保険見直し 2025.12.25

吸引分娩は保険適用になる?出産時に利用できる公的制度も解説

吸引分娩は異常分娩に該当するため、治療行為として公的医療保険が適用されます。民間の医療保険に加入していた場合、給付条件に該当すれば、給付金を受け取ることも可能です。

本記事では、吸引分娩における公的医療保険・民間医療保険の保険適用、出産時に利用できる公的制度、吸引分娩で民間医療保険の給付金を受け取る流れなどを解説します。

吸引分娩は保険適用の対象になる?

吸引分娩とは、お産がうまく進まない際に赤ちゃんの頭に吸引カップを装着して分娩を助ける方法です。異常分娩として治療行為に該当するため、公的医療保険が適用されます。

ここでは、公的医療保険と民間の医療保険における適用状況を、それぞれみていきましょう。

公的医療保険が適用される場合

正常分娩は病気やケガの治療ではないため、公的医療保険の適用外です。

一方、吸引分娩は分娩が停滞したり、母体や胎児にリスクが生じたりした際に行われる医療介入であり、「異常分娩」として治療行為に分類されます。そのため、公的医療保険が適用され、医療費はほかの治療と同様に原則として3割の負担です。

吸引カップを使って赤ちゃんを引き出す処置や、そのための入院・管理料などが保険診療に含まれ、自己負担額を抑えながら安全な出産につなげることが可能です。

民間の医療保険が適用される場合

妊娠前から民間の医療保険に加入している場合、吸引分娩が保障の対象となる可能性があります。吸引分娩は「異常分娩」に分類され、医療行為として扱われるため、給付条件に該当すれば保険金の支払いの対象になります。

特に適用されやすい給付金は、入院時に受け取れる入院給付金と、医師が吸引分娩を必要と判断して処置を行った際に支払われる手術給付金の2つです。

ただし、保障の可否は加入している保険の約款や手術の分類、入院日数などによって異なります。例えば、入院給付金では入院日数が規定よりも少ないなどの理由で給付の対象外になるケースもあるため、事前に契約内容をよく確認しておくことが大切です。

妊娠が判明してから新たに加入した場合は、妊娠・出産に関する部位が不担保(保障されない)となることも多いため、出産前の早い段階から備えておくようにしましょう。

吸引分娩の可能性も含め、出産時にかかる費用に備える保険を検討している方は、「auマネープラン相談」にご相談ください。保険のプロが、いつでも何度でも、無料で保険に関する相談に対応します。

吸引分娩とは

吸引分娩とは、出産時に赤ちゃんの頭に吸引カップをつけ、陣痛のタイミングに合わせて吸引力を利用しながら出産を助ける方法です。正常分娩がうまく進まないときに行われる医療的な処置で、母子の負担を減らし、安全に出産を進めるための代表的な分娩方法です。

吸引分娩が行われるのは、主に以下のようなケースとなります。

  • 赤ちゃんの心拍が低下するなど、早急に出産を進める必要がある場合
  • 陣痛が弱く、分娩が長引いて母体の体力が限界に近づいている場合
  • 赤ちゃんの頭が産道の出口付近まで下がっているものの、自然分娩では娩出が難しい場合
  • 高血圧症や心疾患など、母体に強くいきめない事情がある場合

吸引分娩には、赤ちゃんと母体の双方に一定のリスクが存在します。赤ちゃんは吸引カップの影響で、頭皮の腫れや軽い皮下出血が起こることがありますが、多くは自然に回復します。

母体側のリスクは、会陰裂傷や出血が増える可能性があることです。

双方にリスクはあるものの、医師が状況を十分に判断したうえで、安全性を確保しながら実施される処置であり、必要な場面では重要な選択肢となる方法です。

吸引分娩が民間の医療保険の適用外となるケース

吸引分娩は公的医療保険の対象となりますが、民間の医療保険では妊娠や出産に関する部位が不担保(保障対象外)とされていると、給付の対象外となるため注意が必要です。

吸引分娩をはじめ、妊娠・出産にともなうリスクに備えて民間の医療保険を検討する場合は、妊娠前、できれば妊活を始める前に加入しておくのが理想的です。この時期であれば加入できる保険の選択肢が多く、自分に合ったプランをより柔軟に選べます。

「auマネープラン相談」では、ファイナンシャルプランナーがお客さまの要望を聞き取り、最適な保険選びをサポートします。吸引分娩を含む出産時の医療処置に備えたい場合も、ぜひご活用ください。

出産の際に利用できる公的制度

吸引分娩が保険適用となっても、出産には入院費や分娩費、検査費など多額の費用がかかります。

これらの費用負担を軽減するため、さまざまな公的制度が設けられています。どのような公的制度を利用できるのか、事前に確認しておきましょう。

出産育児一時金

出産育児一時金は、出産にかかる経済的負担を軽減するために、公的医療保険から支給される制度です。次のいずれかの要件に該当する場合、支給対象となります。

  • 健康保険や国民健康保険に加入している人、および被扶養者
  • 妊娠4ヶ月(85日)以上での出産(死産・流産を含む)

原則として、1児につき50万円が支給され、双子など多胎出産の場合は子どもの人数分が支給されます(2025年12月時点)。

支給申請および支払いには、以下の3つの方法があります。

直接支払制度 医療機関が一時金を直接受け取り、本人は差額のみ支払う
受取代理制度 被保険者が自ら保険者に支給申請を行い、医療機関が被保険者に代わって一時金を受け取る
償還払い制度 本人が費用をいったん全額支払い、あとから一時金を申請して受け取る

通常は直接支払制度が利用され、分娩費用から出産育児一時金の分が差し引かれるため、出産時の窓口での支払いを抑えることができます。

費用が一時金の額を下回った場合は、差額が加入している保険者から本人へ返金され、反対に費用が上回った場合は不足分のみを医療機関へ支払うという仕組みです。

一時金を受け取る際に出産方法は問われず、正常分娩・帝王切開・吸引分娩など、どのような分娩形式でも支給対象となります。

出産育児一時金は出産に備えるうえで重要な制度のひとつであり、妊娠がわかった時点で、加入している保険の手続き方法を確認しておくと安心です。

参考:厚生労働省「出産育児一時金等について

出産手当金

出産手当金は、出産のために仕事を休む期間に収入が減ってしまう人を支えるための制度です。勤務先の健康保険(協会けんぽや健康保険組合)に加入している人が対象となります。

産前の42日(多胎妊娠の場合は98日)と産後56日のうち、実際に働けなかった日数分について、健康保険から給付金が支給されます。

支給額の計算式は、以下のとおりです。

  • 支給額 = 標準報酬日額 × 2/3 × 支給日数

給与が出ない産休期間の生活費を補う役割を果たします。

出産手当金は、出産育児一時金とは別の制度のため、両方とも受け取ることが可能です。また、在職中だけでなく、一定の条件を満たしていれば退職後でも受給できる場合があります。

申請は勤務先の担当部署や健康保険組合を通じて行い、税金や社会保険料がかからない点も特徴です。

参考:全国健康保険協会「出産手当金について | よくあるご質問 |

高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関で支払う自己負担額が高額になった場合に、家計の負担を軽減するための公的制度です。健康保険に加入していれば誰でも利用でき、同一月(1日から月末まで)に支払った医療費の自己負担額が、所得に応じて定められた「自己負担限度額」を超えた分についてあとから払い戻しを受けられます。

限度額は年齢や所得区分によって細かく設定されており、一般的な所得層であれば、入院や手術などで多額の医療費がかかったとしても、自己負担は一定水準に抑えられる仕組みです。

また、以下のいずれかの方法により、窓口での支払い自体を限度額までに抑えることができます。

  • 医療機関の窓口でマイナ保険証(健康保険証の利用登録を行ったマイナンバーカード)を提出して「限度額情報の表示」に同意する
  • 事前に「限度額適用認定証」を医療機関に提示する

なお、対象となるのは健康保険が適用される医療費であり、差額ベッド代や自由診療分は対象外となります。

参考:全国健康保険協会「高額な医療費を支払ったとき | こんな時に健保」

医療費控除

医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税の負担を軽くするための制度です。

本人だけでなく、生計を一にする配偶者や家族の医療費も合算できるため、家族全体の医療費支出が多い年ほど活用しやすくなります。

医療費控除の対象には、病院での診療費・治療費だけでなく、処方薬代、通院のための交通費(公共交通機関)なども含まれます。一方、予防目的の費用や美容目的の施術、自由診療などは対象外です。

控除を受けるには、確定申告を行い、医療費の領収書や「医療費控除の明細書」を提出する必要があります。

控除額は、以下の計算式で求めます。

  • 支払った医療費の合計 − 保険金などの補てん額 − 10万円(※総所得金額等が200万円未満の場合は「総所得金額等の5%」)

控除額の分だけ課税される所得が減るため、結果として所得税・住民税の負担を抑えることができます。

出産時の支出について、公的制度に加えて保険でも備えたいという方には、「auマネープラン相談」の活用がおすすめです。保険のプロが、お客さまに合った保険プランを提案します。

参考:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」

吸引分娩で民間の医療保険の給付金を受け取る手順

吸引分娩で民間の医療保険の給付金を受け取る場合、一定の手続きが必要です。ここでは、給付金を受け取る手順をみていきましょう。

1.保険会社へ連絡する

吸引分娩で民間の医療保険の給付金を受け取れる可能性がある場合、まず行うべき手続きは「保険会社への連絡」です。

出産後できるだけ早い段階で、契約している保険会社または代理店に状況を伝えることで、申請の流れをスムーズに確認できます。連絡の際は保険証券の番号を聞かれるため、あらかじめ保険証券を用意しておくとよいでしょう。

保険会社に連絡すると、給付金の対象になるかどうか、どの種類の給付金(入院給付金・手術給付金など)が請求できるのか、加入しているプランに基づいて案内してもらえます。

早めに保険会社へ相談することで、給付漏れを防ぎ、手続きを効率よく進めることができます。

2.必要書類を確認する

吸引分娩で民間の医療保険の給付金を請求する際は、保険会社への連絡に続いて必要書類の確認を行います。給付金受け取りの可否は提出書類の内容に大きく左右されるため、事前にどの書類が必要か正確に把握しておくことで、手続きがスムーズに進むでしょう。

必要書類は保険会社から送られてくるもののほか、自分で揃えるものもあります。書類の内容は保険会社によって異なりますが、一般的に必要になるのは以下の書類です。

  • 保険金請求書(保険会社指定の書式)
  • 入院・分娩に関する領収書や医療費明細書(医療機関が発行)
  • 本人確認書類(運転免許証など)

このほか、請求内容によっては、診断書の提出が求められる場合があります。診断書は、保険会社ごとに定められたフォーマットを使うのが一般的です。

保険会社ごとに異なる細かな条件が設けられている場合もあるため、十分な確認が大切です。提出前に必要書類と記載事項を丁寧にチェックすることで、差し戻しや再提出を防ぎ、給付金の受け取りまでの時間を短縮できます。

3.申請書類を提出・審査を受ける

保険会社へ必要書類を提出したあとは、給付金の支払い対象となるかどうかの審査が行われます。審査では、提出書類に不足や不備がないか、加入時期や契約内容が給付条件を満たしているかなど、複数の観点から確認されます。

審査にかかる期間は、一般的に1〜2週間程度が目安です。混雑している時期は、それ以上かかる場合もあります。また、書類の内容に不明点がある場合や、保険会社が追加資料を求めるケースでは、さらに時間がかかることもあるでしょう。

スムーズに手続きを進めるためには、提出前に書類の不備がないか丁寧に確認し、必要に応じて医療機関へ修正を依頼することも大切です。

4.給付金が支給される

審査が完了すると、給付金の支払い可否について通知が届き、支払いが決定した場合は指定口座に振り込まれます。

支払いが決定した際には、まず保険会社から給付金支払決定の通知書が届き、給付内容や金額、振込予定日などが記載されます。振込が確認できたら、金額が正しいか確認しておきましょう。給付金額や通知書の内容に疑問や不明点があれば、保険会社へ問い合わせることも可能です。

給付金は、吸引分娩にともなう入院給付金や手術給付金として支給され、医療機関での支払いにあてるほか、そのほかの出産関連費用に活用できます。

吸引分娩に備える保険の加入・請求で注意したいこと

吸引分娩に備えて民間の医療保険に加入するときや、保険金の請求の際には、注意したい点があります。妊娠後は保険に加入しにくい点、保険金を申請する際は請求期限がある点に気をつけましょう。

ここでは、保険の加入・請求で注意すべき点を解説します。

保険の加入時期

一般的に、妊娠が判明したあとは医療保険に加入しにくいのが実情です。

妊娠中でも、週数や経過が順調であれば加入できる商品もあります。ただし、「今回の妊娠・出産に関する入院・手術は保障対象外」とされたり、一定期間は保障内容が制限されたりするケースが多く、吸引分娩などの異常分娩に対して十分な備えができない可能性があります。

そのため、吸引分娩を含む出産リスクに備えるために確実な方法は、妊娠前の健康な状態で医療保険に加入しておくことです。

妊娠前に加入していれば、妊娠・出産にともなう入院や手術が保障の対象となる可能性が高まります。吸引分娩が必要になった場合でも、入院給付金や手術給付金を受け取れるため、経済的負担を大きく軽減できます。

将来の妊娠を考える段階で早めに加入しておくことで、安心して出産に臨む準備ができるでしょう。

保険金・給付金の請求期限

保険金や給付金の請求には期限があり、原則として「支払事由が発生してから3年以内」に手続きを行う必要があります。吸引分娩などで入院・手術をともなった場合も同様で、出産後の忙しい時期であっても、できるだけ早めに請求手続きを進めることが大切です。

出産直後は育児や体調回復などで時間が取りにくく、気づいたときには請求期限が迫っていたというケースも少なくありません。期限を過ぎてしまうと給付金を受け取れない可能性があるため、注意が必要です。

ただし、期限が過ぎてしまった場合でも、事情によっては保険会社が対応してくれるケースもあります。請求が遅れた場合、まずは契約している保険会社に事情を説明し、対応可能か確認するとよいでしょう。保障を確実に受け取るためにも、早めの対応を心がけることが大切です。

吸引分娩をはじめとする出産時の支出に備える保険については、わかりにくい点が出てくることもあります。将来の妊娠に備えて保障を確保しておきたい方は、早めに準備しておくと安心です。保険についての不安や疑問は、専門家に相談することで解消できます。「auマネープラン相談」では、ファイナンシャルプランナーに無料でいつでも相談できるため、お気軽にご活用ください。

吸引分娩で受け取れる保険金・給付金を確認しておこう

吸引分娩は、異常分娩として公的医療保険が適用され、費用の負担を軽減できます。また、民間医療保険に加入していれば、給付金を受け取れる可能性もあります。

公的医療保険が適用されても全額が補てんされるわけではないため、出産時の費用負担を踏まえて、早めに民間の医療保険や特約で備えておくと安心です。

また、出産時には、出産育児一時金や出産手当金、高額療養費制度などの公的制度を活用することで、費用負担を大きく軽減できます。

吸引分娩の可能性があることを把握し、事前に制度や保険の仕組みを理解しておくことが安心につながるでしょう。

妊娠前に保険で備えておきたい方は、「auマネープラン相談」にご相談ください。お客さまの都合に合わせて、指定の場所までファイナンシャルプランナーが伺います。相談は、お客さまが納得いくまで、何度でも何時間でも無料です。一人ひとりに適した保険プランについて、一緒に考えながらご提案します。

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