収入保障保険はやめたほうがいい?メリットやデメリット、必要性を解説

- 収入保障保険はやめたほうがいい?3つのデメリット
- 解約返戻金・満期保険金がない
- 受給開始時期によって保険金に差が生じる
- 受取方法・受取人によって税務処理が異なる
- そもそも収入保障保険とは?
- 保険金の受け取り方
- 収入保障特約との違い
- 収入保障保険以外の死亡保険との違い
- 収入保障保険は必要?3つのメリット
- 保険料を抑えやすい
- 保険金を定期的に受け取れる
- 保険期間満了直前に適用される場合は一定額が保障される
- 収入保障保険への加入を検討したい人の特徴
- 子どもの教育費がかさむ人
- 個人事業主・フリーランスの人
- シングルファーザー・シングルマザーの人
- 保険料を抑えて死亡保障を準備したい人
- 収入保障保険の選び方
- 保険期間は適切か
- 保険料は高すぎないか
- 最低保証期間は適切か
- 保険料払込免除特約があるか
- 割引が適用できるか
- 収入保障保険などの死亡保険で万が一に備えよう
収入保障保険はやめたほうがいい?3つのデメリット
「収入保障保険」で検索すると、「やめたほうがいい」や「必要か?」といったネガティブな関連キーワードが表示されることがあります。収入保障保険は特定のケースで保障を受けられる保険ですが、いくつかデメリットがあり、人によっては「必要性が低い」「使いにくい」といった評価につながることがあるようです。
収入保障保険の主なデメリットとしては、次の3つが挙げられます。
- 解約返戻金・満期保険金がない
- 受給開始時期によって保険金に差が生じる
- 受取方法・受取人によって税務処理が異なる
それぞれのデメリットについて見ていきましょう。
解約返戻金・満期保険金がない
収入保障保険は掛け捨て型の保険のため、原則として解約返戻金がありません。そのため、保険期間の途中で解約しても1円も戻ってこないケースが一般的です。
また、保険金を支払っている期間のみ、保障が適用される点にも注意が必要です。満期保険金も原則ありません。そのため、多くの収入保障保険ではいつまで保険料を支払い続けても、各保険で規定されている「保険金受取事由」が生じない限りはお金を受け取れません。
受給開始時期によって保険金に差が生じる
収入保障保険は加入時に「満期」を設定します。この満期とは保険期間が終了する時期のことです。一般的には保険期間中に保険金の受給要件を満たし、受給申請が受理されると、その時点から保険期間満了まで保険金を年金として受給できるようになります。最低保証期間がある商品では、保険期間満了後も保証期間分の支払いが続く場合があります。
例えば、10年満期で月10万円の保険金を受給する収入保障保険に加入したとしましょう。加入した翌月に待機期間などの商品ごとの条件を満たしたうえで高度障害状態になり、保険金を受給できるようになったとします。満期までには9年11ヶ月の期間があるため、わずか1ヶ月分の保険料の支払いに対し、保険金は合計1,190万円受給できます。
| 収入保障保険の契約内容:10年満期。要件を満たした場合は月10万円の保険金を受給 加入した翌月に受給要件を満たした場合
|
一方、加入した8年後に高度障害状態になったケースについて考えてみましょう。満期までには2年(=24ヶ月)の期間があるため、8年分の保険料の支払いに対して、保険金は合計24ヶ月×10万円=240万円を受給することになります。
| 収入保障保険の契約内容:10年満期。要件を満たした場合は月10万円の保険金を受給 加入した8年後に受給要件を満たした場合
|
このように収入保障保険は受給開始時期によって保険金に大きな差が生じるだけでなく、支払う総保険料にも差が生じやすい保険です。
なお、収入保障保険には「最低保証期間」が定められていることがあります。最低保証期間とは、保険期間内に受給要件が満たされたときに受給できる年金の最低期間のことです。例えば、最低保証期間が2年と定められている収入保障保険では、保険期間終了の前日に受給要件を満たした場合でも、2年間分の保険金を受給できます。最低保証期間の有無や年数は商品によって異なります。
| 収入保障保険の契約内容:10年満期。要件を満たした場合は月10万円の保険金を受給 最低保証期間:2年 保険期間が終了する最後の月に受給要件を満たした場合
|
ただし、保険期間内に受給要件を満たさない場合は、たとえ最低保証期間が定められていても保険金は1円も受給できません。
受取方法・受取人によって税務処理が異なる
収入保障保険は被保険者が死亡した際、あるいは高度障害状態になった際に保険金を受け取れる保険です。死亡保険金として支給される場合は、契約時に「保険金受取人」として指定した人が受け取りますが、高度障害保険金として支給される場合は、被保険者本人が受け取ることが一般的です。
また、収入保障保険の保険金は、年金として一定期間ごとに受給するケースもありますが、一時金としてまとめて受給するケースもあります。誰が保険金を受給するか、どのように(年金・一時金)受給するかによって、発生する税金の種類が異なるため、税務処理が複雑になる点にも注意が必要です。
例えば、保険料負担者と受取人が同一の場合には、一時金で受け取ると一時所得、年金で受け取ると雑所得として所得税の課税対象となる一方、被保険者の死亡により遺族が受け取る死亡保険金は相続税の対象となるのが一般的です。
そもそも収入保障保険とは?
収入保障保険とは、保険期間内に死亡あるいは高度障害状態になったときに保険金を受け取れる保険です。
保険金の金額は保険期間満了が近づくほど総額が低くなりますが、「最低保証期間」が設定されている場合は、保険期間内に受給要件を満たせば少なくとも最低保証期間分の保険金は受給できます。また、多くの商品が解約返戻金と満期保険金のない「掛け捨て型」である点も特徴です。
保険金の受け取り方
収入保障保険の保険金の受け取り方には、まとめて受け取る「一時金」と定期的に受け取る「年金」の2種類があります。一時金として受け取ると年金として受け取る総額よりも少なくなることが一般的です。
また、最低保証期間(2年もしくは5年が一般的)が設定されている場合は、満期直前で保険金受取事由が発生しても最低保証期間分の保険金は受け取れます。ただし、保険期間中に保険金受取事由が発生しない場合は、最低保証期間の有無にかかわらず保険金は受け取れません。
収入保障特約との違い
収入保障保険以外の保険において、「収入保障特約」を付加できることがあります。収入保障特約の仕組みは収入保障保険と基本的な考え方は似ており、死亡や高度障害状態などの保険金受給要件を満たすと保険料の支払いが終わり、保険金を受給できるようになることが一般的です。
しかし、主契約との組み合わせや商品設計によって、設定できる年金額や保険期間、適用条件などが異なる場合があります。どの程度の保障が必要かによって、収入保障保険と収入保障特約を使い分けるようにしてください。
収入保障保険以外の死亡保険との違い
収入保障保険は、保険期間中に死亡時や高度障害状態になった場合に保険金を受け取れる「死亡保険」の一種です。主な死亡保険の特徴は以下をご覧ください。
| 収入保障保険 | 定期保険 | 終身保険 | |
| 保険期間 | 満期まで | 満期まで | 終身 |
| 保険料払込期間 | 満期まで | 満期まで | 終身もしくは一定期間 |
| 保険金の受け取り方 | 年金か一時金 | 年金か一時金 | 通常は一時金だが、年金として活用できるものもある |
| 満期保険金 | 原則なし | なし | なし |
| 解約返戻金 | 原則なし(ほとんどの商品で解約返戻金の設定なし) | ないことが一般的だが、返戻金のある保険もある | あり |
※保険商品によって特徴は異なるため、上記に当てはまらない場合もあります。
定期保険には、保険期間内はいつでも一定金額の保険金を受け取れる「定額型」、保険期間の経過にともなって保険金額が増えていく「逓増型」、保険期間の経過にともなって保険金額が減っていく「逓減型」があります。保障を手厚くしたい時期に合わせて、適切なタイプを選びましょう。
一方、終身保険には、一定期間の解約返戻金を通常より抑えることで保険料を割安にした「低解約返戻金型」や、契約開始後の一定期間は保険金が低く抑えられ、その後に増えて一定額になる「逓増型」などの種類もあります。解約する可能性があるのか、また、いつの保障を手厚くしたいのかによって、適切な保険商品を選ぶようにしてください。
収入保障保険・定期保険・終身保険のいずれも、メリットだけでなくデメリットがあります。また、どの死亡保険が適切かは、各自のライフプランや家族構成、世帯内の稼ぎ手の人数などによっても異なります。
どの保険が自分に必要か判断しかねるときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。ファイナンシャルプランナーは保険や相続など、人生に関わるさまざまなお金の問題に対して客観的に対応する専門家です。「auマネープラン相談」では、保険の選び方や将来必要なお金の準備方法などの気になる疑問をファイナンシャルプランナーに無料相談できます。ぜひお気軽にご利用ください。
収入保障保険は必要?3つのメリット
収入保障保険にはデメリットもありますが、もちろんメリットもあります。主なメリットとしては次の3点が挙げられます。
- 保険料を抑えやすい
- 保険金を定期的に受け取れる
- 保険期間満了直前に適用される場合は一定額が保障される
収入保障保険に加入するか決める前に、メリットを確認しておくことが大切です。それぞれのメリットについて見ていきましょう。
保険料を抑えやすい
収入保障保険は掛け捨て型のため、満期保険金や解約返戻金のあるタイプの死亡保険と比べると一般に保険料が低く設定されている商品が多いといわれています。保険料の負担を抑えつつ、一定以上の保険金を受け取りたいと考えている方は、収入保障保険を選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。
反対に、死亡保険に貯蓄性を求める方は、収入保障保険ではなく終身保険が適しています。終身保険は原則として解約返戻金があるため、まとまった資金が必要になった場合には保険契約を解約し、返戻金を受け取ることが可能です(※)。
※契約直後に解約すると返戻金を受け取れない可能性があります。
保険金を定期的に受け取れる
収入保障保険では、保険受給要件を満たした場合、保険金を「一時金」としてまとめて受け取ることも可能ですが、基本的には「年金」として定期的に受け取ります。生活費として利用しやすいだけでなく、「子どもが社会人になるまで」「公的年金を受給できるまで」のように計画的に利用しやすいのも収入保障保険の特徴です。
保険期間満了直前に適用される場合は一定額が保障される
最低保証期間のある収入保障保険なら、保険期間の満了まであと数ヶ月というタイミングで保険金受給が始まっても、保証期間分の保険金(年金形式)を受け取ることが可能です。つまり、保険期間内に受給要件を満たせば、最低保証期間が2年なら2年分、最低保証期間が5年なら5年分の保険金を受け取れることになります。
ただし、「収入保障保険」という名称の保険でも、保険商品によって保障内容が異なる点に注意が必要です。最低保証期間が設定されていない商品もあります。本当に必要な保障を受けるためには、保険の保障内容を正確に理解しておくことが欠かせません。
保険選びに不安を感じている方は、ぜひ「auマネープラン相談」をご利用ください。ファイナンシャルプランナーに無料で保険について相談することが可能です。また、保険以外のお金の問題も相談していただけます。お気軽にお問い合わせください。
収入保障保険への加入を検討したい人の特徴
収入保障保険は、次のいずれかの特徴を持つ人に特におすすめの保険といえます。
- 子どもの教育費がかさむ人
- 個人事業主・フリーランスの人
- シングルファーザー・シングルマザーの人
- 保険料を抑えて死亡保障を準備したい人
それぞれの人になぜ収入保障保険が必要なのか、詳しく見ていきましょう。
子どもの教育費がかさむ人
収入保障保険は契約時に保険期間(満期)を設定できます。そのため、特定の期間だけ死亡保障を強化したい場合に適した保険といえるでしょう。
例えば、お子さまの教育費がかかる間のみ保障を手厚くしておきたい方は、収入保障保険を検討できます。私立校や医歯薬系に通う可能性がある場合や留学の予定がある場合は、教育費がかさみがちです。教育費が発生する期間を保険期間に設定すれば、保険料の負担を抑えつつ万が一に備えられます。
個人事業主・フリーランスの人
厚生年金に加入している方は、万が一、死亡した場合でも遺族は「遺族厚生年金」を受給できる可能性があります。また、高度障害状態になった場合も、「障害厚生年金」の受給対象となる可能性があるでしょう。
しかし、厚生年金に加入していない個人事業主やフリーランスの方は、遺族厚生年金や障害厚生年金の対象にはなりません。国民年金に加入していれば遺族基礎年金や障害基礎年金の対象となる場合はありますが、会社員のように厚生年金部分が上乗せされるわけではありません。
そのため、個人事業主・フリーランスが世帯の主な稼ぎ手の場合、死亡や高度障害状態といった状況になると家族全体の生活に支障が生じる可能性があります。万が一に備えるためにも、収入保障保険を検討できるでしょう。
シングルファーザー・シングルマザーの人
シングルファーザーやシングルマザーとして、一人でお子さまの暮らしを支えている場合は、死亡時や高度障害状態になった際には収入がほぼ途絶え、お子さまの生活が立ち行かなくなることがあります。
万が一に備えるためにも、お子さまが独立するまでの間は収入保障保険などを活用して収入を確保しておくことが必要です。また、保険金をお子さまの生活費や教育費として活用するために、適切な人物を「保険金受取人」に設定することも大切なポイントです。
保険料を抑えて死亡保障を準備したい人
万が一に備えて死亡保障を準備したい一方で、保険料はなるべく抑えたいという方には、掛け捨て型の収入保障保険が適しています。解約返戻金や満期保険金がないため、月々の保険料が低めに設定される商品が多く、必要な期間に重点的に保障を確保しやすい点が特徴です。
死亡保障のある保険を比較検討したい方は、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。ファイナンシャルプランナーは保険商品の特徴を客観的に解説する専門家です。「auマネープラン相談」では、ファイナンシャルプランナーへの無料相談を提供しています。お気軽にお問い合わせください。
収入保障保険の選び方
収入保障保険に加入するときは、保障内容や保険期間などの条件を細かく設定することが必要です。次のポイントに注目して、必要な保障を得られる収入保障保険に加入しましょう。
- 保険期間は適切か
- 保険料は高すぎないか
- 最低保証期間は適切か
- 保険料払込免除特約があるか
- 割引が適用できるか
それぞれのポイントについて解説します。
保険期間は適切か
収入保障保険による保障が必要な期間を「保険期間」として設定しましょう。保険期間を長く設定すると安心も長く続きますが、その分、保険料が高額になる点に注意が必要です。本当に保険金が必要な期間に設定することで、必要な保障を低い保険料で備えられるようにしましょう。
保険料は高すぎないか
収入保障保険は、将来の不安を軽減するための一つの選択肢です。しかし、収入保障保険により将来の不安が軽減されても、保険料が日々の暮らしを圧迫するようでは困ります。保険料は無理なく支払える金額に設定するようにしましょう。
とはいえ、無理なく支払えることを優先し、保険料を低く抑えすぎると、死亡時・高度障害時に必要な保障額を確保できない可能性があります。適切な保険金の金額や保証期間に設定するためにも、保険料と保障内容のバランスをとることが必要です。
最低保証期間は適切か
最低保証期間を設定できる場合は、期間が適切なのかもチェックしておきましょう。最低保証期間が長いと保険適用時に受け取れる保険金額は高額になりますが、その分、保険料が高くなります。
反対に、最低保証期間が短すぎる場合や最低保証期間の設定がない場合は、保険適用時に受け取れる保険金額が低くなってしまいます。保険料を決める場合と同じく、保障内容とのバランスを考慮して適切な期間に設定するようにしてください。
保険料払込免除特約があるか
死亡や高度障害状態といった保険金受取要件を満たすと、保険料の払込が終了します。しかし、「保険料払込免除特約」を付加している場合は、保険金受取要件を満たさなくても商品ごとに定められた一定条件を満たすことで保険料の払込が免除され、なおかつ満期まで保障は継続します。
保険商品によっても異なりますが、次のような条件を満たした場合に「保険料払込免除特約」が適用されることが一般的です。
- がん・心疾患・脳疾患の「3大疾病」の診断を受けた
- 急性心筋梗塞などの所定の状態になった
治療が長引く疾患に罹患すると、治療費がかさむだけでなく収入が減る可能性もあります。万が一のときも収入保障保険の保障を継続するためにも、「保険料払込免除特約」の付加を検討してみましょう。
また、特約が適用される条件も正確に把握しておくことが必要です。特定疾病の診断を受けるだけで適用される保険商品もあれば、特定の状態になり、なおかつ特定の治療を受けることが条件となる保険商品もあります。
割引が適用できるか
収入保障保険によっては、次のような割引制度が利用できる商品もあります。
- 健康体割引
- 非喫煙割引
健康体割引とは、各保険会社で定める「健康体」の条件を満たしている場合に保険料が割り引かれる制度で、基準は保険会社ごとに異なります。体重が身長に見合った適正な数値であることや、直近の健康診断において血圧や血液の異常を指摘されていないこと、喫煙習慣がないことなどの条件を満たしていると、割引が適用されて割安な保険料で加入できます。
また、非喫煙割引とは、喫煙習慣がない方に適用される割引制度です。保険商品によって異なりますが、直近の検査で喫煙反応がないことを証明することが求められる場合もあります。
割り引かれる金額が少額でも、保険期間が長くなるとかなりの金額を節約することが可能です。割引制度がある収入保障保険に加入する場合は、ご自身が割引条件を満たしているかをチェックしておきましょう。
保険についての疑問は、「auマネープラン相談」にご相談ください。収入や家族構成、お子さまの年齢といったご家庭ごとの事情を踏まえ、ファイナンシャルプランナーが適切な保険の種類や保険料を見定めるポイントをご紹介いたします。
収入保障保険などの死亡保険で万が一に備えよう
収入保障保険や定期保険といった死亡保険は、死亡や高度障害状態といった万が一の状況に備える保険です。特に被保険者が家族の生活を収入面において支えている場合は、死亡時や高度障害時に保険金を受け取れるようにしておくことは大切な要素になります。
死亡保障についてさらに詳しく知りたい方や、どの死亡保険がよいか決めかねる方は、ぜひファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。「auマネープラン相談」では、保険などのお金全般を専門とするファイナンシャルプランナーに無料で相談することが可能です。お気軽にご利用ください。
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