保険見直し 2025.12.22

会社の団体保険はデメリットが多い?加入のメリットやおすすめな人を紹介

会社の団体保険は、企業や団体が契約者となり、従業員を被保険者とする保険です。個人で加入するよりも保険料が割安になり、手続きも比較的簡単な点が魅力です。一方で、保障内容の自由度は低く、退職後に継続できない可能性もあります。

本記事では、団体保険の特徴やデメリット、加入する際のチェックポイント、加入がおすすめな人などについて解説します。

会社の団体保険(グループ保険)とは?

会社の団体保険(グループ保険)とは、企業や団体に所属する従業員が会社を通じて加入できる保険制度のことです。

保険会社と企業・団体が契約を結び、従業員が被保険者として加入する仕組みです。福利厚生の一環として、多くの企業が採用しています。

ここでは、団体保険と個人で加入する保険・団体扱保険との違いをみていきましょう。

個人で加入する保険との違い

団体保険と個人で申し込む保険の違いは、以下のとおりです。

項目 団体保険 個人で加入する保険
契約者 会社・団体 従業員本人
加入方法 会社や団体経由で加入 個人で直接契約
審査 加入条件が比較的緩やかなことが多い 健康条件の確認がより詳細なこともある
保障内容 選択肢が限られる 希望に沿って調整できる
保険料 比較的低く抑えられる 割高になることが多い

特に、契約形態や保険料の設定、保障の自由度に大きな違いがあります。

団体保険は会社や団体を通じて複数人が一括して契約するため、リスクが分散され、一般的に保険料が割安になります。また、健康状態の申告が比較的簡単に済む場合が多く、商品によっては、持病がある人でも加入しやすい点がメリットです。保険料の支払いも給与から自動で差し引かれるため手間がかかりません。

一方、個人で申し込む保険は、自分自身で保険会社と契約するため、保障内容を自由に設定できる点が魅力です。団体保険はあらかじめプランが用意されているため、保障内容を細かくカスタマイズすることは難しく、自由度は制限されます。

団体扱保険との違い

団体保険と似た保険に、団体扱保険が挙げられます。団体扱保険も会社に所属する従業員が対象ですが、団体保険とは次のような違いがあります。

項目 団体保険 団体扱保険
契約者 会社・団体 従業員本人
加入方法 会社や団体を通じて加入 個人で直接契約
企業の役割 契約者として保険契約を締結 保険料の集金代行
保険料 割安になりやすい 団体割引が適用される場合がある
保険金請求 会社の労務担当を経由 保険会社に直接申請
年末調整 会社がまとめて手続き 自分で勤務先に生命保険料控除証明書などの書類を提出

団体保険は会社が契約を行い、従業員全体に保障を提供する仕組みです。福利厚生の一環として提供されることが多く、従業員は希望すれば加入できるケースが一般的です。

一方、団体扱保険は従業員が保険会社と個別に契約し、会社は契約主体にはなりません。企業が行うのは給与天引きによる保険料の集金代行で、加入や保障内容の選択は従業員個人が行います。団体割引が適用される場合もありますが、契約の責任関係や保障内容はあくまで個人契約と同じです。

このように、契約者と加入方法が大きく異なります。

団体保険の種類

団体保険には、主に次の2つの種類があります。

  • 会社が契約者となり保険料を全額負担する保険
  • 従業員が任意で加入する保険

ここでは、それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

会社が契約者となり保険料を全額負担する保険

1つ目は、会社が保険料を全額負担し、従業員全員を対象とする団体保険です。福利厚生の一環として導入されます。

代表例として、「総合福祉団体定期保険」が挙げられます。役員や従業員を対象に加入する定期保険で、福利厚生規程に基づき、弔慰金や死亡退職金などの支給に備えて財源を確保することを目的とした保険です。従業員が死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われ、企業にとってはリスク管理や税務上のメリットがある点が特徴です。

従業員が手続き不要で自動的に加入するケースが一般的で、実質的には強制加入となります。保険料はすべて会社負担のため、従業員側に金銭的なデメリットはありません。むしろ、万一の際に遺族への保障が受けられるなど、安心感につながる制度といえます。

従業員が任意で加入する保険

2つ目は、会社が保険会社との契約窓口となり、従業員が希望に応じて加入できる団体保険です。加入するかどうかは従業員の判断に委ねられ、必要な保障を自分で選択できます。

保険料は従業員自身が負担しますが、団体契約によってリスクが分散されるため、個人で加入する場合より保険料が割安になることが多く、加入時の審査が軽く済むケースもあります。

また、保険料の支払いは給与から差し引かれることが一般的で、支払い忘れの心配がない点もメリットです。

会社の団体保険に加入するデメリット

団体保険には、いくつかのデメリットが存在します。任意加入の団体保険では、入るべきかどうか悩む人も少なくありません。加入を決める前に、デメリットをしっかり理解しておくことが大切です。

ここでは、団体保険の主なデメリットについて詳しく解説します。

年齢が上がるにつれて保険料が高くなる

団体保険のデメリットとして、年齢による保険料の上昇リスクが挙げられます。多くの団体保険は1年ごとの自動更新型となっており、更新のたびに年齢区分が上がることで保険料が増える可能性があります。

若い年代では負担が少なくても、年齢が高くなるほど保険料が徐々に上がり、長期的にみると負担が大きくなるケースも珍しくありません。

また、更新時に保障内容が変更されたり、保険会社の見直しによって条件が変わったりすることもあります。加入時に年齢区分ごとの保険料が提示されることもあるため、将来どの程度負担が増えるのか、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

退職・転職後に継続できない場合がある

会社の団体保険は、退職や転職後に保険を継続できない場合があることもデメリットです。会社を通じて契約しているため、在職していることが加入条件であり、会社を離れた時点で原則として契約が終了します。その結果、保障が途切れてしまい、退職後に新たに保険へ加入し直す必要が生じることがあります。

団体継続制度が設けられているケースなど、一部の団体保険では退職後も契約を継続できる場合がありますが、更新時に保険料が上がる可能性があるでしょう。

退職時の年齢や健康状態によっては新たに個人で保険に加入することが難しくなることがあり、加入できても保険料が大幅に高くなる可能性があります。

団体保険を検討する際は、将来保険に加入し直すリスクも踏まえて判断することが大切です。

選択肢が少ない

団体保険のデメリットの一つに、選択肢が限られている点があります。多くの団体保険は、企業があらかじめ用意したプランをパッケージとして提供する形式をとっており、加入者が自由に保障内容を細かく調整することは難しいでしょう。

そのため、個人のライフスタイルや健康状態、将来のリスクに応じた最適な保障を確保しにくく、団体保険だけでは十分な保障が得られない可能性があります。

特に、疾病やケガに対する保障範囲、入院・手術給付金の額、特約の有無などに制限がある場合は、必要に応じて個人契約の医療保険や特約で補完する必要があります。

団体保険は便利で割安ですが、保障の柔軟性に欠ける点は理解しておかなければなりません。

支払い方法を選べない

団体保険は保険料の支払い方法を自分で選べず、原則として給与からの天引きで支払われます。口座振替や一括払いなど、自分の都合に合わせた支払い方法を選ぶことはできません。

給与天引きにより支払い忘れのリスクがなくなるメリットもありますが、自分の資金計画に合わせて支払い方法を調整したい場合には不便に感じることがあるでしょう。

支払い方法の自由度が低い点は、団体保険に加入する際に注意したいポイントです。

掛け捨て型が多い

多くの団体保険は、死亡や疾病、ケガに備える保障を中心とした掛け捨て型で設計されており、保険期間が終了した際に解約返戻金がほとんどない仕組みです。

そのため、貯蓄性や資産形成を兼ねた保険に加入したい人にとっては、ニーズに合わない場合があるでしょう。団体保険にも貯蓄型の商品はあるものの、個人契約に比べると種類や自由度は限られます。

長期的な資産運用や老後資金の準備がしたい場合、個人で貯蓄型の生命保険などを併用することも検討する必要があるでしょう。保障が手厚い反面、貯蓄性を求める人には物足りなさを感じることもあります。

団体保険やその他の保険についてさらに詳しく知りたい方は、「auマネープラン相談」がおすすめです。加入条件やメリット・デメリットの確認など、保険のプロであるファイナンシャルプランナーが無料で相談に対応します。自分に合った保険選びにお悩みの方はお気軽にご利用ください。

団体保険にはメリットもある

団体保険にはデメリットもありますが、保険料が割安で契約手続きが簡単、家族も加入できる場合があるなど、多くのメリットがあります。また、保険料の管理が容易で、保障を手軽に確保できる点も魅力です。

ここでは、団体保険の代表的なメリットを解説します。

保険料が比較的安い

団体保険の大きなメリットは、保険料が比較的安いことです。企業が保険会社との契約手続きをまとめて代行することで、個人契約より手間が省かれるだけでなく、団体割引などの優遇措置が適用される場合があります。

そのため、同じ保障内容でも個人で加入する場合より保険料が抑えられる傾向があります。特に、従業員全員を対象にした団体保険では、加入人数が多くリスクが分散されることから、より保険料の負担を軽減できるのも特徴です。

こうした仕組みにより、団体保険はコスト面での負担を抑えつつ、必要な保障を効率よく得られる制度として多くの企業で活用されています。

家族も加入できる場合がある

団体保険のメリットの一つに、家族も加入できる場合があることが挙げられます。一部の団体保険では、従業員本人だけでなく、配偶者や子どもなどの家族も同様の保険に加入できる仕組みが用意されています。

家族も安心して暮らせるように、必要な保障をまとめて確保できる点がメリットです。病気やケガの際の経済的な負担を減らすことができます。

また、家族向けの保障も団体割引が適用される場合が多く、個人で同等の保険に加入するよりも保険料が抑えられる点もメリットです。従業員本人と家族の双方をカバーできる制度は福利厚生としての価値が高く、安心して働ける環境づくりにもつながります。

手続きの負担を抑えられる

団体保険は、手続きの負担を抑えられることもメリットです。一般的に個人で保険に加入する場合、加入申込書や告知書など多くの書類を記入し、保険会社とのやり取りも必要になるため手間がかかります。

しかし、団体保険では企業が保険契約の大部分を一括で管理しており、従業員は必要最低限の情報を記入し、希望する保険内容を選ぶだけで手続きが完了します。

これにより、加入手続きの煩雑さを大幅に軽減でき、保険の手続きに慣れていない人でもスムーズに加入できる点がメリットです。

団体保険は手続きの簡便さと加入のしやすさを兼ね備えており、従業員にとって利用しやすい保険制度といえるでしょう。

保険料の支払いを管理しやすい

団体保険は、保険料の支払いを管理しやすい点もメリットです。多くの団体保険では、保険料が給与から自動的に天引きされる仕組みになっており、従業員自身が支払いを管理する手間がほとんどありません。

これにより、保険料の払い忘れや入金遅れといったリスクを防ぐことができます。また、毎月の支払額が一定で給与明細に反映されるため、家計管理もしやすく、支払い状況を簡単に確認できる点もメリットです。

個人で加入する場合も口座振替やクレジットカード払いなど手軽な支払い方法がありますが、団体保険の給与天引きであれば、支払いがすべて自動で統一されるため、管理の手間をより一層減らせます。

このような自動管理の仕組みは、従業員が手軽に保険に加入できる環境づくりにつながります。

配当金を受け取れる可能性がある

団体保険のメリットには、配当金を受け取れる可能性があることも挙げられます。無配当型ではない団体保険の場合、保険会社が毎年の収支を計算し、余剰金が発生した際に、その一部が配当金として従業員に還元され、保険料の負担が軽くなる場合もあります。

配当金は現金で受け取ることも、保険料の割引や積立として活用することも可能で、加入者にとっては経済的なメリットとなるでしょう。

団体契約では加入者数が多いためリスクが分散されやすく、個人契約より配当金が出やすいケースもあります。

「auマネープラン相談」では、任意加入の団体保険をはじめ、さまざまな保険についての相談にファイナンシャルプランナーが無料で対応しています。団体保険のメリット・デメリットや個人で入る保険との違いについても詳しいご説明が可能です。団体保険に入るべきか迷っている方はぜひお気軽にご相談ください。

団体保険に加入するときのチェックポイント

任意加入の団体保険に加入する際は、保障内容や加入条件、保険料など、事前に押さえておきたいポイントがいくつかあります。特に、自分のニーズに合っているか、将来の保険料が無理なく支払えるか、既存の保険と保障内容が重複していないかなどを確認することが大切です。

ここでは、加入前に確認したい主なチェックポイントを解説します。

自分のニーズに合うか

団体保険に加入するときは、まずその保障内容が自分のニーズに合っているかどうかの確認が必要です。団体保険は企業や団体がまとめて契約するため、保険内容がパッケージ化されており、個人向け保険のように細かくカスタマイズできないというデメリットがあります。

そのため、自分が必要とする保障が十分に含まれていない可能性があります。例えば、医療保障を重視したい人や、長期の就業不能リスクに備えたい人、貯蓄性のある保険を求めている人にとっては、団体保険だけでは保障が不足することがあるでしょう。

反対に、最低限の保障を手軽に確保したいときや、保険料を抑えたい場合には適しています。

加入前には、保障内容や保険料、給付条件、退職後の継続可否などを確認し、自分や家族の状況、将来のリスクに合った内容かどうかを確認することが大切です。不足分がある場合は、個人保険の追加を検討する必要もあるでしょう。

無理なく支払える保険料か

団体保険に加入する際には、無理なく支払える保険料かどうかを確認することが重要です。団体保険は個人加入の保険よりは割安となっているものの、多くは1年ごとの自動更新型であり、年齢が上がるにつれて保険料が高くなる仕組みになっています。

そのため、加入時の保険料だけでなく、将来的にどの程度負担が増えるのかを事前に把握しておくことが重要です。保険料が家計に過度な負担をかける場合、無理に加入しても長期的に支払いが続かず、保障が途切れるリスクがあります。

また、団体保険は給与天引きで支払われることが多いため、毎月の収入や生活費とのバランスも確認しておくと安心です。無理のない保険料で、将来も安定した保障を受けられるかを確認してから加入することが大切です。

加入済みの保険と保障内容が重複していないか

団体保険に加入する際には、すでに加入している個人保険と保障内容が重複していないかを確認することが大切です。個人で生命保険や医療保険、就業不能保険などに加入している場合、団体保険にも同じような保障が含まれていることがあります。

例えば、死亡保障や入院給付金がすでに個人保険でカバーされているのに、団体保険でも同様の保障に加入すると、必要以上に保険料を支払うことになり、無駄な負担が増える可能性があります。

加入前には、各保険の保障内容、給付条件、保険金額を比較し、自分や家族にとって重複している部分がないかの確認が必要です。個人保険で不足している部分だけを補う形で加入するなど、既存の保険とのバランスを考えて保障内容を調整するようにしましょう。無駄な支出を避けつつ、必要な保障を効率よく確保するためには、事前の比較と整理が欠かせません。

「会社の団体保険に入るべきか、それとも個人で保険に入るべきか」と悩んだ場合は、「auマネープラン相談」を活用してみましょう。団体保険やその他の保険に関する不安や疑問について無料でファイナンシャルプランナーに相談できます。保障内容や保険料の確認はもちろん、家族への適用や加入後の見直しについても、保険のプロがわかりやすくサポートしますので、お気軽にご利用ください。

団体保険がおすすめな人

団体保険にはメリット・デメリットがあり、誰にでもおすすめというわけではありません。

主に次のような人におすすめです。

  • 手頃な保険料で大きな死亡保障を確保したい人
  • すでに加入している保険を補完したい人
  • 健康状態に不安があり、個人保険への加入が難しい人
  • 割安で家族の保障もつけておきたい人

団体保険は、一時的に手頃な保険料で高額な死亡保障を確保したい人に向いています。団体契約による割引や企業負担があるため、個人で加入するより保険料を抑えながら、万一の際の備えを手厚くすることが可能です。

また、すでに加入している保険を補完したい人にも適しています。団体保険を活用することで、既存の保障だけではカバーしきれない部分を補い、保障全体の充実度を高めることが可能です。

さらに、健康状態に不安があり、個人保険への加入が難しい人にもメリットがあります。団体保険では、告知内容がシンプルで加入条件が緩やかな場合が多く、健康上の理由で個人契約が難しい場合でも加入できる可能性があるためです。

団体保険は、家族の保険を割安で加入させたい人にも適しています。一部の団体保険では、従業員だけでなく配偶者や子どもも同様の保障に加入できる仕組みがあり、家族も含めた保障を効率よく確保できるでしょう。

団体保険は加入の手軽さや保険料の割安さを活かし、個人では難しい保障の確保や補完ができる点で、幅広いニーズに対応しています。

一方、自由に保障内容を選びたい人や貯蓄性のある保険を重視する人、退職後も継続したい人には向いていません。保障の柔軟性や資産形成を重視する場合は、個人保険との併用を検討するとよいでしょう。

団体保険の加入に迷ったら、「auマネープラン相談」がおすすめです。無料で保険のプロのアドバイスを受けながら、自分に合った保険選びについて検討できます。自宅や近所のカフェ・レストランなどお好きな場所で相談できるため、お気軽にご利用ください。

団体保険は個人保険とのバランスを考えて選ぼう

会社を通じて加入する団体保険には、保険料が割安で手続きが簡単、家族も加入できる場合があるなどのメリットがあります。

一方で、保障内容の選択肢が限られることや掛け捨て型が多い、退職後に継続できない場合があるなどのデメリットがあることも把握しておきましょう。

団体保険は特に、保険料を抑えて高額な死亡保障を確保したい人や、手軽に保障を備えたい人、家族も含めて一定の保障を得たい人に向いています。

加入前には、保障内容・保険料・加入条件などを確認し、自分に合った保険かどうかを見極めることが大切です。

団体保険は内容が複雑になりがちですが、「auマネープラン相談」なら、保険のプロに無料で何回でも相談できます。保障の範囲や加入条件、退職後の継続など、知っておきたいポイントを丁寧にアドバイスしますので、ぜひお気軽にご活用ください。

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