保険見直し 2025.12.23

8大疾病に備える保険とは?選び方や必要性の高い人の特徴を解説

8大疾病とは「がん」「心疾患」「脳血管疾患」の3大疾病に、「高血圧性疾患」「糖尿病」「腎疾患」「肝疾患」「膵疾患」を加えたものです。いずれも日本人の主な死因や、死亡につながることも多い生活習慣病として位置づけられており、罹患したときに備えておくと安心です。

本記事では、8大疾病に備える保険について解説します。選び方や必要性が高い人の特徴も紹介するので、ぜひご覧ください。

8大疾病とは?

8大疾病とは、日本人の主な死因や死亡につながることも多い病気である「がん」「心疾患」「脳血管疾患」に、慢性化しやすい「糖尿病」「高血圧性疾患」「腎疾患」「肝疾患」「膵疾患」を加えた8つの疾病のことです。いずれも治療が長期になる傾向にあり、場合によっては介護の必要性も生じます。

なお、8大疾病の定義は保険会社によって異なることもあるため注意が必要です。8大疾病に対する保障が設定されている保険商品を選ぶときは、どの疾病が対象となるのか詳しく確認しておきましょう。

3大疾病・7大疾病との違い

死因上位としても挙げられる「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」は、3大疾病と呼ばれます。そのほかにも、次のように5大疾病や7大疾病と特定の疾病をまとめて呼ぶことがあります。

3大疾病 がん、急性心筋梗塞、脳卒中
5大疾病 がん、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病
7大疾病 がん、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病、肝疾患、腎疾患
8大疾病 がん、心疾患、脳血管疾患、高血圧性疾患、糖尿病、肝疾患、腎疾患、膵疾患

生活習慣病特約は、5大疾病を中心に対象とする商品が多く見られます。また、7大疾病を「七大生活習慣病」と呼び、生活習慣病特約の対象疾患としている保険会社もあります。

ただし、8大疾病と同じく、〇大疾病の定義は保険会社によって異なる点に注意が必要です。必要な保障を受けるためにも、加入前に保障対象となる疾病を確認しておきましょう。

病気による治療や入院に備えるために医療保険を検討している方は、ご自身に合う保険商品を選ぶことが大切です。例えば、生活習慣病に備える場合も、保険会社によって保障内容が異なるだけでなく、対象となる疾患が異なることもあります。

どの保険がご自身に合うか決めかねるときは、ファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの方法です。「auマネープラン相談」では、保険に関して中立的な立場からアドバイスを実施するファイナンシャルプランナーに無料で相談することが可能です。お気軽にご利用ください。

8大疾病に備える必要性

「8大疾病」は、単に疾病を8つまとめただけの総称ではありません。罹患者が多く、なおかつ一度罹患すると治療が長期化し、結果として医療費の負担が大きくなる傾向があります。罹患者数や医療費、入院日数などから、8大疾病に備える必要性について見ていきましょう。

8大疾病の罹患者

8大疾病の罹患者数のうち、肝硬変と慢性膵炎を除く疾病の罹患者数は以下をご覧ください。6つの疾病で通院治療をしている人は100人に1人以上と多く、ほかにも肝硬変や慢性膵炎に罹患している人、自宅療養中や病院に行っていない人も想定されるため、罹患者数はさらに多いと考えられます。

傷病分類 推定入院患者数 推定外来患者数
脳血管疾患 109,400人 74,800人
がん 106,100人 186,400人
心疾患(高血圧性を除く) 57,200人 139,000人
慢性腎臓病 22,000人 128,800人
糖尿病 12,700人 205,400人
高血圧性疾患 4,200人 606,400人
合計 311,600人 1,340,800人

※2023年10月時点。ここでは統計上の分類として、腎疾患の代表として「慢性腎臓病」を用いています。肝疾患と膵疾患については、データがありません。

参考:厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況 1 推計患者数 (傷病分類別)」

年齢階級別受療率

8大疾病だけでなく多くの病気は年齢が高くなるにつれ患者数が増え、受療率が上昇する傾向があります。年齢階級別の受療率は以下をご覧ください。

入院・外来ともに、高齢になると受療者が増えています。65歳以上になると約40人に1人が入院、10人に1人以上が外来を受診し、医療費がかさむようになります。

年齢階級 入院患者数(人口10万人対) 外来患者数(人口10万人対)
20~24歳 137人 2,367人
25~29歳 182人 2,837人
30~34歳 239人 3,201人
35~39歳 242人 3,353人
40~44歳 258人 3,501人
45~49歳 318人 3,912人
50~54歳 441人 4,395人
55~59歳 613人 5,171人
60~64歳 838人 6,320人
65歳以上 2,449人 10,208人
70歳以上 2,787人 10,742人
75歳以上 3,351人 11,333人

※2023年10月時点

参考:厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況 2 受療率(性・年齢階級別)」

入院時の医療費

入院時には手術や特別な管理治療も行われることが多く、さらに費用が高額になります。1入院あたりの医療費は以下をご覧ください。心疾患や脳血管疾患などの循環器系疾患は、治療や管理が複雑になりやすく、ほかの疾患と比べて高額な費用がかかる傾向にあることがわかります。

傷病分類 推計1入院あたり医療費
循環器系疾患 1,448,832円
がん(新生物) 977,843円
呼吸器系疾患 572,360円
腎尿路生殖器系疾患 473,978円

また、上記は入院時の医療費ですが、通院についても備えておくことが必要です。医療の進歩により、がんを含め通院での治療が増えているため、医療費や通院費がかさむだけでなく、働けない日が増えることで収入減も予想されます。

参考:健康保険組合連合会「令和5年度 健保組合医療費の動向に関する調査 (参考)入院医療費3要素分解」

8大疾病の平均入院日数

肝硬変と慢性膵炎を除く8大疾病による平均入院日数は、以下をご覧ください。脳血管疾患と慢性腎臓病、高血圧性疾患は入院日数が比較的長めです。

傷病分類 平均入院日数
脳血管疾患 68.9日
がん 14.4日
心疾患(高血圧性を除く) 18.3日
慢性腎臓病 57.3日
糖尿病 31.8日
高血圧性疾患 41.6日

※2023年9月退院患者を対象とする

退院すればすぐに元どおりの生活に復帰できるとは限りません。治療やリハビリテーションを受けるために通院・通所する可能性もあり、医療費がかさむことが想定されます。

また、働けない状態が長引き、収入がさらに減る可能性もあります。保険や貯蓄などで備えることも視野に入れておきましょう。

参考:厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況 3 退院患者の平均在院日数等(傷病分類別)」

8大疾病の死亡率

治療が長期化しやすい点は8大疾病に共通した特徴ですが、必ずしも治療すれば完治できるとは限りません。病気の発見が遅くなる、ほかの病気を併発する、体力的な問題があるなどにより、死に至るケースもあります。

厚生労働省の「人口動態統計(令和6年)」によれば、「がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・慢性腎臓病・高血圧性疾患・肝疾患など、8大疾病に含まれる主な病気やそれに相当する死因」で亡くなる方は、死亡総数の約5割を占めています。決して少なくない方が、これら8大疾病に含まれる病気によって命を落としていることがわかるでしょう。

傷病分類 死亡数 死亡総数に占める割合
脳血管疾患 102,821人 6.4%
がん 384,111人 23.9%
心疾患(高血圧性を除く) 226,388人 14.1%
慢性腎臓病 22,097人 1.4%
糖尿病 14,959人 0.9%
高血圧性疾患 11,799人 0.7%
肝硬変 8,515人 0.5%
慢性膵炎 データなし
合計(慢性膵炎除く) 770,690人 48.0%

※2024年通年。死亡総数に占める割合は小数点第二位以下を四捨五入しているため、傷病ごとの割合を合算した数値と合計が一致しないことがあります。

世帯の主な稼ぎ手を失う場合には、家族の生活が脅かされるかもしれません。医療保険などの生命保険を活用して万が一に備えることも検討してみましょう。

「auマネープラン相談」では、ご自身やご家族に合った保険の選び方についてもファイナンシャルプランナーにご相談いただけます。「何から備えてよいかわからない」「どの程度の保険料なら毎月無理なく支払えるだろうか」といった疑問がある場合も、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか。「auマネープラン相談」では保険相談の経験豊富なファイナンシャルプランナーが、気になる疑問に無料でお答えいたします。

参考:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況  死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)」

8大疾病に備える保険とは?

8大疾病は罹患率が高いだけでなく、治療期間が長引き、収入減を招くことがあります。また、約半数の方が8大疾病に含まれる主な病気やそれに相当する死因を原因として命を落としていることからも、決して他人事の疾病とはいえません。

8大疾病に備えるために検討したい保険を紹介します。ぜひご自身やご家族の状況と照らし合わせて、各保険の必要性についてチェックしてみてください。

医療保険

医療保険とは、病気やケガによる治療に備える保険です。一般的には、入院給付金や手術給付金などが主契約として備わっており、これに特約を組み合わせて保障を厚くしていきます。医療保険で8大疾病に備えるときは、以下の保障や特約に注目してください。

  • 特定疾病に関する一時金
  • 通院給付金
  • 先進医療特約
  • 払込免除特約

「特定疾病に関する一時金」とは、商品ごとに定められた特定の病気(3大疾病や8大疾病、生活習慣病など)が原因で、所定の診断を受けたり一定の治療を受けたりしたときに支払われる一時金です。まとまった金額を受け取れるため、入院の準備や当面の生活費などに活用できます。

また、近年は入院よりも通院中心の治療が増えていることから、「通院給付金」があるかどうかも重要なポイントです。「入院給付金」や「手術給付金」はほとんどの医療保険で基本保障内容に含まれていますが、通院給付金については設定されていない保険が少なくありません。

「先進医療特約」も確認しておきたいポイントです。先進医療とは、厚生労働大臣が承認した高度な医療技術で、健康保険が適用されない「技術料」部分は原則として全額自己負担です。先進医療は費用が高額になる傾向にあるため、医療保険で備えておくことも検討してみましょう。かかった実費を受け取れるタイプと、医療の種類ごとに定められた一定額を受け取れるタイプがあります。

「払込免除特約」とは、特定の疾病や状態に該当した場合、それ以後は保険料の払込が免除される特約です。保険料を支払わなくても保障は続くため、医療費の負担を軽減できます。

がん保険

がん保険とは、がんで入院や所定の手術を受けたとき、また、診断されたときなどに給付金を受け取れる保険です。次の保障や特約に注目して選びましょう。

  • 診断一時金
  • 通院給付金
  • 抗がん剤治療特約・放射線治療特約
  • 払込免除特約

「診断一時金」とは、がんと診断されたときに受け取れる一時金です。ほとんどのがん保険では基本保障に含まれますが、金額や支払回数、再発時の取り扱いなどは商品によって大きく異なります。がんが再発・転移する可能性もあるため、受け取れる回数や条件をチェックしておきましょう。

近年、がんの手術や入院を短期化し、外来の通院治療が中心になるケースも増えています。入院時や手術時しか給付金を受け取れないと、医療費が負担になるかもしれません。「通院給付金」や「治療給付金」を受け取れるかどうかも確認しておくと安心です。ただし、給付ルールは保険商品によって異なるため、加入前に受け取り条件が自身の治療状況に合っているか確認しておきましょう。

「抗がん剤治療特約」と「放射線治療特約」も、多くのがん保険で選択できます。しかし、治療のたびに給付金が発生するタイプや、治療を受けた月ごとに給付金が発生するタイプなどがあるため、どのようなルールで給付を受け取れるのか事前に確認しておくことが必要です。

「払込免除特約」の有無も確認しておきましょう。払込免除特約を付加すると、がんと診断された場合や、所定の重い状態になった場合に以後の保険料が免除され、保障は継続的に受けられます。がんに罹患すると治療が長引く可能性があるため、収入が減り、保険料の支払いが難しくなるかもしれません。万が一のときに保険料の負担を減らすためにも、払込免除特約も視野に入れておきましょう。

なお、がん保険で保障される内容は、いずれも医療保険の特約としても付加できることがあります。すでに医療保険に加入している方は、特約として付加できないか確認してみましょう。

8大疾病保険

8大疾病保険とは、8大疾病について、所定の診断や治療を受けたときに一時金を受け取れる保険です。8大疾病ではなく3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)を対象とする保険もあるため、それぞれの違いを確認したうえで選ぶことが大切です。

なお、8大疾病や3大疾病の定義は保険会社によって異なります。また、一時金を受け取れる条件(例:診断されたときに受け取れる、特定の治療を受けたときに受け取れるなど)も異なるため、加入前に確認しておきましょう。

住宅ローンの団体信用生命保険

住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険(団信)の加入が条件となることがあります。団体信用生命保険とは、住宅ローン利用者が死亡または所定の高度障害状態になったとき、生命保険会社から銀行に住宅ローン残高相当の保険金が支払われる保険のことです。

万が一のときには、遺族・家族がローンを返済する必要がなくなり、なおかつ住宅の権利は手放す必要がないため、家族が暮らす場所を守る保険ともいえます。団体信用生命保険に加入するときは、次の特約に注目してください。

  • 8大疾病保障特約
  • 全入院保障特約

「8大疾病保障特約」とは、8大疾病により所定の状態(入院や就業不能など)になった場合に、住宅ローン返済の一部または全部の免除を受けられることがある特約です。多くの商品では、一定期間以上の就業不能状態が続くと、住宅ローンの残高がゼロになるタイプが用意されており、ローン返済の負担を軽減できます。

「全入院保障特約」とは、8大疾病以外で入院した場合も、商品によっては入院中の返済免除や入院一時金の給付などの保障を受けられるタイプの特約を指します。団体信用生命保険によって付加できる特約の種類や保障内容が異なるため、加入前に具体的な条件を確認しておきましょう。

特約を付加し、保障を充実させると安心は増しますが、その分保険料や金利が上乗せされることがあります。保険料が適正か、また無理なく支払い続けられるのか不安なときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。ぜひ「auマネープラン相談」の無料相談をご利用ください。

8大疾病に備える必要性が高い人とは?

約半数の方が8大疾病に含まれる病気やそれに相当する主な死因で亡くなっていることからも、8大疾病は誰もが罹患する可能性がある疾病といえます。その中でも特に次のいずれかに該当する方は、8大疾病に備える必要性が高いといえるでしょう。

  • 40代以上の人
  • 生活習慣病が気になる人
  • 個人事業主や自営業者

それぞれに該当する方が8大疾病に備えるべき理由について解説します。

40代以上の人

年齢が高くなるほど8大疾病による受療率は高くなります。しかし、高齢になってから保険への加入を検討すると、「持病があるため加入できない・条件付きになる」ケースや、「保険料が高額になる」といったケースも珍しくありません。

幅広い保険商品の中からご自身に合うものを選ぶためにも、40代までには加入を検討することをおすすめします。「絶対に病気にかかることはない」と断言できる方はいません。病気になる前に早めに保険加入を検討しておきましょう。

生活習慣病が気になる人

がんや脳血管疾患、心疾患、高血圧などの生活習慣病の患者は少なくありません。特に次のいずれかに該当する方は、生活習慣病のリスクが高いと考えられます。

  • 健康診断などで血糖値を指摘された
  • 飲酒・喫煙の習慣がある
  • 肥満ぎみ
  • 運動不足だと感じる
  • 塩分・糖分の多い食事が多い

また、上記のいずれにも該当しない方でも、遺伝要因によって生活習慣病に罹患する可能性があります。家族や親族に生活習慣病の方がいる場合も、8大疾病に備える必要性は高いといえるでしょう。

個人事業主や自営業者

日本は国民皆保険制度の国のため、社会保険制度はある程度充実しているといえます。しかし、個人事業主や自営業者は、原則として傷病手当金や雇用保険の基本手当などの対象外となるため、会社員や公務員と比べると病気のときの公的保障は手厚いとはいえません。

また、労災時の保障も十分とはいえません。個人事業主や自営業者も一定の条件を満たしているときは労災保険に加入できますが、保険料は自己負担(会社員や公務員は事業主の負担)のため、加入していない方も多くいます。万が一に備えるためにも、民間保険を検討しておきましょう。

どのような保障が必要か悩んだときは、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。ぜひ「auマネープラン相談」の無料相談にお問い合わせください。

8大疾病に備えよう

8大疾病に罹患する方は多く、治療が長引いたり死亡したりするケースも珍しくありません。治療費がかさむだけでなく、収入減により生活に支障が生じる可能性も想定されます。万が一に備えるためにも、8大疾病に罹患したときに活用できる保険を検討してみましょう。

「auマネープラン相談」では、ご自身に合う保険や保障内容についてファイナンシャルプランナーに直接相談することが可能です。相談は無料です。ぜひ「auマネープラン相談」をご利用ください。

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