医療保険の女性疾病特約とは?必要性や女性向け医療保険の選び方を解説
医療保険の女性疾病特約とは、女性特有の病気などで入院する際や手術を受ける際に、通常の保障に加えて給付金を上乗せして受け取れる特約を指します。女性がかかりやすい病気に対する急な出費に備えるための方法として、女性疾病特約は有力な選択肢になるでしょう。
本記事では、女性疾病特約に加入する際の注意点や選び方について解説します。
医療保険の女性疾病特約とは
医療保険の女性疾病特約とは、女性特有の病気や女性がかかりやすい病気で入院した際、手術を受けた際などに、通常の医療保障に加えて給付金が上乗せされる特約です。例えば、卵巣がんで入院した場合、基本の入院給付金に加えて、女性疾病特約による追加給付を受け取れる可能性があります。
また、女性向け医療保険(女性保険)も、女性特有の病気に対して手厚い保障を受けられる保険を意味する言葉です。女性疾病特約を指すこともあれば、主契約としての保険を指す場合があります。
女性疾病特約の主な保障内容
女性疾病特約は、保険会社や保険の種類によって女性疾病として保障される範囲が異なります。一般的に女性疾病特約で保障される疾病は以下のとおりです。
- 乳がん
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
- 卵巣がん
- 帝王切開による出産や切迫早産
各疾病や妊娠・出産に伴う医療措置について、データを交えて詳しく解説します。
乳がん
乳がんは、女性がかかりやすい病気です。国立研究開発法人国立がん研究センターの2021年統計によると、人口10万人あたりの罹患率は男性が「1.1」であるのに対し、女性は「153.2」とされています。
また、30代から増加し始めて、40代で急増する点が女性の乳がん罹患率の特徴です。
【年齢階級別罹患率(人口10万人対) 乳房(2021年)】
| 20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜44歳 | 45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 | 65〜69歳 | |
| 女性 | 1.1 | 8.0 | 28.2 | 71.1 | 151.9 | 239.9 | 223.4 | 230.8 | 254.7 | 261.6 |
| 男性 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.2 | 0.4 | 0.6 | 0.8 | 1.1 | 2.6 |
女性疾病特約を契約していれば、乳がんで入院した場合に主契約の給付金に加えて、保障を受けられる可能性があります。
参考:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん種別統計情報 乳房」
子宮頸がん
子宮頸がんは、子宮頸部に発生する女性特有の病気です。国立研究開発法人国立がん研究センターの2021年統計によると、子宮頸がんは20代後半から増加し、「40〜44歳」でピークを迎えています。
【年齢階級別罹患率(人口10万人対) 子宮頸部(2021年)】
| 20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜44歳 | 45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 | 65〜69歳 | |
| 女性 | 0.4 | 4.3 | 14.9 | 26.0 | 28.3 | 27.8 | 25.5 | 24.9 | 21.7 | 19.0 |
若い年代で発症して治療費が必要になる可能性もあるため、女性疾病特約への加入を早めに検討しましょう。
参考:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん種別統計情報 子宮頸部」
子宮体がん
子宮頸がんが子宮の入り口にあたる子宮頸部で多く発生するのに対し、子宮体がんは子宮内膜で主に発生する病気です。子宮頸がんよりも発症時期が遅く、40代から増加して60歳前後でピークを迎える傾向にあります。
【年齢階級別罹患率(人口10万人対) 子宮体部(2021年)】
| 20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜44歳 | 45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 | 65〜69歳 | |
| 女性 | 0.5 | 3.0 | 7.9 | 12.4 | 21.8 | 39.6 | 66.8 | 78.0 | 57.8 | 47.8 |
乳がんと同様に、女性疾病特約に加入していれば、子宮頸がんや子宮体がんで入院した際にも主契約による入院給付金と、特約分の入院給付金を併せて受け取れる可能性があります。
参考:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん種別統計情報 子宮体部」
卵巣がん
卵巣がんは、卵巣に発生する悪性腫瘍のことです。特に、40代から60代で罹患率が高い傾向にあります。
【年齢階級別罹患率(人口10万人対) 卵巣(2021年)】
| 20〜24歳 | 25〜29歳 | 30〜34歳 | 35〜39歳 | 40〜44歳 | 45〜49歳 | 50〜54歳 | 55〜59歳 | 60〜64歳 | 65〜69歳 | |
| 女性 | 6.1 | 7.6 | 11.1 | 12.3 | 19.9 | 30.2 | 36.3 | 38.1 | 34.1 | 31.6 |
卵巣がんは、40〜60代に限らず、幅広い年代で一定の罹患率を占める疾病です。女性疾病特約に加入しておけば、卵巣がんにかかって入院する際に条件を満たすと主契約と特約分の給付金を両方受給可能なため、想定外の出費に備えられるでしょう。
参考:国立研究開発法人国立がん研究センター「がん種別統計情報 卵巣」
帝王切開による出産や切迫早産
女性疾病特約に加入しておくことで、女性がかかりやすい病気や女性特有の病気以外に、帝王切開による出産や切迫早産などに対しても手厚い保障を受けられる場合があります。そのため、異常分娩に伴う出費のリスクを抑えたい場合は、女性疾病特約の付帯を検討するとよいでしょう。
なお、一般的に帝王切開などの医療行為なしに出産する正常分娩については、女性疾病特約を付帯している場合でも原則として保障を受けられません(一部の保険を除く)。
女性疾病特約が必要とされる理由
乳がんのように女性がかかりやすい病気や、子宮がん・卵巣がんのように女性特有の病気に対する出費に備える方法として、女性疾病特約は有効な選択肢のひとつです。
医療保険の主契約でも、がんが保障の対象となっていることが一般的です。しかし、加入している医療保険だけでは入院費をカバーできず、現在の収入や貯蓄で差額分を負担できるか不安を抱えることもあるでしょう。
女性疾病特約を付帯しておけば、対象の疾病にかかった際により多くの給付金を受け取れる可能性があります。そのため、女性特有の病気にかかって急な出費が発生するリスクに備えられるでしょう。
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女性疾病特約・女性向け医療保険の選び方のポイント
どの女性疾病特約を選べばよいかで悩んでいる方は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 自己負担額の目安を理解しておく
- 保険料と入院給付金のバランスを考える
- 保障内容を比較する
- 保険期間を考える
ここから、選び方のポイントについて詳しく解説します。
自己負担額の目安を理解しておく
女性疾病特約や女性向け医療保険を検討するにあたって、自己負担額の目安を理解しておきましょう。
病院にかかった際の医療費の自己負担額は3割が原則(※)です。また、高額な医療費を支払った際には高額療養費制度を利用して、自己負担限度額を超えた分の払い戻しを受けられることがあります。
一方で、差額ベッド代のように公的医療保険の対象外となる費用は、全額自己負担です。差額ベッド代とは、患者が希望して1〜4人部屋に入室する場合にかかる費用です。入院時にプライバシーを重視して治療に専念したい場合は、入院費が高くなることを想定したうえで自分に合った保障内容を選びましょう。
※70〜74歳は所得に応じて2〜3割、75歳以上は所得に応じて1〜3割が原則
保険料と入院給付金のバランスを考える
保険料と入院給付金日額などのバランスを考えることも、女性疾病特約や女性向け医療保険の選び方のひとつに挙げられます。入院給付金日額とは、対象の疾病で入院した際に1日あたりで受け取れる給付金の額のことです。
入院時に充実した保障を受けるために入院給付金日額を高く設定すると、毎月の保険料負担が重くなる可能性があります。一方で、保険料を抑えすぎると、入院時に十分な給付金を受け取れず、自己負担分を預貯金で補わなければならない場合もあるでしょう。
毎月支払い可能な保険料の範囲内で、必要な保障を検討することが大切です。
保障内容を比較する
保障内容を比較したうえで、女性疾病特約や女性向け医療保険を選ぶこともポイントです。
なかには、各疾病に対する入院給付金以外に手術保障や不妊治療を支援するための保障などを受けられることもあります。入院給付金と同様に、保障を手厚くするとその分保険料も高くなる可能性があるため、自分に必要な保障が何かを考え、優先順位をつけたうえで選ぶことが重要です。
保険期間を考える
新たに女性向け医療保険への加入を検討している場合は、保険期間も考えましょう。保険には、保障期間が限られている「定期型」と、一生涯保障を受けられる「終身型」があります。
一生涯安心して女性疾病に備えたい場合は、終身型を検討しましょう。ただし、終身型は定期型と比べて加入時の保険料が高めに設定される傾向にあるため、家計とのバランスを考えることが大切です。
「どの程度の保険料なら今の家計で支払えるかわからない」「どのような保険を選べばよいかわからない」などのお悩みを抱えている場合は、お気軽に「auマネープラン相談」にご相談ください。「auマネープラン相談」では、お金のプロがお客さまひとりひとりに合ったプランをご提案します。
女性疾病特約・女性向け医療保険に加入する際の注意点
女性疾病特約・女性向け医療保険に関心がある場合は、以下の点を理解したうえで加入するか判断することが大切です。
- 保険料が高くなる可能性がある
- 保障内容が重なる可能性がある
- タイミング次第で加入できない可能性がある
ここから、それぞれの注意点について解説します。
保険料が高くなる可能性がある
女性疾病特約を付帯したり、女性向け医療保険に加入したりする場合は、女性疾病について充実した保障を受けられる分、保険料が高くなる場合がある点に注意しましょう。
女性疾病特約を付帯しなくても、現在加入している医療保険でカバーできる場合もあります。そこで、女性疾病に対する不安の大きさやどれだけ保障を手厚くしたいかなどによって、加入すべきか判断することが大切です。
保障内容が重なる可能性がある
すでに医療保険に加入していて、新たに女性疾病特約付きの医療保険に加入するときは、保障の重複に注意しましょう。
あらかじめ現在加入している保険の保障内容を確認し、追加で加入が必要かどうかを考えることが重複を避けるためのポイントです。ただし、保障内容を手厚くすることが目的であれば、重複していても検討することに一定の価値はあります。
タイミング次第で加入できない可能性がある
女性疾病特約や女性向け医療保険は、タイミング次第で加入できない可能性がある点にも注意が必要です。
女性疾病特約や女性向け医療保険は、妊娠や出産に関する保障を含む商品もありますが、「妊娠中は加入できない」「加入できても妊娠・出産に関する保障が対象外になる」などのケースが多く見られます。
また、病歴があることで保険に加入できないこともあります。女性疾病への備えが必要と感じたら、早めに加入を検討するとよいでしょう。
保険に加入すべきタイミングがわからない場合は、お気軽に「auマネープラン相談」にご相談ください。「auマネープラン相談」では、お客さまが納得のいくまで何度でも、何時間でも無料でご相談いただけます。おひとりでは不安な場合は、ご家族と一緒の相談も可能です。
女性疾病特約・女性向け医療保険を検討するタイミング
20〜40代でも、乳がん・子宮がん・卵巣がんにかかるケースはあります。そのため、今加入している医療保険だけで入院費の支払いに対応できるか不安な場合は、早めに女性疾病特約や女性向け医療保険への加入を検討しましょう。
早めに加入することで、今後妊娠期間に入って妊娠・出産に関する保障を受けられなくなったり、健康上の理由で加入できなくなったりするリスクを軽減できます。また、若いうちに加入した方が保険料の負担を抑えられることが一般的です。
「保険を見直すタイミングがわからない」「今加入している医療保険のままでよいのか不安」などの悩みを抱えている方は、ぜひ「auマネープラン相談」にご相談ください。「auマネープラン相談」では、ファイナンシャルプランナーがお悩みの解決を無料でサポートしております。お客さまのご都合にあわせてご指定の場所までお伺いするため、ご自宅以外の場所でもご相談可能です。
女性疾病特約で女性特有の病気に備えられる
女性疾病特約とは、女性特有の病気や女性がかかりやすい病気で入院した際などに通常の医療保障に加えて給付金を受け取れる特約です。特約を付帯して手厚い保障内容にすることで、子宮がんや卵巣がんのように女性特有の病気にかかって発生する出費に備えられます。
女性疾病特約を付帯する際は、保険料と入院給付金のバランスを考えることが大切です。また、妊娠期間にあることや特定の病歴があることなどが理由で加入できないケースもあるため、必要性を感じたら早めに加入を検討しましょう。
女性疾病特約を新たに付帯したり、女性向け医療保険に加入したりすべきか決めきれない場合は、「auマネープラン相談」をご検討ください。auマネープラン相談では、お金のプロであるファイナンシャルプランナーが保険選びを無料でサポートしています。ぜひお気軽にご利用ください。
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