保険見直し 2026.1.30

保険に先進医療特約は必要か?対象となる治療とメリット

先進医療特約とは、公的医療保険が適用されない先進医療の技術料を保障する特約です。この記事では、保険内容の見直しを考えている人に向けて、先進医療特約とは何か、保険に先進医療特約は必要か、対象となる治療例、付加するメリットについて解説します。

先進医療特約について気になる人は、ぜひ参考にしてください。

先進医療特約とは?必要性と先進医療の基礎知識

先進医療特約とは、公的医療保険が適用されない先進医療の技術料の自己負担に備える特約です。先進医療の技術料は全額自己負担となるため、治療内容によっては高額な支出が生じる場合もあります。

ここでは、先進医療に関する基礎知識とともに、先進医療特約の必要性や、先進医療の年間患者総数、費用の目安について解説します。

先進医療とは

先進医療とは、高度な医療技術を用いた療養のうち、保険給付の対象とすべきかどうか検討中の療養のことです。

安全性・有効性等を確保するため、医療技術ごとに利用できる医療機関が限られており、対象の医療技術は定期的に見直しが行われています。先進医療の技術料は公的医療保険の対象外であるため、全額自己負担となり、高額療養費制度の適用も受けられません。

一方、先進医療は保険診療との併用が認められており、先進医療の技術料を除く診察・検査・投薬・入院などの費用は、公的医療保険の適用が受けられます。

先進医療特約の必要性

先進医療は高度で先進的な治療を受けられる一方、自己負担額が大きくなりやすい点が特徴です。治療内容によっては自己負担額が数十万円から数百万円に及ぶケースもあり、家計への影響は決して少なくありません。

このような費用負担に備える手段として有効なのが、先進医療特約です。保険に先進医療特約を付加していれば、かかった技術料と同額を上限に保険金が支払われ、治療で生じる経済的不安を軽減できます。

なお、先進医療特約の必要性を判断するには「実際にどの程度先進医療が実施されているのか」「どのくらいの費用が発生しているのか」を把握することが重要です。

ここでは、先進医療特約の必要性を知るため、先進医療の年間患者総数と費用の目安を解説します。

先進医療の年間患者総数

厚生労働省の資料によると、令和5年7月1日~令和6年6月30日に実施された先進医療の全患者数は17万7,269人です。

先進医療には「先進医療A」と「先進医療B」があり、患者数の内訳は「先進医療A」が17万5,505人、「先進医療B」が1,764人となっています。

  • 先進医療A:主に未承認・適応外の医薬品や医療機器の使用を伴わない医療技術。伴う場合でも、人体への影響が極めて小さいもの
  • 先進医療B:未承認・適応外の医薬品や医療機器の使用を伴う医療技術。安全性や有効性を重点的に判断・評価すべき技術も含む

また、先進医療は全国449の医療機関で実施され、利用された医療技術は「先進医療A」「先進医療B」を合わせて76種類です(令和5年7月1日~令和6年6月30日実績)。

先進医療の費用の目安

重大疾病で高い治療効果を期待できる先進医療ですが、技術内容によっては費用が高額になるケースもあります。先進医療でかかる費用は、例えばがん治療で用いられる陽子線治療で約200〜300万円、重粒子線治療で約300〜400万円です。

ほかにも、診察費や入院費等が必要なため、先進医療を利用するには、より高額な費用負担が生じます。

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参考:厚生労働省「先進医療の実績報告について」

先進医療特約が「いらない」と言われる理由

先進医療特約が「いらない」と言われる理由の一つに、先進医療を受けられる医療機関が限られている点が挙げられます。

厚生労働省の資料によると、全国で先進医療Aが受けられる医療機関は2,834件、先進医療Bが受けられる医療機関は386件(令和8年1月1日時点)です。医療機関が遠方にある場合は、治療費とは別に宿泊費や交通費もかかるため、先進医療は誰もが気軽に受けられるわけではありません。

また、罹患者が多い「がん」に対する先進医療の実施割合が低いことも、「先進医療特約はいらない」と言われる理由の一つと考えられます。

厚生労働省の資料によると、がん治療で先進医療の陽子線治療が行われた件数は1年間で827件、重粒子線治療は442件です(令和5年7月1日~令和6年6月30日実績)。1年間にがんと診断されるケースはおよそ100万件とされており、両方の先進医療を合わせても実施率は0.1%強にとどまります。

ただし、近年は先進医療の実施件数が増加傾向にあり、先進医療特約が不要とは言い切れません。

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参考:厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」
参考:厚生労働省「先進医療の実績報告について」
参考:国立がん研究センター「最新がん統計」

先進医療特約の対象治療例

先進医療特約の対象になる主な治療例は次のとおりです。

  • 陽子線治療
  • 重粒子線治療
  • 家族性アルツハイマー病の遺伝子診断
  • 子宮腺筋症病巣除去術

ただし、詳細は保険会社により異なるため、加入時は給付条件や内容を確認する必要があります。

陽子線治療

陽子線治療とは、がん治療に用いられる放射線療法の一つです。放射線の一種である陽子線を病巣に照射することで、がん細胞にダメージを与え、増殖能力を失わせます。

陽子線は病巣の深さに合わせピンポイントで照射できるため、周囲の臓器や正常な細胞を傷つけずに高い治療効果を得られるのが特徴です。体への負担や副作用が少なく、がんの種類によっては通院治療も可能で、高齢者や体力のない人でも治療を受けやすいなど、さまざまなメリットがあります。

ただし、陽子線治療は、すべてのがんに適応されるわけではありません。また、遠隔転移がなく病巣が限局している、根治的な治療が可能ながんが対象です。

重粒子線治療

重粒子線治療も陽子線治療と同様、がん治療に用いられる放射線療法の一つです。重粒子線は、陽子線より12倍重い炭素粒子を利用するため、がんを死滅させる効果が高く、より短期間で治療を終えることができます。

また、重粒子線はがん細胞を殺傷する能力が強いため、骨肉腫や骨軟部の腫瘍など、一般的な放射線治療で適応外とされていたがんの治療も可能です。

ただし、重粒子線治療は陽子線治療と同様に、すべてのがんに適応されるわけではありません。適応対象は、一つの部位にとどまっているがんのみで、不規則に運動する臓器(胃など)は適応外です。

なお、大腸がんについては、がんそのものは適応外ですが、手術後の骨盤内再発に限り治療対象となります。

重粒子線治療に対応している医療機関は7施設(令和8年1月現在)と限られており、居住地域によっては治療を受けにくいデメリットがあります。

家族性アルツハイマー病の遺伝子診断

家族性アルツハイマー病の遺伝子診断(以下、遺伝子診断)とは、遺伝子検査によって、家族性(※)アルツハイマー病の原因となる特定の遺伝子変異があるかどうかを調べる検査です。※血縁関係にある家族内で同じ病気が見られること

アルツハイマー病は、脳の神経細胞が通常より早く減少していくことで、記憶力や判断力、思考力などが低下していく進行性の認知症です。

遺伝子診断により、病気の特徴を踏まえた将来の経過(予後)の推定が可能となり、将来に向けた療養方針やリハビリ計画を示すことができます。

子宮腺筋症病巣除去術

子宮腺筋症病巣除去術とは、子宮を温存しながら病巣を取り除く手術です。腺筋症組織は、子宮内膜(正常な組織)と区別がつきにくいうえ、子宮の筋層内に入り込んでいるため、従来は子宮全体を摘出する手術が行われてきました。

これに対して、子宮腺筋症病巣除去術では、子宮を摘出することなく、症状の原因となっている腺筋症の病変部分のみを切除するのが特徴です。

子宮を残す治療法であるため、妊娠・出産を希望する人に大きなメリットのある治療法といえます。

保険に先進医療特約を付加するメリット

保険に先進医療特約を付加するメリットとして、先進医療を受ける際の高額な自己負担に備えられる点が挙げられます。

利用する技術や医療機関にもよりますが、先進医療を受けると自己負担額が数百万円と高額になるケースも少なくありません。先進医療特約は月額保険料が100円程度〜数百円と低く、少ない負担で先進医療の費用に備えられます。

また、先進医療特約を付加しておけば、高額な技術料の負担に備えられるため、治療の選択肢が広がる点もメリットの一つです。

「先進医療特約を付加するメリットについて詳しく知りたい」「どんな治療方法を受けられるのか」と疑問をお持ちの人は、「auマネープラン相談」をご利用ください。

保険のプロに無料で何回でも相談できます。どのような場合に先進医療を利用できるのか、自分にはどんなプランが合っているのかなど、知っておきたいポイントを丁寧にアドバイスしますので、ぜひご活用ください。

先進医療特約を付加できる「医療保険」と「がん保険」

先進医療特約を付加できる主な保険商品は「医療保険」と「がん保険」です。しかし、特約の取り扱いはそれぞれ異なるため、どちらに付加するのか、保障内容を踏まえて検討すべきでしょう。

ここでは「医療保険」と「がん保険」それぞれの先進医療特約について解説します。

医療保険

医療保険は、病気やケガで入院・手術が必要になった際の費用に備えられる保険です。主契約に加え、がん特約や三大疾病特約、先進医療特約などを付加することで手厚い保障が受けられます。

医療保険の先進医療特約は、がん以外の病気の治療も保障対象になる点が特徴です。そのため、医療保険とがん保険の両方に加入する場合、医療保険に先進医療特約を付加することで、幅広い治療に対応できます。

がん保険

がん保険は、がんと診断された場合や、がん治療を受けた際などに給付金が支払われる、がんに特化した保険です。保障の対象は、がん治療に限られますが、特約により他の病気に備えられる商品もあります。

ただし、がん保険の先進医療特約は、がんに関する治療しか保障されないのが一般的です。幅広い治療方法に備えたい場合は、保障範囲を確認し「がん保険と医療保険のどちらに先進医療特約を付加すべきか」を検討する必要があります。

保険に先進医療特約を付加する際の注意点

先進医療特約は、高額になりがちな先進医療の費用に備えられるメリットの大きい特約です。しかし、保険に先進医療特約を付加する際には、次のような注意点もあります。

  • 先進医療特約の保障には限度額がある
  • 保険期間は更新型と終身型がある
  • 医療機関への直接支払い可能な保険を選ぶ
  • 先進医療一時金の有無を確認する
  • 他保険との重複に気を付ける

ここでは、保険に先進医療特約を付加する際の注意点について解説します。

先進医療特約の保障には限度額がある

先進医療特約には給付金の限度額が設定されており、先進医療にかかった費用のすべてが必ず保障されるわけではありません。

限度額は保険会社によって異なりますが、通算で1,000万円や2,000万円などの上限が定められており、複数回先進医療を受けた場合は、その都度の額が合算されます。また、先進医療特約で保障されるのは、原則として先進医療の技術料のみで、診察料や入院費用などは保障されません。

ただし、最近では先進医療を受けた場合に一時金が給付される保険商品も増えており、一時金を診察料や入院費用、交通費などに充てられます。

限度額や一時金の有無は保険会社により異なるため、保険加入を検討する際は、どの範囲まで保障されるのか確認することが重要です。

保険期間は更新型と終身型がある

先進医療特約は、医療保険やがん保険の主契約が終身型であっても、特約部分のみ保険期間が5年や10年の更新型となっている場合があります。更新型の場合、一定期間ごとに保険料の見直しが行われるため注意が必要です。

一方、終身型であれば契約時の保険料が一生涯続くため、保険料アップを気にする必要はありません。そのため、一定の保険料で長く保障を受け続けたい場合は、終身型の先進医療特約を選ぶと安心です。

医療機関への直接支払い可能な保険を選ぶ

医療保険やがん保険の中には、医療機関への直接支払いに対応した商品もあります。先進医療の費用は高額になるケースもあるため、できれば直接支払い可能な商品を選ぶとよいでしょう。

直接支払いが可能な保険であれば、先進医療の費用を立て替える必要がなく、経済的な負担や手続きを軽減できます。

一方、直接支払いに対応しない商品の場合は、まず自分で医療機関へ費用を支払い、その後、保険会社へ給付金を申請する必要があります。

ただし、直接支払いが可能な商品でも、すべての医療機関が対象となるわけではありません。直接支払いを希望する場合は、対象となる医療機関や治療法など、特約の詳しい内容を事前にしっかり確認しておく必要があります。

先進医療一時金の有無を確認する

保険に先進医療特約を付加する際は、先進医療一時金が支払われるかどうかも確認しておくことが重要です。先進医療を利用する場合、技術料以外にも診察料や入院費用、交通費などさまざまな費用がかかり、治療内容によっては、経済負担が大きくなりかねません。

先進医療一時金があれば、給付金を治療以外の費用に充てることができるため、経済負担を抑えながら治療に専念しやすくなります。

先進医療一時金の有無や支給条件、支給額は保険会社ごとに差があるため、加入前に内容をよく比較するとよいでしょう。

他保険との重複に気を付ける

先進医療特約は、他の保険との重複にも気を付ける必要があります。原則として、先進医療特約は同じ保険会社内で重複して付加できないためです。

別の保険会社であれば、それぞれの保険に先進医療特約を付加できる場合もありますが、給付金を二重に受け取れない保険会社もあります。

先進医療特約は基本的に、先進医療を受けた場合の実費相当額を保障する特約です。複数の保険で備える必要はないため、契約時には重複がないか確認しておくことが大切です。

「先進医療特約を付加する際の注意点を詳しく知りたい」「どの保険に付加すべきか」とお考えの人は、「auマネープラン相談」をご利用ください。

保険のプロに無料で何回でも相談できます。保険内容や特約について知っておきたいポイントを丁寧にアドバイスしますので、ぜひご活用ください。

先進医療特約の必要性をふまえ保険加入を検討しよう

先進医療は、公的医療保険の対象外となるため、利用時には高額な自己負担が発生する可能性もあります。万が一に備えるには、先進医療特約の必要性をふまえて保険加入を検討するとよいでしょう。

ただし、先進医療特約の内容は保険会社によって異なり、活用するうえで注意点もあるため、保険加入の際はプロに相談するのがおすすめです。先進医療特約や保険商品について詳しく知りたい人は「auマネープラン相談」をご利用ください。

保険のプロに何回でも無料相談できます。お客さまに必要な保障や、おすすめ商品など、丁寧にアドバイスしますので、ぜひご活用ください。

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