保険見直し 2025.12.25

終身保険はやめたほうがいい?理由やメリット、判断ポイントを解説

終身保険は、一生涯の保障を確保できるのが魅力の保険です。保険料が変わらないため、家計管理がしやすいのが特徴です。一方、ライフステージの変化に柔軟に対応できないなどの注意点もあるため、メリット・デメリットを踏まえて判断することが重要です。

本記事では、終身保険の概要をはじめ、「終身保険はやめたほうがいい」と言われる理由、終身保険のメリットなどを解説します。さらに、終身保険の判断ポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

終身保険とは

終身保険とは、被保険者が亡くなったときや重い障害を負った際に死亡保険金や高度障害保険金が支払われる保険です。一生涯保障が続くことが特徴で、契約期間中に解約しない限り、契約内容に沿って保険金が支払われます。

保険料は契約期間中、原則として変わりません。途中で解約した場合は、保険料の一部が戻ってくる解約返戻金があります。定期保険のように掛け捨て型ではなく、貯蓄性もあるのが魅力です。

保険料の支払方法には、以下の3つがあります。

  • 終身払
  • 有期払
  • 一時払

終身払は、一生涯にわたり保険料を支払う方法です。毎月の保険料が安く設定され、無理なく支払いたい方におすすめです。ただし、高齢になっても支払いが続く点には注意しなければなりません。

有期払は、「60歳まで」「20年間」など、一定期間で支払いを終える方法です。支払いが済んだあとは保険料の支払いは不要ですが、保障は一生涯続きます。しかし、終身払よりも保険料が高くなる傾向にあるため、留意が必要でしょう。

一時払は、契約時に保険料を一括で支払う方法です。加入したあとは保険料を支払わなくても済むため、支出管理が煩雑にならずに済みます。しかし、一括での支払いの場合はまとまった資金が必要です。また、途中で解約すると、元本割れする可能性もあります。一時払を選ぶ場合は、メリットとデメリットをよく考慮することが大切です。

終身保険の内容について詳しく相談したい場合は、「auマネープラン相談」が役に立ちます。終身保険だけでなく、選択肢としてほかの保険をご案内することも可能なため、検討の幅を広げられるでしょう。

「終身保険はやめたほうがいい」と言われる主な理由

終身保険は魅力的な側面があるものの、必ずしもすべての方に適した保険とは言えず、「やめたほうがいい」と言われることもあります。その主な理由は、次の4つです。

  • 保険料が高額になりやすいから
  • 公的保障制度が充実しているから
  • ライフステージの変化によって必要な保障は変わるから
  • 物価上昇によって価値が目減りする恐れがあるから

それぞれの理由について詳しく解説します。

保険料が高額になりやすいから

終身保険は一生涯の保障であるため、保険料は定期保険に比べて高くなる傾向にあります。同じような保障内容であっても、終身保険は割高になりやすく、保険料が家計を圧迫する恐れもあるため注意しましょう。

終身払や有期払であれば、保険料は固定費のひとつです。解約返戻金があるとしても、毎月の家計に回せるお金が減る点は押さえておく必要があります。

公的保障制度が充実しているから

日本には公的保障制度が充実しているという理由から、終身保険は必要ないと考える人も少なくありません。

日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は、国民年金(基礎年金)への加入が義務です。受給には要件を満たす必要がありますが、国民年金制度では、被保険者が亡くなった場合には遺族基礎年金が、また所定の高度障害状態になった場合には障害基礎年金が支給されます。

さらに、会社員や公務員などの多くは厚生年金にも加入するため、基礎年金に上乗せして遺族厚生年金や障害厚生年金といった追加の保障を受けることも可能です。収入や加入期間によって支給額は変動しますが、一定程度の公的保障が受けられます。

そのため民間の死亡保障を手厚くしすぎると、公的保障と保障内容が重複し、結果として過剰な備えになりかねません。終身保険の加入を検討する場合は、どの程度の保障が必要なのか、また公的保障ではカバーしきれない部分はどこかを可視化することが大切です。

ライフステージの変化によって必要な保障は変わるから

通常、ライフステージの変化によって必要な保障は変わっていきます。そのため、保障内容もライフステージの変化に柔軟に合わせていくことが重要です。

例えば、独身の期間であれば、葬儀費用や負債の整理など最小限の保障で足りるでしょう。しかし、結婚したあとや子育て期間の場合は、残された家族の生活を支える必要があるため、大きな死亡保障があると安心です。

さらに子どもが独立したあとであれば、教育費などを残す必要がなくなり、死亡保障は子育て期間よりも小さくて済みます。老後では、死亡保障の重要性はさらに下がり、むしろ医療費や介護費の備えが重要となるでしょう。

このように、ライフステージによって必要な死亡保障額は大きく変わるため、保障内容を細かく調整したいという方にとって、終身保険は使いにくいといった側面があります。

物価上昇によって価値が目減りする恐れがあるから

終身保険で受け取れる保険金は、原則として契約時点で定めた金額です。物価上昇が続く場合、受け取る保険金の価値が目減りする可能性があるため注意しましょう。

例えば、葬儀費用や遺族の生活コスト、教育費などが上昇すると、契約時点で十分だと思った保険金額でも、不足する恐れがあります。契約時に死亡保障は2,000万円で十分だろうと思っていても、20年、30年と経つにつれ、その金額は想定していた価値を下回る可能性もあるということです。

終身保険の保険金を受け取るのは、40年、50年先になる可能性も視野に入れて検討するようにしましょう。

「終身保険が必要だろうか」と悩む場合は、「auマネープラン相談」をご利用ください。ご自宅や近所のカフェやレストランなど、ご都合のよい場所で相談できます。忙しくて相談する時間が取れないという方もお気軽に利用可能です。

終身保険に加入することで得られるメリット

終身保険は必要ないという意見がある一方、加入することで得られるメリットもあります。主なメリットは、次のとおりです。

  • 保障が途切れないという安心感を得られる
  • 遺族への備えを確実に確保できる
  • 保険料が一定で支払いの見通しを立てやすい
  • 相続時に税制上の非課税枠を活用できる

終身保険に加入するメリットを具体的に解説します。

保障が途切れないという安心感を得られる

終身保険の大きな特徴は、保障が一生涯続き、高齢になっても保障が途切れないという安心感を得られることです。終身保険は払込期間を設定できるため、現役時代に支払いを終えていれば、保険料の負担なしで死亡保障を継続できます。

遺族への備えを確実に確保できる

終身保険は、いつか必ず保険金が支払われるという特徴があるため、遺族への備えを確実に用意したいという場合に有効です。貯蓄だけでは不安が残るというご家庭にとっては、必要最低限の資金を確実に残せる点は終身保険の魅力と言えます。

保険料が一定で支払いの見通しを立てやすい

終身保険は、加入時に決まった保険料が一生涯変わらないのも魅力です。保険料が固定されれば、長期的に支払いの見通しを立てやすくなるでしょう。さらに、年齢とともに給与が上がる場合、実質的に保険料の負担は軽くなります。

終身保険は長期間にわたり払い続けることを前提とした保険であるため、毎月どれくらいの固定費が増えるのかを正確に把握できるのは、家計管理において大きなメリットでしょう。

相続時に税制上の非課税枠を活用できる

終身保険には、相続税の税負担を軽減できるという税制上のメリットもあります。生命保険は、法定相続人一人あたり500万円の非課税枠が設けられています。

例えば、法定相続人が2人いる場合、500万円×2人=1,000万円まで相続税がかかりません。この仕組みを利用することで、相続時の税負担を軽くできます。

ただし、相続人以外の方が保険金を受け取った場合は、この非課税枠は利用できないため注意が必要です。

「終身保険の加入を検討したいが、どの商品がいいだろう?」とお悩みの方は、「auマネープラン相談」をご利用ください。さまざまな商品のなかから、希望に合った保険を紹介します。

参考:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」

終身保険が必要かどうかの判断ポイント

終身保険はメリットの多い保険ですが、ライフスタイルや考え方によって向き・不向きがあります。ここでは、終身保険への加入を検討する際に、事前に確認しておきたい判断ポイントを解説します。

終身保険が必要かどうかの判断ポイントは、次のとおりです。

  • 保険料を無理なく支払えるか
  • 保険と資産形成の役割を混同していないか
  • 働き方や家族構成の変化に対応できるか

保険を選ぶ場合は、「なんとなくよさそう」といった曖昧な感覚を頼りにするのではなく、家計の状況やライフステージの変化、資産形成という3つの観点から検討することが必要です。

次に、それぞれの判断ポイントを具体的に解説します。

保険料を無理なく支払えるか

終身保険への加入を判断する際に大切なことは、保険料を無理なく支払えるかどうかということです。現在の収入だけでなく、将来起こり得る収入の変動も考慮しなければなりません。

例えば、産休や育休による一時的な収入減や親の介護による勤務時間の減少、転職・独立にともなう収入の変動、定年後の年金生活への移行などを想定し、無理なく支払い続けられるかを考えることが大切です。このような変化を考慮せずに加入すると、場合によっては支払いが難しくなり、途中解約しなければならない状況も出てくる恐れがあります。

保険と資産形成の役割を混同していないか

終身保険は、一生涯の保障に加えて長期的な貯蓄機能を併せ持つ保険商品です。将来、保障が不要となり解約した際には、解約返戻金が受け取れる仕組みとなっています。

ただし、すべての終身保険において高い返戻率を期待できるわけではなく、商品や解約時期によっては返戻金が少ない場合もあるため注意が必要です。

資産形成を主な目的とする場合には、NISAやiDeCo、投資信託を活用したつみたて投資など、投資専用の制度や商品を活用する方法も考えられるでしょう。

万が一への備えは保険、将来の生活資金づくりは投資と分けて考えることで、家計全体のバランスを取りやすくなります。

働き方や家族構成の変化に対応できるか

終身保険は基本的に保障額が固定されるため、ライフステージに合わせて柔軟に保障額を上下させることはできません。独身と既婚とでは、備えたい保障額は異なります。

また、子どもの有無や家族構成などによっても、求める保障額は異なるでしょう。ほかにも、将来的に独立するなど働き方が変わる可能性がある場合も保障額の見直しは必要です。

一方、葬儀費用だけ確実に準備したい、最低限の資産を家族に残したいという明確な目的があれば、終身保険に加入するメリットはあるでしょう。

加入を検討する場合は、どのような目的で加入するのか、また今後の働き方や家族構成の変化に対応できるかどうかも重要な判断ポイントです。

終身保険が自分に合うかどうか迷う場合は、保険のプロに相談してみましょう。「auマネープラン相談」では、無料でファイナンシャルプランナーに保険の悩みを相談できます。

終身保険はメリット・デメリットを踏まえて検討しよう

終身保険はメリットの多い保険ではありますが、利用目的や状況によって向き・不向きがあります。一生涯の保障を確保したい、相続対策として利用したいなどの目的であれば、終身保険は有効です。しかしながら、家計に余裕がない方や保障を柔軟に調整したい方にとって使いづらい側面があります。

終身保険は、保障と貯蓄機能を併せ持つ保険商品です。その特徴をしっかりと理解し、ライフイベントや収入状況、資産運用とのバランスを検討したうえで選びましょう。

保険選びが不安という方には、「auマネープラン相談」がおすすめです。お好きな場所で保険選びについて無料でプロに相談できますので、ぜひお気軽にご利用ください。

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