糖尿病でも入れる生命保険・医療保険はある?加入しやすい保険の選び方を解説
糖尿病があると、生命保険や医療保険への加入が難しいと思われがちですが、加入できる保険や比較的入りやすい保険も存在します。加入の際は正しく告知し、必要な保障かどうかを確認することが大切です。
本記事では、糖尿病の人でも加入しやすい保険の種類や、加入の際のポイントなどを解説します。
- 糖尿病とは?
- 糖尿病患者数の推移
- 糖尿病の平均入院日数
- 糖尿病でも入れる保険・入りやすい保険
- 健康状態にかかわらず加入できる「無選択型医療保険」
- 加入時の審査がゆるやかな「引受基準緩和型医療保険」
- 糖尿病の人に特化した保険
- 糖尿病で保険加入する際の審査に影響する要素
- 1型か2型か
- 発症からどのくらい経過しているか
- 糖尿病の人が保険に入りにくい理由
- 入院や手術を受けるリスクが高いため
- 合併症になる可能性があり入院が長期化しやすいため
- 糖尿病の人が保険に加入するときのポイント
- 正しく告知する
- 「入りやすさ」ではなく「必要な保障」で選ぶ
- 保険料とのバランスを考える
- できるだけ早めに加入を検討する
- 糖尿病でも入りやすい保険はある
糖尿病とは?
糖尿病とは、血糖値が慢性的に高くなることで全身にさまざまな影響を及ぼす生活習慣病です。主にインスリンの分泌不足や働きの低下によって引き起こされ、放置すると合併症を招き、日常生活にも支障が出る可能性があります。
ここでは、糖尿病患者数の推移や平均入院日数について解説します。
糖尿病患者数の推移
厚生労働省が公表している2023年(令和5年)「患者調査」によれば、日本で糖尿病の治療を受けている総患者数は、約552.3万人です。「患者調査」は3年ごとに実施される調査で、前回の2020年調査では、約579.1万人となっています。
また、厚生労働省の2024年(令和6年)「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる者」は、男性17.7%、女性9.3%という結果が出ています。
「糖尿病が強く疑われる者」の割合の年次推移は、以下のとおりです。
| 年次(西暦) | 男性 | 女性 |
| 2014年 | 15.5% | 9.8% |
| 2015年 | 19.5% | 9.2% |
| 2016年 | 16.3% | 9.3% |
| 2017年 | 18.1% | 10.5% |
| 2018年 | 18.7% | 9.3% |
| 2019年 | 19.7% | 10.8% |
| 2022年 | 18.1% | 9.1% |
| 2023年 | 16.8% | 8.9% |
| 2024年 | 17.7% | 9.3% |
2020年、2021年は調査を中止しています。10年間で男女とも有意な増減はみられないものの、年齢階級が上がるにつれて「糖尿病が強く疑われる者」の割合が高くなっています。
2024年における、30代以降で「糖尿病が強く疑われる者」「糖尿病の可能性を否定できない者」の男女別割合は、以下のとおりです。
| 年齢階級 | 男性 | 女性 |
| 30〜39歳 | 7.1% | 7.7% |
| 40〜49歳 | 11.4% | 13.0% |
| 50〜59歳 | 13.7% | 16.4% |
| 60〜69歳 | 21.0% | 19.5% |
| 70歳以上 | 42.9% | 39.1% |
「糖尿病が強く疑われる者」は約1,100万人と推計されており、平成9年以降増加しています。
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「患者調査 令和5年患者調査 全国編 」
参考:政府統計の総合窓口 e-Stat「患者調査 平成8年~令和2年患者調査 令和2年患者調査 確定数 全国編 報告書 」
参考:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」
参考:厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」
糖尿病の平均入院日数
糖尿病関連の入院は、血糖コントロールの調整や合併症の治療が必要となるケースが多く、一般的に入院期間が長くなる傾向があります。厚生労働省の2023年(令和5年)患者調査によると、糖尿病患者の平均入院日数は31.8日となっています。
その理由は、ただ血糖値を下げるだけでなく、全身状態の管理や生活習慣の改善まで含めた治療が必要になるためです。血糖値を急激に下げると低血糖などの危険があるため、薬やインスリンの量を慎重に調整しながら安定させる必要があります。
また、腎臓や目、神経などの合併症の有無を検査し、治療方針を決めることも入院の目的です。さらに、高血糖により感染症を併発しやすく、治療が長引く場合があります。
退院後に自己管理を続けるための食事・運動指導や注射の練習が行われることも、一定の入院期間が必要になる理由です。入院期間が長いことは、医療費の増加や患者の生活への負担にもつながるでしょう。
糖尿病のリスクを踏まえて、適切な保障を検討したい方は「auマネープラン相談」にご相談ください。auマネープラン相談では、ファイナンシャルプランナーに無料で保険選びについて相談できます。
糖尿病でも入れる保険・入りやすい保険

糖尿病と診断された場合でも、条件次第では保険に入れる可能性はあります。健康状態にかかわらず加入できる「無選択型医療保険」や、審査がゆるやかな「引受基準緩和型医療保険」のほか、糖尿病に特化した保険もあります。
ここでは、糖尿病でも加入できる保険・加入しやすい保険をご紹介します。
健康状態にかかわらず加入できる「無選択型医療保険」
無選択型医療保険とは、加入に際して健康状態に関する告知や医師による診査がなく、持病の有無にかかわらず加入できる医療保険です。通常の医療保険と同じく、病気やケガによる入院給付金や手術給付金などが保障されます。
糖尿病の人でも入りやすいのがメリットですが、保険料はやや高めに設定されています。
また、取り扱い商品が限られており、給付金の支払限度額も比較的低めに設定されているケースが少なくありません。さらに、保障対象外となる条件が広く定められています。
多くの商品では、契約後一定期間中に万が一の事態が起きても死亡保険金が支払われず、それまでに支払った保険料相当額だけが返戻される仕組みになっています。
加入直後の一定期間は、たとえ入院しても入院給付金が支払われないか、支給されても給付額が減額される場合がある点にも注意が必要です。
そのため、加入前には、保障内容や制限事項をよく確認しておく必要があります。
加入時の審査がゆるやかな「引受基準緩和型医療保険」
引受基準緩和型医療保険とは、通常の医療保険より告知内容が限定されており、糖尿病や軽度の合併症があっても加入しやすい保険です。基本的に病気やケガによる入院給付金や手術給付金などが保障される点は、通常の医療保険と変わりありません。
審査基準が緩やかであるため、加入を断られる可能性が低く、比較的スムーズに加入できます。保険料は一般の医療保険よりやや割高になる場合がありますが、必要な保障を確保できる点がメリットです。
告知項目は保険会社や保険商品によって異なりますが、いずれもいくつかの簡単な質問に回答するだけで申し込みができる点が特徴です。
加入のハードルが低く設定されている一方で、保険料は一般的な医療保険より高めになる傾向があります。さらに、契約後しばらくの間は給付金が一部抑えられる「支払削減期間(加入から一定期間は給付金が減額される期間)」が設けられている商品が多いため、事前に条件を確認しておくことが大切です。
糖尿病の人に特化した保険
糖尿病患者向けに設計された医療保険もあります。一般的な医療保険では審査が厳しくなりがちな糖尿病について、限定的な告知のみで申し込みができ、糖尿病の治療中でも加入が可能です。
保障内容は、糖尿病による入院や手術に加え、合併症や関連する病気の治療も対象となる点が特徴です。
また、年齢制限が比較的緩やかで、更新を重ねながら継続できる仕組みが採用されています。
一方で、給付金額は少額に設定される傾向があり、保障範囲も限定的なため、現在の治療状況や将来のリスクを踏まえ、保障として十分かを確認したうえで検討することが大切です。
血糖値が高い、あるいは糖尿病の診断を受けているなどで保険に入れるか心配な人は、「auマネープラン相談」を利用してみてはいかがでしょうか。ファイナンシャルプランナーが保険の相談に対応しており、糖尿病でも入れる保険についてもアドバイスが可能です。
糖尿病で保険加入する際の審査に影響する要素

糖尿病患者が保険に加入する場合、審査は保険会社ごとに異なるものの、主に病気の種類や発症時期、合併症の有無、治療内容などが重視されます。
ここでは、保険加入の際に影響する要素について、具体的にみていきましょう。
1型か2型か
糖尿病は1型と2型に分類され、それぞれ発症要因や治療方法が異なるため、保険の審査では型の違いが判断材料のひとつとなります。
1型は自己免疫疾患などが原因でインスリンがほとんど分泌されない疾患です。インスリン治療が継続的に必要となることから、血糖管理の安定性や合併症発症の可能性を踏まえ、慎重に審査される傾向があります。
一方、2型は生活習慣や遺伝的要因が関係するケースが多く、食事療法や運動療法、内服治療などで状態が安定している場合には、健康状態を個別に評価したうえで審査が行われることがあります。
1型か2型かによって審査の難易度や条件が異なる場合があるため、加入時には客観的な事実を正確に申告することが大切です。
発症からどのくらい経過しているか
糖尿病の発症からの経過期間が長いほど、合併症(腎症・網膜症・神経障害など)のリスクが高まるため、保険会社の審査でもどのくらい経過しているかが重視されやすくなります。
発症直後や軽度の症状であれば加入しやすい場合もありますが、長期管理が必要なケースでは保険料が高くなったり、条件がついたりする可能性もあるでしょう。
審査をスムーズに進めるためには、直近1年の健康診断結果や血糖値の記録、服薬状況などを正確に把握しておくことが重要です。保険会社によっては、主治医の診断書の提出を求められる場合もあります。
糖尿病で保険に加入する際、審査に不安がある方は、「auマネープラン相談」にご相談ください。「auマネープラン相談」では、保険加入についての相談に対応しており、お客さまの都合の良い場所に保険のプロが出向きます。プロの視点から、糖尿病で保険に加入する際のアドバイスもできますので、ぜひご活用ください。
糖尿病の人が保険に入りにくい理由
糖尿病は将来的に医療費がかかりやすく、合併症や入院リスクも高いため、保険会社はリスクを慎重に判断します。そのため、一般の医療保険では加入が難しいケースが少なくありません。
ここでは、糖尿病の人が保険に入りにくい理由を詳しく解説します。
入院や手術を受けるリスクが高いため
糖尿病は血糖値のコントロール状況や合併症の有無によって、入院や手術を受ける可能性が高くなる病気です。
例えば、急性の高血糖や低血糖による緊急入院、糖尿病性ケトアシドーシス、感染症や足病変などが原因での入院・手術といったリスクがあります。
保険会社はこうした入院や手術の可能性に基づき、給付リスクを想定して保険料や加入可否を判断します。そのため、糖尿病のある人は一般的な医療保険では条件が厳しくなることがあるでしょう。
合併症になる可能性があり入院が長期化しやすいため
糖尿病では、腎症・網膜症・神経障害などの合併症が進行すると治療が長引き、入院期間が延びる可能性があります。長期入院や手術の頻度が増えることで、保険会社にとって支払いリスクが高くなるため、審査が厳しくなる傾向があるでしょう。
特に長期間にわたり血糖コントロールが不安定な場合や、過去に重度の合併症で入院経験がある場合は、加入時に条件付きとなったり、保険料が割高になったりするケースもあります。そのため、糖尿病の人は自分の治療歴や合併症の状況を整理して、適切な保険選びを行う必要があるでしょう。
糖尿病の人が保険に加入するときのポイント

糖尿病の人が保険に加入する際は、正しく告知するとともに、自身の健康状態や治療状況に合った保険を選ぶことが大切です。
ここでは、保険に加入する際のポイントや注意点を解説します。
正しく告知する
保険加入時には、病歴や治療状況、服薬状況などを正確に告知することが不可欠です。虚偽や不十分な情報の申告は告知義務違反となり、保険金の請求ができなくなるリスクがあります。
告知義務違反は、病気やケガで保険金を請求する段階で判明するケースが多く見られます。保険金請求時には、保険会社が医療機関への調査を行うことがあり、カルテや受診歴から過去の治療歴が確認されるためです。
申告内容と食い違いがあると告知義務違反と判断され、給付が受けられない可能性があります。そのため、告知欄には事実に基づいた内容を正確に記入することが大切です。
糖尿病の診断日や治療内容、合併症の有無、直近の健康診断や血糖値の状況など、できるだけ詳細に伝えることで、審査がスムーズに進み、加入後のトラブル防止につながります。
また、必要に応じて主治医の診断書や処方履歴を添付すると、保険会社がリスクを正確に判断しやすくなります。正しい告知は、加入後の安心につながる大切なポイントです。
「入りやすさ」ではなく「必要な保障」で選ぶ
糖尿病の人が保険を選ぶ際に重視しがちなのは「入りやすさ」ですが、加入のしやすさだけでなく、実際に必要な保障を確保できるかどうかも重要なポイントです。
糖尿病関連の入院や手術、通院、検査費用など、日常の治療に必要な医療費をカバーできる保障内容を確認しましょう。
加入しやすい保険という点だけに注目して選ぶと、給付条件が限定されていたり、合併症への対応が不十分だったりして、実際に必要な場面で保障が不足してしまう可能性があります。
保険の種類や保障内容を見比べたうえで、現在の治療状況に適した保障を選ぶことが、安心できる備えとなります。
保険料とのバランスを考える
糖尿病でも入れる保険は、保障内容やリスクに応じて保険料が割高になる場合があります。そのため、必要な保障を確保しつつ、無理なく支払える保険料かどうかを確認することも重要です。
毎月の保険料が負担になって途中解約してしまうと、必要な保障が得られなくなります。長期的に払い続けられるか、収入や生活費とのバランスも考慮して保険を選ぶことが大切です。
また、保険料の負担を抑えながら保障を充実させるために、特約の付け方や入院日額・手術給付金の設定を調整するなどの工夫も必要です。
できるだけ早めに加入を検討する
糖尿病は病状が進行すると、合併症や治療状況によって保険への加入が難しくなる場合があります。そのため、病状が安定している段階で早めに加入を検討することが大切です。
早期に加入することで、保険会社の審査をクリアしやすく、必要な保障を確保しやすいでしょう。また、病状が進むと加入条件が厳しくなったり、保険料が高くなったりすることもあるため、治療開始直後や症状が安定しているうちに加入手続きを進めることが推奨されます。将来の医療費や生活リスクに備え、早めの行動が安心につながるでしょう。
「保険の必要性を感じるものの、どの保険が適切なのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。判断が難しいときは、「auマネープラン相談」にご相談ください。保険のプロが状況をヒアリングし、適した保険についてアドバイス・提案を行います。
糖尿病でも入りやすい保険はある
糖尿病があっても、無選択型医療保険や引受基準緩和型医療保険、あるいは糖尿病に特化した保険など、加入しやすい保険はあります。
加入時には、合併症の有無や治療状況を正確に伝え、正しく告知しなければなりません。また、「入りやすさ」だけでなく、必要な保障内容かどうかを検討し、保険料とのバランスも考える必要があります。
病状が安定しているうちに早めに加入を検討することが、安心した医療費・生活リスクの備えにつながります。
自分の状況に合った保険を選び、将来への安心を確保したい場合は、「auマネープラン相談」をご活用ください。お客さまが納得いくまで、何度でも何時間でも無料で相談できるサービスです。ご指定の場所までファイナンシャルプランナーが伺い、保険選びをサポートします。
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