家計見直し・教育資金 2023.3.31

電気代の平均はいくら?世帯人数・季節・都道府県別に見るデータや節約方法を解説

現代の生活では、さまざまな場面で電化製品を使用するため、電気代の支払いは避けて通れません。電気代の請求金額を見て高く感じ、自分が使いすぎていないか不安になることもあるでしょう。

家計の見直しをするうえでも、電気代がかかり過ぎていないか、平均より多く支払っていないかを考えるのは大切です。

しかし、毎月支払う電気代は一緒に住んでいる人数や季節、地域ごとに変化するため、一律でいくらなら高い・安いと判断できません。電気代の比較は、条件をあわせて検証する必要があります。

本記事では、世帯人数別・月別・都道府県別の電気代平均を紹介し、電気代の節約方法も解説します。

【世帯人数別】1ヶ月の電気代平均

世帯人数別で1ヶ月の電気代平均をまとめた表は以下のとおりです(※1)(※2)。

【世帯人数別・電気代の平均データ】

 世帯人数 1ヶ月の電気代
1人世帯 5,482円
2人世帯 9,183円
3人世帯 10,655円
4人世帯 11,376円
5人世帯 12,423円
6人以上世帯 14,852円

【世帯人数別・電気代の平均グラフ】

(※1)出典:総務省「家計調査 家計収支編 単身世帯 年次 2021年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 2 男女,年齢階級別」
(※2)出典:総務省:「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 年次 2021年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 3-1 世帯人員別」
上記資料を元に筆者作成

季節の変化で1ヶ月に発生する電気代は変化するため、今月の電気代と比較して多いか・少ないかではなく、年間の平均と比較して使いすぎているかを検証しましょう。

単身者なら5,500円程度、2人なら9,000円程度と、世帯人数が増加するごとに1ヶ月の電気代も増加しています。3人~5人なら11,000円~12,000円程度、6人以上なら15,000円程度が1ヶ月の電気代平均です。

【季節別】毎月の電気代平均

二人以上で生活する世帯での電気代平均を月別にまとめると以下のとおりです(※)。

【月別・電気代の平均データ】

 電気代の使用月 1ヶ月の電気代
1月 11,875円
2月 12,854円
3月 13,197円
4月 10,696円
5月 9,644円
6月 8,488円
7月 8,091円
8月 9,774円
9月 10,393円
10月 9,835円
11月 9,103円
12月 9,854円

【月別・電気代の平均グラフ】

(※)出典:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 年報 2021年 1世帯あたりの1か月の収入と支出 1-1 時系列支出(2006年~2021年)(実数,対前年名目・実質増減率),2021年四半期平均(実数),2021年月別(実数)二人以上の世帯(世帯数分布~家具・家事用品)」を元に筆者作成

電気代は前月に使用した量に対して請求されるケースが一般的なため、使ってから代金を支払うまでに1ヶ月程度のずれが発生します。

よって、2月・3月は1月・2月に使った暖房、8月~10月は7月~9月に使った冷房の影響で、電気代が高い傾向にあります。

【都道府県別】1ヶ月の電気代平均

月ごとの電気代は、住んでいる地域でも差が出ます。都道府県別で1ヶ月の電気代平均をまとめた表は以下のとおりです(※)。

【都道府県別・電気代の平均】

  1ヶ月の電気代
北海道(札幌市) 11,48911円
青森県(青森市) 12,676円
岩手県(盛岡市) 11,956円
宮城県(仙台市) 10,694円
秋田県(秋田市) 11,559円
山形県(山形市) 13,094円
福島県(福島市) 12,690円
茨城県(水戸市) 9,957円
栃木県(宇都宮市) 9,063円
群馬県(前橋市) 8,858円
埼玉県(さいたま市) 10,278円
千葉県(千葉市) 9,046円
東京都(23区) 9,071円
神奈川県(横浜市) 8,777円
新潟県(新潟市) 11,624円
富山県(富山市) 14,565円
石川県(金沢市) 13,922円
福井県(福井市) 15,151円
山梨県(甲府市) 9,828円
長野県(長野市) 9,445円
岐阜県(岐阜市) 11,225円
静岡県(静岡市) 10,840円
愛知県(名古屋市) 9,052円
三重県(津市) 9,321円
滋賀県(大津市) 10,670円
京都府(京都市) 9,643円
大阪府(大阪市) 10,148円
兵庫県(神戸市) 8,040円
奈良県(奈良市) 9,470円
和歌山県(和歌山市) 10,616円
鳥取県(鳥取市) 11,362円
島根県(松江市) 13,357円
岡山県(岡山市) 11,100円
広島県(広島市) 10,774円
山口県(山口市) 11,966円
徳島県(徳島市) 13,203円
香川県(高松市) 11,381円
愛媛県(松山市) 11,164円
高知県(高知市) 9,775円
福岡県(福岡市) 9,373円
佐賀県(佐賀市) 10,931円
長崎県(長崎市) 9,458円
熊本県(熊本市) 10,720円
大分県(大分市) 9,766円
宮崎県(宮崎市) 9,658円
鹿児島県(鹿児島市) 10,048円
沖縄県(那覇市) 9,657円

(※)出典:総務省「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果 2021年 1世帯当たり1か月間の収入と支出 1-1 都市階級・地方・都道府県庁所在市別」を元に筆者作成

北海道や東北地方、日本海に面した豪雪地帯の地域では、冬季の暖房に使われる電気量が増え、1ヶ月の電気代平均は高い傾向です。

電気代を節約して平均よりも抑える方法

電気代を平均よりも抑えるには、電気の使用量を減らす工夫が必要です。特に電気を多く使う家電の見直しは、電気代の節約で大きな効果を期待できます。

電化製品の使い方を見直す

電気代の節約でまず考えたいのは、家電の使い方です。不適切な使い方をしていると、通常よりも電気を多く消費します。

エアコンは、無理のない範囲で設定温度を調節しましょう。また、エアコンのフィルターが目詰まりしていると、効率よく稼働しません。こまめにフィルターを清掃する習慣をつけましょう。

部屋にいないときは照明を消し、明るさも生活に支障が出ない範囲で下げます。窓からの採光で十分な明るさがある場合、明るい時間帯は照明を点けずに過ごせば、電気代を節約できます。

冷蔵庫はむやみに開け閉めせず、冷やしすぎ・詰め込みすぎに気をつけて、熱いものは冷ましてから入れましょう。

使わない家電のコンセントを抜くと、待機電力の消費を抑えられます。エアコンを使う機会が少ない春秋はコンセントを外す、常時使わない家電は節電タップでまとめて管理するなどの工夫をしましょう。

炊飯器や電気ポットなどの保温機能は便利ですが、長時間使えば、その分電気代がかかります。保温機能の使用は、必要最小限にとどめましょう。

電気を使用する時間帯で電気代が変動する場合は、タイマー機能を活用し、電気代が安くなる時間に家電を使うのも節約につながります。

古い電化製品は買い替えて電気代を平均より抑える

近年の家電はエネルギー効率が向上しているため、古いものから買い替えれば電気使用量が減って電気代を節約できます。

例えば、冷蔵庫は10年前と比べると約40~47%、エアコンは10年前と比べると約17%、テレビは9年前と比べると約42%、一般電球よりLEDランプは約86%の省エネ効果があります(※)。

まとまった金額が必要になるため、すぐに買い替えられない場合もありますが、ボーナス時や転居時などに家電の入れ替えができないか考えてみましょう。

(※)出典:資源エネルギー庁ウェブサイト「家庭向け省エネ関連情報」

電気代を消費する電化製品とは?

家庭で使われる電化製品の電気使用量割合をまとめた表は以下のとおりです(※1,2)。

【家庭の電気使用量割合】

  夏季 冬季
冷暖房 38.3%(エアコン) 32.7%(暖房)
内訳:エアコン17.0%・電気ストーブ3.8%・電気カーペット1.8%、こたつ2.1%、その他8.0%
冷蔵庫 12.0% 14.9%
照明 14.9% 9.2%
給湯 3.1% 12.6%
炊事 7.8% 7.8%
洗濯機・乾燥機 1.8% 2.2%
温水便座 0.3% 0.6%
テレビ・DVD 8.2% 4.2%
パソコン・ルーター 0.7% 0.9%
待機電力 4.0% 5.5%
その他 8.8% 9.4%

(※1)出典:経済産業省「夏季の省エネ・節電メニュー 東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州」
(※2)出典:経済産業省「冬季の省エネ・節電メニュー 本州・四国・九州」
上記資料を元に筆者作成

夏季・冬季ともに冷暖房が3割以上を占め、電気代のかかる存在です。しかし、冷暖房の過度な節約は健康面を考えるとおすすめできません。冷暖房は適切な範囲で節約し、使い方の見直しや買い替えを検討しましょう。

また、アイロン、電気ポット、電子レンジ、ホットプレート、ドライヤー、トースター、IHクッキングヒーター、食器洗い機、浴室乾燥機、洗濯乾燥機、掃除機は消費電力が大きい家電です。

毎日・常時使うとは限らず、すべての家庭が所有している家電ではありませんが、頻繁に使うと電気代がかさみます。消費電力が大きい家電は、注意して使いましょう。

電気代について詳しくはこちら

窓を遮熱・断熱する

夏は窓から熱が加わり、冬は窓から熱が逃げるため、家の窓を遮熱・断熱できれば、冷暖房にかかる電気代を抑えられます(※1)(※2)。

断熱効果の高い窓ガラスへの入れ替えや、二重サッシへのリフォームは住宅の性能を高めるとともに節電にもなります(※3)。

ただし、持ち家でない場合はリフォームができないケースも多いため、遮熱カーテンの取りつけや丈の長いカーテンの使用、窓用の断熱シートを貼るなどで工夫しましょう。

(※1)出典:経済産業省「夏季の省エネ・節電メニュー 東北・東京・中部・北陸・関西・中国・四国・九州」
(※2)出典:経済産業省「冬季の省エネ・節電メニュー 本州・四国・九州」
(※3)出典:消費者庁「寒い家で我慢」は健康上のリスク!―窓から始める断熱リフォーム」

契約プランを見直す

電力自由化により多様な電力供給会社や料金プランが登場しています(※)。

契約内容を見直し、ライフスタイルにあったプランやほかサービスとのセット割プランへの変更で、電気代を抑えられないか検討しましょう。

(※)出典:資源エネルギー庁ウェブサイト「使用量や時間によって変動する料金制度」

省エネ住宅に住む

断熱、日射遮蔽、気密に優れた省エネルギー住宅で生活すれば、冷暖房を効率よく使え、電気代も抑えられます。

転居や住宅の取得の際は、省エネ住宅に住めるかも判断材料に加えましょう。

一人暮らしならできる範囲でコツコツ節約する

一人暮らしで賃貸物件に住んでいると、自由に家をリフォームできないこともあります。家具・家電も備えつけられていて、買い替えられない場合もあります。

一人暮らしなら、まずは家電の使い方を見直し、できる範囲で節約に取り組みましょう。

二人以上の家族で住むならなるべく同じ部屋で過ごす

家庭の電気代で大部分を占めるのは、冷暖房や照明です。

二人以上で生活しているなら、家電の使い方や電気料金プランを見直すとともに、なるべく同じ部屋で過ごしましょう。冷暖房・照明を点ける部屋を少なくでき、節電効果があります。

四人以上の家族なら家電の入れ替えやリフォームを検討する

四人以上の家族で暮らしているなら、家電の使い方はもちろん、思い切った家電の入れ替えや自宅のリフォームなどの思い切った決断も電気代を節約する選択肢です。

ライフプランを考える際は、電気代を節約できる家に住めるかも考えましょう。

電気代の見直しはお金のプロに相談しよう!

電気代の節約を考え、契約プランの変更や自宅のリフォーム・住み替えを考えるときは、ライフプランニングが重要です。しかし、家計の状態が最適化できているか、電気代や住居費は適切な金額かなど、判断に迷うこともあります。

auフィナンシャルパートナーでは、ファイナンシャルプランナーが一人ひとりのライフプランにあわせた、マネープラン相談を実施しています。電気代の見直しを含め、お金のことで迷ったら、ぜひauフィナンシャルパートナーへご相談ください。

また、auでんきは面倒な手続き不要で、電力供給会社の変更が可能。毎月の電気料金に応じて、Pontaポイントが貯まります。アプリから毎日の電気代をチェックでき、使用状況が見える化されるほか、各種auサービスの請求もまとめられて家計管理もしやすくなります。

まとめ

電気代の平均は、住んでいる人数や季節・地域で変化します。自分の電気代が平均よりも多いか少ないかは、条件をあわせた平均値から考えましょう。

電気代を節約するには家電の使い方を見直すとともに、省エネ性能の高い家電への買い替えや窓の断熱・遮熱、電気会社の契約プラン変更、省エネ住宅への住み替えなどもあります。

収入や家族構成、希望するライフスタイル次第で取り組める節約方法も変化するため、電気代を平均より下げたいと考えるなら、無理なくできる節約方法から挑戦しましょう。

執筆者名:
田貫 朔子
Twitter Facebook はてなブックマーク
Twitter Facebook はてなブックマーク

カテゴリ別人気ランキング

  • 家計見直し・教育資金
  • 住宅ローン
  • 保険見直し
  • 資産形成・老後資金

家計見直し・教育資金

住宅ローン

保険見直し

資産形成・老後資金

プロへの無料相談