出が25万円の場合、固定費が15万円なら、残り10万円を食費などに使えます。
エンゲル係数をもとに計算する
エンゲル係数は家計の支出に占める食費の割合(%)を示しており、この割合を参考に食費を計算する方法もあります。計算方法は下記のとおりです。
エンゲル係数=食費÷総支出×100(%)
年収別の平均食費でみたとおり、エンゲル係数は年収が上がるほど下がる法則があります。
先ほどの「家計調査 家計収支編」のデータで全世帯の平均食費から計算したエンゲル係数は、26.0%です。
食費は各家庭の求める食生活水準に応じて変わるものですが、エンゲル係数が数%違うだけでも、食費には大きな差がでます。
仮に、ご自分のエンゲル係数が現在25%、理想が20%とした場合、エンゲル係数25%だと食費は62,500円、20%だと50,000万円です。わずか5%でも1万円以上の開きがあるため、家庭の状況に応じて適正な食費を考えましょう。
食費の節約方法
食費は家計に占める割合が高いため、少しの節約でも効果を実感しやすくなります。ここでは、毎日の生活に取り入れやすい食費の節約方法を紹介します。
食費に使う予算を決める
例えば「1週間」「1ヶ月」のように期間にわけて、食費の予算を決めて管理しましょう。加えて、「食材」「嗜好品(お菓子・お酒など)「外食」と細かく分類すれば、使い過ぎをより防ぎやすくなります。
ただし、予算にこだわりすぎて苦しい気持ちになると節約は続きません。余裕があれば外食を増やすなど、節約生活を楽しむ気持ちが大切です。
買い物の仕方を見直す
買い物のスタイルを変えるだけでも、節約につながる可能性があります。
例として、安く購入できるスーパーをみつける、特売日や週1回の買い物デーにまとめ買いをして衝動買いを防ぐ、使いきれる量の食材を買う、ポイント還元をはじめとするお得な支払方法を選択するといった方法あります。
出費を抑えてお得に買い物できる方法を探しましょう。
作り置きや加工品を活用する
外食よりも自炊の方が食費の節約につながりますが、自炊には時間や手間がかかります。自炊を長く続けるために、作り置きや加工品、冷凍食品を上手に活用しましょう。
作り置きした食材を冷凍しておけば時短調理やお弁当に使いやすく、電子レンジで調理可能な加工品や冷凍食品はあと一品ほしいときに役立ちます。
新しいレシピに挑戦して、自炊する楽しみを増やすのもおすすめです。
ふるさと納税を活用する
ふるさと納税の返礼品も、食費の節約に活用できます。
ふるさと納税は、自治体に寄付した金額に応じて、寄付金の2,000円を超える部分に対し、所得税の還付や住民税の控除を受けられる制度です。
税制面の優遇に加え、自治体ごとに用意されている返礼品が人気の理由となっています。返礼品に食材を選べば、実質2,000円の負担でお得に食材を手にできます。
ただし、ふるさと納税はワンストップ特例制度の利用や確定申告をする必要がある点は覚えておきましょう。
外食もひと工夫で節約につながる
食費が跳ね上がる原因のひとつは外食です。外食のしすぎは節約には禁物ですが、たまの外食でリフレッシュする機会も大切です。
外食する際には、利用できるクーポンをチェックする、外食にかける予算をあらかじめ決めておくなど、外食でもひと工夫して節約につながるように心がけましょう。
食費の節約に加えて取り組みたいこと
家計の支出項目は、変動費と固定費の2種類に分けられます。
変動費は生活のなかで行動や選択によって支出が増減するもので、食費や被服費、娯楽費、交際費などが該当します。固定費は毎月の支払いが決まっていて金額がある程度一定のもので、住居費、水道光熱費、通信費、保険料、自動車関連費用などが挙げられます。
変動費である食費の節約も大事ですが、家計を見直す際には固定費の節約にも取り組むことをおすすめします。毎月決まった金額になりやすい固定費を減らすと、効率的かつ着実に、目に見えた節約効果を生むためです。
変動費は日々の意識によってコントロールするものなので、「毎日節約を意識する」というつらさがともないます。そこで固定費の見直しを行いつつ、無理のない範囲で食費を含めた変動費の見直しにも取り組んではいかがでしょうか。
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まとめ
家庭の食費について考えるときには、国が示すデータを参考にすると一般的な目安が見えてきます。
しかし、データはあくまで参考であり、実際の食費は世帯の人数や構成、ライフプランによって異なります。自分の家庭の状況にあわせて、適した食費を考えましょう。
また、食費の節約には、日頃からの取り組みが欠かせません。無理のない範囲で節約を意識した生活を心がけてみましょう。
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