保険見直し 2025.11.28

医療保険は日額5000円で十分なの?入院給付金にいくら必要かを解説

「医療保険の入院給付金は日額5,000円で十分?」と不安に思っている人もいるでしょう。

入院給付金を日額5,000円にすることで、保険料負担を抑えられるメリットもありますが、入院時に自己負担が発生する可能性があります。

本記事では、医療保険の入院給付金は日額5,000円で足りるのか、また自分にあった入院給付金の設定のポイントについて解説します。

医療保険は入院給付金日額5000円で十分?

医療保険に加入する際、入院給付金が「日額5,000円」でも十分か気になるところでしょう。

公益財団法人 生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、2022年における疾病入院給付金日額の平均は8,700円でした。金額の分布では、男性が「10,000~15,000円未満」(31.9%)、女性では「5,000~7,000円未満」(38.5%)が最も多くの割合を占めています。

疾病入院給付金日額

男性

女性

3,000円未満

1.3%

2.9%

3,000円〜5,000円未満

4.0%

7.6%

5,000円〜7,000円未満

30.4%

38.5%

7,000円〜10,000円未満

6.2%

6.3%

10,000円〜15,000円未満

31.9%

26.3%

15,000円以上

16.6%

10.6%

わからない

9.6%

7.9%

調査では、5,000円以上を設定する人が多い結果となりましたが、人によって必要な給付金日額は異なります。自分が加入する保険の入院給付金が「日額5,000円」でも十分なのかは、かかる費用などを考慮したうえで判断することが大切です。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」」

 

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入院給付金の日額とは

入院給付金とは病気やケガで入院した際に受け取れる給付金を指します。そのうち、入院日数1日あたりに受け取れる額が「日額」です。

例えば、入院給付金の日額が5,000円で入院日数が24日であれば、12万円(5,000円 × 24日)を受け取れます。ただし、一般的に保険の契約時点で「最大60日まで」「1回の入院につき120日まで」などの上限が定められています。

入院にかかる費用・1日あたり費用の相場

生命保険文化センターが2022年に実施した「生活保障に関する調査」によると、直近入院時における自己負担額(※)は、平均19.8万円でした。また、総額を入院日数で割った1日あたり自己負担額は、2万700円です。

※高額療養費制度を利用した人も含む

【入院時の平均自己負担費用】

1日あたりの自己負担費用

2万700円

総額の自己負担費用

19万8,000円

総額は、入院日数が長くなるほど、自己負担額が高くなる傾向にあります。「61日以上」入院している場合の平均費用総額は、75.9万円でした。

なお、厚生労働省の「医療施設(動態)調査・病院報告の概況」によると、2024年時点で一般病床における平均在院日数は「15.5日」でした。病院側の利益などの関係から入院日数自体は短縮化の傾向にありますが、医療の発達により多額の費用が発生する可能性を考慮して保険などでの備えが必要です。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」」

参考:厚生労働省「令和62024年医療施設(動態)調査・病院報告の概況 II 病院報告」

 

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入院給付金を日額5000円にするとどうなる?

入院給付金を「日額5,000円」に設定することには、メリットもデメリットもあります。それぞれの内容を押さえておきましょう。

入院給付金日額5000円のメリット

入院給付金日額を5,000円にすることで、差額ベッド代分を捻出できる可能性があります。厚生労働省の「主な選定療養に係る報告状況」によると、2024年8月1日時点における病床別の1日あたり平均徴収額は以下のとおりです。

区分

1日あたり平均徴収額(推計)

1人室

8,625円

2人室

3,149円

3人室

2,778円

4人室

2,780円

そのため、2人室〜3人室であれば入院給付日額で差額ベッド代を全額支払えます。また、残った分で食事代も賄えるでしょう。

さらに、入院給付金の日額を5,000円にすることで、保険料負担を抑えられる点メリットです。一般的に、日額を低く設定するほど、保険料の負担も小さくなります。

日々の生活を送るにあたって、保険料以外にも毎月住居費・水道光熱費・通信費・駐車場代・子どもの塾などさまざまな固定費がかかっているでしょう。保険料の負担を抑えておけば、医療保険に新たに加入したことで家計が圧迫される可能性も減ります。

参考:厚生労働省「中央社会保険医療協議会 総会(第613回)議事次第 総-1-2主な選定療養に係る報告状況」

入院給付金日額5000円のデメリット

入院給付金の日額を5,000円にして契約すると、入院した際に実質的な負担が発生する可能性がある点がデメリットとして挙げられます。

入院時にかかる治療費や入院基本料は公的医療保険の適用対象のため、原則として自己負担は3割です。ただし、差額ベッド代や交通費(家族のお見舞い含む)など公的医療保険の適用対象外の支出が発生することで、当初の想定以上に自己負担が増える可能性があります。

一方で、日額5,000円だと保険料が高額に感じる人もいるでしょう。その場合は、日額を下げることも検討しなければなりません。

デメリットを踏まえ、家計の負担のなかでどれくらいであれば許容できるかをしっかり考えておくことが大切です。具体的な数字を使って、計算してみましょう。

例えば、「日額5,000円」で設定しているのにもかかわらず、自己負担費用が毎日2万円程度かかると毎日1.5万円分の差額が発生するため、預貯金などから足りない分をまかなわなければなりません。入院日数が長引くほど、負担が大きくなり家計を圧迫していくでしょう。

入院給付金日額5,000円のデメリットが自分にとって大きいと感じる場合は、「日額3,000円」「日額7,000円」「日額10,000円」などの選択肢があります。

「日額3,000円」で契約すると、保険料の負担を抑えられる分、入院に伴う自己負担額はカバーしきれない可能性が高いでしょう。十分な蓄えがない場合は、ほかの選択肢を検討したほうがよいでしょう。

また、「日額7,000円」や「日額10,000円」で契約すれば、「日額5,000円」に比べて自己負担額を軽減できます。ただし、毎月の保険料が家計の負担になる可能性もある点に注意が必要です。

 

経済状況や生活スタイルを考慮したうえで、最適な保障額を検討することをおすすめします。自分に合った保障額を相談したい方は、「auマネープラン相談」を是非ご利用ください。保険のプロに無料で相談が可能です。

入院保障の日額の決め方

入院給付金(入院保障)の日額の決め方のポイントは、主に以下のとおりです。

  • 公的医療保険制度について調べる
  • 入院でかかる費用を考える
  • 入院時の逸失収入を考える
  • 保障内容と保険料を比較する
  • 手元にある資金を把握する
  • 専門家に相談する

それぞれ解説します。

公的医療保険制度について調べる

入院給付金の日額を決めるにあたって、公的医療保険制度について調べておきましょう。

公的医療保険とは、被用者保険や国民健康保険などに加入することで、病気やケガをした際に公的な機関が費用の一部を負担する制度のことです。日本では国民皆保険制度が採用されているため、全国民に加入が義務付けられています。

公的医療保険制度のうち、入院給付金の日額を決める際に押さえておきたいのが、高額療養費制度です。高額療養費制度を利用すれば、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が上限を超えた場合に、一定の額の還付を受けられます。

そのため、高額な医療費が発生した場合でも、自分が想定しているよりも自己負担を抑えられることがあるでしょう。高額療養費を適用した場合の自己負担額は、収入や年齢によって異なります。

その一方で、近年、国が高額療養費の自己負担率を上げようとする動きがある点も押さえておかなければなりません。少子高齢化の影響もあり、日本の医療分野における制度をこのまま維持するのは困難です。

高額療養費の制度があることを理解しつつ、制度の適用条件が現在よりも厳しくなったとしても安心して治療費を払えるように、保険で備えておくことも考えておきましょう。

参考:全国健康保険協会 協会けんぽ「高額療養費簡易試算(70歳未満用)」

入院でかかる費用を考える

自分が入院する場合を想定し、どれくらいの費用がかかるか計算したうえで入院給付金の日額を決めることも大切です。

人によって状況が異なるため、平均だけでは目安を判断できません。生命保険文化センターが2022年に実施した「生活保障に関する調査」でも、1日あたりの自己負担費用が「10,000〜15,000円未満」が23.3%を占める一方で、「40,000円以上」との回答も13.2%ありました。

直近入院時1日あたり自己負担費用

回答率

5,000円未満

13.8%

5,000円〜7,000円未満

8.8%

7,000円〜10,000円未満

11.5%

10,000円〜15,000円未満

23.3%

15,000円〜20,000円未満

7.9%

20,000円〜30,000円未満

16.0%

30,000円〜40,000円未満

5.5%

40,000円以上

13.2%

例えば、入院時に個室を希望するのであれば、自己負担費用は高くなります。1人室・2人室・3〜4人室で入院する際にかかる「差額ベッド代」について、公的医療保険は対象外のためです。また、入院する病院と自宅が離れている場合は、見舞いに来る家族に交通費の負担がかかるでしょう。

入院時にかかる費用が高めであれば、「日額5,000円」より高く設定することも検討しなければなりません。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」」

入院時の逸失収入を考える

入院時の逸失収入を考えることも、日額を決めるうえで重要なポイントです。逸失収入とは、本来得られたはずなのに、病気やケガで入院したことで得られなくなった額のことです。

生命保険文化センターが2022年に実施した「生活保障に関する調査」では、直近の入院において逸失収入があったと回答している割合が17.4%を占めています。また、逸失収入の平均は「30.2万円」(1日あたり平均2.1万円)です。

入院した場合に逸失収入が発生しそうな場合は、金額次第で日額を高めに設定することも検討しましょう。

参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度「生活保障に関する調査」」

保障内容と保険料を比較する

検討している医療保険の保障内容と保険料を比較することも重要です。

「日額5,000円」であれば、「日額10,000円」の場合と比べて保険料の負担を抑えられます。そのため、「保険料の負担が家計にとって重すぎないか」、もし保険料の負担が重いのであれば、「どの保障内容が要因になっているのか」などを確認するとよいでしょう。

また、医療保険によっては入院初日から支給されず、「◯日目以降から支給」とされているケースもあります。条件も押さえたうえで、保険料を確認しましょう。

手元にある資金を把握する

手元にある資金を把握することも、自分にあった入院給付金の日額を決めることにつながるでしょう。

蓄えが十分にある場合は、医療保険で自己負担分をカバーしきれなくても預貯金の切り崩しで対応できるため、「日額5,000円」もしくは「日額3,000円」でも十分な可能性があります。ただし、仮に十分な預貯金があっても、マイホームや自動車の購入資金、子どもの将来の学費など、使い道が決まっているケースもあるため注意が必要です。

専門家に相談する

保険の種類や医療保険の日額を決めるにあたって、FP(ファイナンシャル・プランナー)などの専門家に相談する方法もあります。

「日額5,000円」で十分か判断するには、公的医療保険制度を理解したり、今の自分の蓄えが十分であるかを確認したりしなければなりません。家計に関する知識を備えたFPに相談することで、今の自分にあった保険が見つかることがあるでしょう。

 

「auマネープラン相談」では、プロの目線から今の状況を整理したうえで最適なご提案が可能です。ご自宅やお近くのカフェなど、希望の場所・時間に無料でご相談いただけるので、お気軽にご相談ください。

医療保険で入院給付金以外に考えるべきこと

医療保険への加入を検討する際は、入院給付金以外のことも考慮しましょう。検討すべき内容は以下のとおりです。

検討すべき項目

チェック内容

特定の疾病に対する保障の有無

手厚い保障を受けるために、がん特約などを付帯するのか考える

手術時・通院時の保障内容

手術を受けるケース、入院後通院するケースなどを考慮して、いくら必要なのかを考える

保険期間

保険期間が一定期間で区切られる「定期型」か保障が一生涯続く「終身型」のどちらがあっているか考える

先進医療特約の付加

自分が病気にかかった際に幅広い治療の選択肢を残しておきたいのであれば、先進医療特約の付加を検討する

日額「5,000円」の保険でも、保険期間や特約の有無によって保険料が変わります。

 

保険のプロに相談することで、医療保険を検討する際にチェックすべき内容が整理することができます。無料で利用できる「auマネープラン相談」は強引な勧誘は一切ありませんので、是非お気軽にお問い合わせください。

負担を考慮して医療保険が日額5000円で十分か判断することが重要

医療保険の入院給付金日額とは、病気やケガで入院した際に、1日につき支払われる金額のことです。入院給付金の日額には「3,000円」「5,000円」「7,000円」「10,000円」などの選択肢があります。

蓄えがある場合は、「日額5,000円」でも十分な可能性があります。一方で、余裕がなく、入院時の自己負担額分について預貯金を切り崩して対応できるか不安な場合は、「日額7,000円」や「日額10,000円」も検討したほうがよいでしょう。

自分が「日額5,000円」でも十分かどうかは、貯蓄や保険料負担などを踏まえて総合的に判断してください。

入院給付金日額の適切額は、人それぞれの状況によって異なります。「auマネープラン相談」は対面スタイルのため、じっくりとご相談できます。時間や場所は、ご意向に合わせて対応いたしますので、是非お気軽にお問い合わせください。

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